仕事を辞めることで、失業手当を受け取れる可能性があります。
失業手当があると、一定期間ある程度の収入が得られるので、余裕を持って転職活動を行うことができます。
焦らずに転職活動したい場合は、ぜひ失業手当を利用したいところです。
この記事では失業手当をもらう条件やもらえる期間について解説していきます。
失業手当がもらえる条件とは
失業状態であること
失業手当は、失業状態でなければもらえません。
失業状態とは、現在仕事をしておらず、就職したいのに就職先が決まっていない状態のことです。
よって、ただ仕事をしていないだけでは失業状態にはなりません。
例えば、仕事を辞めて学業に専念する場合や、自営業を始めるための準備をしている場合、新しい仕事が既に決まっている場合などは失業状態にならないのです。
就職したいと考えていて、しかも転職活動中であることが、失業手当をもらえる最初の条件となります。
雇用保険の加入期間
次の条件は、退職日以前の2年間に通算12ヶ月以上の雇用保険加入期間があることです。
よりよい条件の職場を求めて自主的に退社したなど、自己都合での退社の場合はこの条件が必須となります。
ただし、会社が倒産して突然職を失ってしまったなど、会社都合で転職せざるをえなくなった場合は離職日以前の1年間に通算6ヶ月以上という条件に変わります。
離職票に自己都合、または会社都合と記載されていますので、自身がどちらに当てはまるのかをチェックしてみてください。
失業手当がもらえる期間とは
すぐに貰えるわけではない
失業保険は、離職後にハローワークで手続きすることでもらえます。
ただし、手続きが完了したらすぐに貰えるわけではありません。
受給資格が決定した日から7日間は待期期間となり、いかなる退職の理由であってもすべての人が失業手当をもらえません。
しかも、待期期間が過ぎてすぐ支給が開始されるのは、会社都合で離職した特定受給資格者か、正当な理由で離職したと認められた特定理由離職者のみです。
自己都合により退職した一般の離職者は、7日間の待期期間に加えて、2ヶ月から3ヶ月の給付制限が設けられます。
給付日数は保険加入期間で変わる
自己都合で離職した場合の失業手当の給付日数は、雇用保険に加入していた期間によって変わります。
雇用保険の被保険者だった期間が20年以上の場合は、150日間支給されます。
被保険者だった期間が10年以上20年未満だった場合は、120日間の支給です。
10年未満の場合は90日となります。
この機会に、自身がどれだけの期間雇用保険の被保険者だったのかを調べておきましょう。
また、失業保険の受給期間は離職日の翌日から1年間となります。
1年間を過ぎると所定の給付日数が残っていても打ち切られてしまいますので、可能な限り早めに申請しましょう。
失業手当としてもらえる金額とは
基本手当日額
失業手当としてもらえる金額は、給付日数と基本手当日額で決まります。
基本手当日額とは失業手当の1日分の給付額のことです。
この金額は、離職者の退職前6ヶ月間の合計賃金額を180で割った賃金日額によって決まります。
この賃金日額の約5〜8割の金額が基本手当日額として支給されます。
賃金日額に対する給付率は、賃金日額が少ない人ほど高く設定されるようになっています。
上限額と下限額がある
基本手当日額と賃金日額には上限額と下限額も設けられています。
- 基本手当日額の下限額:2,061円
- 賃金日額の下限額:2,577円
それぞれの上限額は年齢によって異なり、例えば30歳から44歳の人の場合は、基本手当日額の上限が7,510円、賃金日額の上限15,020円です。
自身の年齢と照らし合わせてみて、どの程度の金額が支給されるのか確認してみましょう。
なお、この情報は2021年8月1日時点のものとなります。
失業手当受け取りの手続き方法とは
ハローワークに書類を提出する
失業手当を受け取るためには、まずハローワークに求職票と離職票を提出する必要があります。
求職票はハローワークでもらえますが、離職票は退職した会社から送ってもらわなければなりません。
よって、到着まで時間がかかる可能性がある点に注意しましょう。
もしいつまで経っても離職票が送られてこない場合は、ハローワークに相談してみてください。
ハローワークから会社へ離職票を送るように話をしてくれます。
求職票と離職票を提出して面接を受けたら、受給資格が決定します。
その後7日間の待期期間が過ぎると、次は雇用保険受給説明会への出席のためにハローワークに出向くことになります。
受給説明会に行く
雇用保険受給説明会では、ハローワークの活用方法などをレクチャーしてくれることがあります。
失業手当受給中のさまざまな手続きに関する話や、失業認定申告書の書き方も教わりますので、説明会の内容はしっかりと覚えておきましょう。
雇用保険説明会に出席したタイミングで、失業認定日も決定されます。
失業認定日とは、失業状態にあることを確認する日のことです。
この失業認定日にハローワークで申告を行えば、失業手当を受け取るための手続きは完了です。
以後は4週間ごとにハローワークに出向いて、失業状態かどうかを申告していくことになります。
就職したらもらえる「再就職手当」とは?
再就職手当とは、失業手当受け取り中に再就職した際、一定の条件を満たすことによって受け取れる祝い金のことです。
失業手当を満額受け取ろうと考えて、再就職を先延ばしにする人もいます。
再就職手当は、このようになかなか再就職を決めないケースを防ぐために設けられた制度です。
支給の条件
再就職手当を受け取るには条件があります。
失業手当を受け取りながら再就職した場合は、大体の条件が該当するはずです。
注意すべき点もいくつかありますので、参考にしてみてください。
- 受給手続き後、7日間の待期期間満了後に就職、又は事業を開始したこと。
- 就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
- 離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。また、離職した前の事業所と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業所に就職したこと。
- 受給資格に係る離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方は、求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。
- 1年を超えて勤務することが確実であること。
- 原則として、雇用保険の被保険者になっていること。
- 過去3年以内の就職について、再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと。
- 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。
- 再就職手当の支給決定の日までに離職していないこと。
支給額
再就職手当の支給額は、失業手当の支給日数がどれだけ残っているかによって変わります。
- 3分の2以上残っている場合:基本手当日額に残り日数をかけた金額の7割
- 3分の1以上残っている場合:基本手当日額に残り日数をかけた金額の6割
再就職手当を貰う方法
再就職手当を貰うためには、まずハローワークに申告を行います。
そして、再就職先で採用証明書など再就職を証明する書類を記入してもらい、再就職の前日までにハローワークに行って最後の失業認定を行ってください。
再就職手当が支給される可能性がある場合は、このときに再就職手当支給申請書を受け取ることになります。
受け取った再就職手当支給申請書に記入してハローワークに提出すれば完了です。
再就職手当の支給が認められた場合は、申請してから約1ヶ月程度で振り込まれます。
失業手当を活用して転職活動に余裕を持たせよう
失業手当は、失業しても安定した生活を保証するために設けられている制度です。
上手に活用すると、転職活動に余裕を持たせることができます。
ハローワークに頻繁に足を運ぶことになるので、職員さんに希望する職業のことなどを相談してみるのもおすすめです。
失業手当を上手に活用して転職活動すれば、きっと希望通りの就職先を見つけることができるでしょう。