入所者様の身の回りの世話に介護記録の記入、フロアの掃除など、やるべきことが多く、一息つく暇もないという介護士さんも少なくないでしょう。
ただでさえ忙しく気の張った状況にも関わらず、人のやる気をそぐような発言をしてくる先輩、上司がいるのが原因で、余計な悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
相手の精神にダメージを与えるような発言や仕事を阻害する言動はパワハラに該当する場合もあるので、あなたが我慢する必要は一切ありません。
可能であれば、早急に転職活動に取り掛かることをオススメします。
こちらの記事では上司や先輩の口からポロッと出た一言に不安や疑念を抱き、場合によっては転職するべきかどうか迷っている人が参考に出来る事例を集めました。
どれも介護の職場で耳にすることの多い事例だと思いますので、最後までお見逃しなく!
「仕事よりも家のことが大事なんだね」
昔ながらの仕事観を持ちつつ働かれている人から耳にすることの多い一言。
2021年現在、ワークライフバランスという言葉も浸透し、仕事は大切だけれど、自分の私生活も大事にしようという流れになりつつあります。
当然、生活費を稼ぐために仕事をしている人がほとんどのはずなので仕事は大切でしょう。
しかし、介護や看護をしなければならない家族がいたり、まだ送迎が必要な小さな子どもがいる家庭であれば、仕事を最優先にするのが難しい場合もあります。
過去のように家族3世代で子どもの面倒を夫婦どちらかの両親にお願いしたり、祖父母の介護は親の世代がしていたという時代からは状況が変わりつつあります。
現役世代でも家族の介護をしている人がいる時代なので、これまで以上に配慮が必要な時代になったと言えるでしょう。
そのような時代の変化に対応できずに、職員は仕事だけに取り組んでいれば良いというような発言をしてしまうのはいかがなものかと思われます。
もしも、あなたの職場にこのような考え方の職員が多いようであれば、転職を考えるのも良いかもしれません。
今は独身で家のことで休みを取る必要がなくても、先々、必要になったタイミングでネチネチと小言を言われたり、休みを取れない可能性もあるからです。
すぐに転職するべきと一概には言えませんが、冷静に自分の職場の状況を見極めるようにしましょう。
「この会社は昔からそういう慣習でやっているから」
ここ最近ではDXという言葉を耳にすることが増えてきました。
介護の職場も例に漏れず、現場のシステムを国の求める基準で対応させないと介護に関わる加算が取れない状況になっています。
このような最先端のシステムを導入することで、本来であれば労働時間を減らすことができたり、これまで時間が取れなかった入所者様への対応に時間を割くことができるようになり、仕事の質を向上させることができるはずです。
しかし、そのような新しい設備が導入されたにも関わらず、「使い方が分からない」「逆に時間が掛かる」と対応しようとしない上司や先輩が一定数います。
残念ながらそのような口実で新しい設備を活用しないで済む時代ではありません。
変化に応じて仕事のやり方を変えていかなければ、ただでさえ人材不足の状況なのに職場の環境は悪化の一途をたどるでしょう。
経営悪化につながる場合も
また、国が加算を取るための要件としてシステム化を求めている現実もあります。
このような一部の身勝手な人間がいることが原因で、施設運営に必要な資金を確保することにもつながる加算が取れないのは死活問題です。
このような人材が経営層の人間であれば、まだマシとも言えますがもしも身近な現場にいるようであれば、転職を検討しても良いでしょう。
今後、介護の現場もどんどん最新技術の導入が進んでいくはずです。
その度に「使い方が分からない」「難しそうだから覚えられない」とサポートしようのない上司や先輩の発言に振り回されるのは得策とは言えません。
まともな職場であれば、技術の導入に伴ってあなたの負担は減っていくはずなので、辞め時を見極めるのが大切です。
「この部署は有給とれないことになってるんだよね」
人材が不足している職場では、ある意味日常的に耳にする一言かもしれません。
介護の現場は老若男女、さまざまな経歴を持つ人材が集まる職場ということもあり、新しく入ってきた人を一人前に育てるための労力が他の業界と比べても段違いにかかります。
Aさんはしっかりと指示を聞き、その通りに仕事してくれるけれど、Bさんはまったく指示を聞かず、自分が正しいと思ったやり方で失敗を繰り返すというような状況を目の当たりにしたことのある人も少なくないでしょう。
このような調子なので長く持たずに辞めていく人も後を絶ちません。
そうなると次の人を採用しなければなりませんが、そもそも応募人数も限られるし、人事の眼鏡にかなうような人材が短期間で見つかることはほとんどありません。
この状況に陥ると困るのは人数の少ない現場で働く人たち……
本来ならば、余裕のある体制で体調不良の人が出たらカバーが出来るくらいの環境が理想です。
しかし、実際には体調不良の職員が出たら人が足りない状態で回しているのが現実ではないでしょうか。
慢性的な人材不足は危険
このような状況が一時的に発生しているだけならば、まだ対応のしようもあると思います。
ただし、人材育成ができる担当者がおらず、慢性的に人員が不足している職場であれば、早めに転職して脱出することをオススメします。
良いことではありませんが、今は有給がとれないだけで済んでいるという考え方もできます。
今後、人が減れば減るほど通常の休みを取ることも難しくなり、最悪は心身を壊すことにもなりかねません。
人が定着しにくい職場を短期的に定着するように変えることは至難の業です。
よほどの敏腕マネージャーでも現れない限り、実現は不可能と言えるでしょう。
そのような施設が衰退していくのは致し方ありませんが、あなた自身が巻き込まれる必要はありません!
「会議に出席するのは当然のことだから給料は出ないよ」
2019年4月に労働基準法が改正され、これまで以上に労働時間に関する取り決めが厳しくなりました。
しっかりと対応している施設であれば、施設への入退出する時にICカードをかざして時間管理を行っているところも増えてきています。
このような労働環境を取り巻く変化が起きているにも関わらず、会議や雑事に関わることには給料が出ないという論調がいまだにまかり通っています。
法律ではそのような場合も給料を支払う対象時間と定められているのにです。
特に地方であれば、働く職員側も自分たち労働者の権利についての知識が足りず、おかしいと思っていても太刀打ちできない現状もあります。
さらにまわりの職員がなんの不満も漏らさずに上からの指示に従っている状況であれば、自分1人だけが「おかしいんじゃないですか!」と声を上げることは難しいでしょう。
現状ではこのようなことが原因で運営停止になった事例は出ていませんが、今後、あまりに労働環境がヒドイ施設であれば、処罰の対象になる可能性もあるかもしれません。
評判が悪くなることも
地方であれば、分かると思いますが悪い評判が立ち始めると利用者が減ったり、最悪いなくなることもあります。
老人ホームは足りていないとは言われるものの、大切な家族を劣悪な老人ホームに入れたいと思う家族はいないからです。
当然のことながら入所者がいなくなれば、国からの補助金を受け取れる額も減りますのであなたの給料も減っていく一方になりかねないということです。
これはかなりの極論かもしれませんが、最悪の場合、そのような状況もあり得るということです。
自分が身動きが取れなくなる前に転職を考えるのが最善ではないでしょうか。
まとめ
この発言ってどうなの?と気になるセリフと、そこから考えられる職場のリスクについてお伝えしました。
1つ1つの発言は大したことがないように見えますが、このような発言が容認されている施設という時点で、長い目で見ると運営が厳しくなる可能性を秘めていると言えるでしょう。
このような発言が普通の職場に居続けると、だんだんとそれが当たり前になってしまい感覚がマヒしてきます。
あなたのまわりの職員も入社当初は同じように疑問を抱いていたのに、長年いる間に感覚がマヒしている可能性も……
まともでない職場に居続けることは自分にとってリスクでしかないので、今回の記事の内容も参考にしつつ、もう一度、あなたの職場を見直してみてください。
その結果、転職を考えるのであれば、誰もあなたを非難する権利はありませんので、自信をもって前に進みましょう。