そこで今回は、
- 幼児期の食育の重要性
- 食育活動の具体例
- 保護者がすべきこと
これらの内容を紹介してきます。
幼児期の食育の重要性
小学生の食に関する認識
ある小学校で、低学年の児童に「田んぼには何が植えられているのか」と質問したところ答えることができなかったそうです。
最近では幼稚園や保育園でも食育に取り組むようになりましたが、「食育」という言葉はまだ新しく、お母さん世代には馴染みがありません。
幼児期の食の大切さ
食育を簡単に言えば、子どもに食事の楽しさと大切さを理解させ、どんな食事をどんな風に食べればよいのかを教えることです。
これは自分の健康を守ると同時に、将来的には自分の子どもの健康を守ることにつながります。
昨今、ライフスタイルの多様化から、生活習慣病や過剰なダイエットなど食にまつわる問題が増加しています。
幼児期は特に、食事に対して「好き」や「嫌い」などの感覚が芽生え、人生の中で最初の食体験をする時期です。
この時期の食事の体験は、子供の心身の成長に大きく影響を与え、その後の人生にも関与します。
食は、子供の心身の成長に大きく影響を与える
食育活動の具体例
【具体例1】福島県の具体例
福島県の幼稚園では「食べる力」「感謝の心」「郷土愛」という指針を掲げ、食育を推進しています。
「食べる力」としては、食べる意欲があり、食事をよく噛んで、味わって食べることが挙げられています。
食事だけにとどまらず、手洗い、あいさつ、歯磨きまで含めた習慣を身に付けさせようとしています。
「感謝の心」では、一緒に食事をしたい家族や仲間がいて、その人たちと楽しんで食事ができることを目指しています。
「郷土愛」では身近な食べ物を通して、その食材を調理したり準備したりする中でのワクワクする体験を味わってもらうことを目標にしています。
参考ページ
福島県の食育活動
【具体例2】バイキング給食
具体的な取り組みの1つとして「バイキング給食」を実施しました。
これは、幼児のこれまでの食事体験や体型の違いから、食べる量の個人差が大きく、食べる時間も違い、給食を食べきれない園児がいたこと。
また、接してきた食べ物の幅が狭く、給食で初めて触れる食材にとまどう園児が見られたことから、それが園児の偏食につながり、給食を残すことにつながっていると考えられた為です。
当日は給食を黄、赤、緑の3つのコーナーに分けて並べました。
黄色はごはんコーナー、赤はおかずコーナー、緑は野菜・果物コーナーです。
園児に興味を持ってもらうためにキャラクターも活用しました。
各コーナーに教諭や調理員が立ち、食べ物の説明をしながら幼児に給食を配りました。
配られた料理の働きを考えながら、残さず食べるように、楽しい雰囲気づくりを心がけたようです。
その結果、園児が食材に興味を持ち、食べる給食の量も増えました。
そして、保護者に対する取り組みとして「園だより」や食育講演会、保護者参加の食育体験で、啓発を促したのです。
施策として食育を推進することになったのです。
幼稚園や保育園では、その多くが食育年間計画を作成し体系的な食育活動に取り組んでいます。
食育を通じて期待されること
厚生労働省は、期待される育ちの姿として「5つの子ども像」を掲げました。
- お腹がすくリズムの持てる子供
- 食べたいもの・好きなものが増える子供
- 一緒に食べたい人がいる子供
- 食事づくり、準備にかかわる子供
- 食べ物を話題にする子供
子供を思い切り遊ばせてお腹を空かせ、楽しく食事ができる環境を整え、食材に興味を持たせると同時に食事のしたくや準備にも親しませることで、実践しようとしています。
保護者は何をすれば良いのか?
- 規則正しい生活を身に付けさせる中で、食事もできるだけ決まった時間にとり、朝食を抜かない習慣をつけること
- 食事の買い物に子供と一緒に出かけて、食事中に食材を話題にすること
- できるだけ家族が一緒に食事をとり、会話を楽しむこと
- 食事の準備を手伝ってもらうこと
- 日頃から食事の大切さや旬の食べ物などについて話題にすること
これらが行動が大切になってきます。
ですが、それほど難しく考えず、子供と一緒に食事を楽しむことから始めてみると良いでしょう。
食事中に保護者から褒められることで、食事のマナーを身に付けたり、残さず食べたりできるようにもなります。
食べ物を扱った絵本を読み聞かせるのも、食べ物に興味を持たせるのに有効です。
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