【アメリカで働く】カルチャーショック?米系企業の働き方・企業文化など解説

アメリカの労働スタイルは日本の企業と大きく異なります。

そのため、アメリカに移住して働きだしてみて、日本との違いに困ってしまう人もいます。

日本と同じ感覚だと、場合によっては同僚とトラブルになってしまったり、仕事が上手く行かなかったりすることも想定できるでしょう。

そこでここでは、日本と異なるアメリカの企業文化について解説します。

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残業が多い人は仕事ができない?

日本と評価基準が違う

アメリカでは一般的に無駄な残業をしません。

日本だと残業して長く働いて頑張っているように見える人が評価されやすかったり、上司より先に退勤するのは失礼と思われたり、仕事が終わっても帰りにくい風習が残っています。

また、仕事を早く片付けた場合、他の人から仕事を押し付けられたり、サボっていると思われたりして、本来はとても優秀な人なのに評価が下がってしまうことも。

それに対してアメリカでは、無駄な残業をする人は逆に仕事ができない人と思われる傾向にあります。

ワークライフバランスを大切にしている

また、アメリカはワークライフバランスを日本以上に大切にしている国です。

保育園や幼稚園、小学校で働いている教諭・教師にも生活があり、子供を必要以上に長く預かることはしません。

また、州によって年齢は異なりますが、おおむね12歳以下の子供を一人で留守番させることは違法とされています。

ベビーシッターを利用するという手もあるものの、多くの家庭はコスト的に限界があるので、何が何でもお迎えの時間までに仕事を切り上げて子供を迎えに行かなければいけません。

これもアメリカの企業で残業が少ない理由として大きいでしょう。

それでも残業を全くしないわけではない

ただし、「アメリカの企業は残業をしない」というわけではありません。

やはり決められた時間内でできる仕事量には限界があります。

また、アメリカの正社員は年棒制を採用しているところも多いです。

定時で仕事を切り上げることを優先して、任された仕事を片付けられない状況が続くと給料が下がってしまいます。

そのため、実際のところは管理職など高い報酬を得ている人ほど仕事を家に持ち帰っている人も多いのが現状です。

アメリカは日本ほど無駄な残業が少ないとしても、時間内に仕事ができないと評価が下がることだけは理解しておきましょう。

役割分担が明確な「ジョブディスクリプション制」

自分の仕事に専念できる

アメリカの企業ではジョブ・ディスクリプション制と言って、雇用契約を結ぶ際に担当する仕事の内容と責任範囲を細かく決めます。

そのため、自分の担当外の仕事について聞かれたり、任されたりしたときははっきり別の人に聞いてください、頼んでくださいと断れます。

日本だと採用時にある程度のポジションは決まっていますが、担当する仕事の範囲までははっきり決めません。

そのため、知らない間に仕事が増えてしまっていたり、本来やらなくても良い雑務まで自分がやっていたりすることがよくあります。

アメリカではその心配が無いので、本来自分がすべき仕事に専念することができます。

専門性の高さを評価

日本の場合様々な仕事に幅広く対応できるいわゆるジェネラリストが高く評価されやすい傾向にあります。

それに対してアメリカは一つの仕事に対する専門性の高さが評価されやすいです。

この文化の違いが現れているのがジョブ・ディスクリプション制でしょう。

しかし、日常の業務では想定外の業務が発生する場面も当然あります。

契約書に書かれた仕事しか任せられないジョブ・ディスクリプション制は雇用する側からすると不便でしょう。

そのため、この制度では職場が回らなくなってしまうとして、雇用契約を結ぶ際に、仕事内容や責任の範囲を曖昧にするケースも増えています。

任された仕事をはっきり断ってしまうと場合によっては解雇につながる可能性もあるので、あくまで仕事の範囲をある程度決める制度と思っておくのが良いでしょう。

有給の取りやすさ

当日に休暇申請できる

アメリカは日本と比べて有給が取りやすい傾向にあります。

日本だと有給は病欠でない限り基本的になるべく早く、場合によっては1ヶ月以上前から申請するものです。

それに対してアメリカの場合は病欠でなくても当日に手軽に有給を申請できます。

実はアメリカは日本のように有給が保証されている国ではありません。

それでも、アメリカ自体労働時間よりも結果重視の傾向があることから、「休んだとしても結果さえ出せば良い」という雰囲気のおかげで有給の自由度が高いと言えるでしょう。

数週間〜数ヶ月単位の休みも

また、アメリカの場合ただの有給だけでなく、まとまって数週間〜数ヶ月単位で休むバケーション休暇の文化もあります。

社会人になってからも、学生のときのように夏休みや冬休みを作れるのは良いですね。

アメリカにも日本の学校のように長期休暇はあるので、特に子供がいる家庭だと、子供と一緒に遠出して思い出づくりができるのは魅力的です。

休暇だけでなく早退に関してもアメリカは自由度が高め。

その日の気分でいつもより仕事を早めに切り上げて、お出かけや家族との時間を過ごすこともできます。

ビジネスメールが簡潔でフレンドリー

アメリカの場合ビジネスメールの文章も簡潔です。

日本の場合、文頭に季節の挨拶や「いつもお世話になっております」などの文章を入れるのが基本です。

また、ビジネス用の敬語は会話以上に丁寧になりやすく、その分無駄な敬語で文章が長くなってしまいます。

それに対してアメリカの場合挨拶は”Hi, everyone.”など、とても簡潔かつフレンドリーです。

面識のない人や上司にメールを送る場合は”Drear Mr./Mrs.”と書き足す程度で良いでしょう。

また、挨拶も自分の名前を名乗ることも必要ありません。

これはメールの最後に自分の名前・部署を記載するためです。

結びに関しては、一般的には”Thanks,”や”Sincerely,”で締めます。

この最後はピリオドではなくコンマなので注意して下さい。

また、英語にも敬語表現は存在します。

ただ表現が簡潔でフレンドリーではあるものの、相手に応じてcan/willとcould/would程度の使い分け程度は理解しておく必要があります。

珍しくない突然の解雇

結果を出すことへのプレッシャー

アメリカの企業は自由度の高い働き方や、結果を出せば高い報酬が得られる制度が魅力的ですが、その分雇用が不安定です。

仕事ができないと突然解雇されてしまうことも少なくありません。

そのため、その職場に残るためにも結果を出し続けるプレッシャーがあることは理解しなければいけません。

また、次の日になったら自分の席がいきなり無くなっている、オフィスそのものが消えているといったトラブルもあります。

退職金・失業保険はある

アメリカの場合一応退職金制度は存在するものの、基本的には勤務年数×2週間分が相場。

この金額は日本と比べると安く感じるかもしれません。

ただ、アメリカにも日本と同様失業保険制度が存在します。

そのため、万が一突然の解雇に遭ってしまっても次の仕事まで期間がよほど長期間開かない限り生活に困ることはないでしょう。

日本の方が安定はしている

それに対して日本の場合は基本的に会社都合で退職する場合は、労働基準法で解雇の30日以上前に予告することが義務付けられています。

1ヶ月あれば働きながら次の仕事を探すこともできるでしょう。

それに日本は年功序列の傾向が強く、仕事ができなくても勤務期間がながければある程度給与が保証されます。

解雇や雇用の安定性に関しては、日本の方が心配が無く安心して働けると言えるでしょう。

自分に合った働き方を考えよう

アメリカ企業の働き方や企業文化は、日本で働いていると斬新で魅力的に感じるかもしれません。

しかし、もちろんメリットばかりではなく、人によっては日本の働き方の方が合っている人もいます。

そのため、アメリカに移住して働く場合は日本とアメリカの企業文化をよく比較し、冷静かつ客観的に自分にはどちらが合っているのかを考えましょう。

記事の執筆者
LS編集部

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