- 仕事のハードさと比べて給料が安い気がする
- 有給を取ろうとすると嫌な顔をされるのがツライ
- 正直、子育てしながら働くのは厳しい
それぞれ理由は違えど、転職して環境を変えたいと思っている人が多いのではないでしょうか。
現実問題として、転職すると言っても住む場所まで変えるのは負担が大きく、実際には近場で探している人がほとんどのはず。
一概には言えませんが、近場の転職にはデメリットもあることは知っておいた方が良いでしょう。
特に給料、人間関係が転職のきっかけになっている人には要注意なポイントも含まれているので、転職活動を具体的に行う前に頭に入れておくことが大切。
こちらの記事では近場で転職した場合に起こりうる問題や気をつけるべき点について、詳しく解説します。
給料を大きく上げることは難しい
まずは介護に関わらず、転職の理由の上位を占めている「給料を少しでも良くしたい」という点について注意したいポイントをお伝えします。
正直なところ、同一の県内で転職する場合は大きく給料アップすることは難しいでしょう。
最低賃金は各都道府県ごとに定められており、どのような業種であっても、その賃金を下回らないような給料を支払う形で運営されているのが現状。
つまり、あなたが働いている職場と同じ系統の周りで運営されている施設も、そう大きく給料が変わることはないということです。
給料を上げたいと思い、転職を考え始めたあなたの勢いを削ぐようで申し訳ありませんが、実際には100万円も200万円もアップさせることは簡単ではありません。
もしも、今現在の職場で給料以外に不満がない状況であれば、まずは現在の職場でキャリアアップしていくことを考えることも1つの選択肢。
例えば介護福祉士の資格を取得していなければ、その資格を取るだけでも少なからず給料はアップします。
また、同一の職場で経験を積むことで、現場のリーダー、施設長など、さまざまな立場に就くこともできます。
介護の現場経験者は数多くいますが、管理を経験している人となると、かなり限られてくるので、転職を考えた際に強い武器となるでしょう。
今現在、あなたが胸を張って、これが自分の武器だと言える経験、スキルがあるなら、すぐに転職活動をしても良いと思います。
しかし、そのような強みがないのであれば、結局は目標としていた年収アップも見込めずに買いたたかれる可能性の方が高いと言えます。
自分を磨くことは前提として、実際に年収を上げるために転職活動をするときに注意したい点について、まとめてお伝えしておきます。
施設の運営会社の資産の状況
給料の提示の仕方
各種手当ての内容
最低限、この3点については確認しておくことが大切です。
介護業界は基本的に公的なサービスを行うことが多いので、利益を増やすことが難しい部分があります。
そのため、もともと、運営会社の持っている資産をもとに運営していくことになるので、資産が少ない会社だと運営のために使えるお金が限られてしまいます。
当然、運営資金が限られるということは、社員の給料をアップさせることも難しくなるということです。
また、転職する際の求人票には給料が「25万円~35万円」という形で、幅を取って掲載されていることが多くあります。
つい上限の金額に目が行きがちですが、必ず、事前に確認しましょう。
残念ながら上限の給料を獲得できるのは本当に一握りの仕事ができる人間だけなので、入職してから10年たっても給料がほとんど上がらないということも、実際に起こっています。
最後に各種手当ては絶対に見落としてはいけません!
仮に現在の会社よりも3万円給料が上がったとしても、実は通勤手当がなくて、ガソリン代や電車代を自腹で出さなければいけなかったというのはよくある話です。
給料が上がったとぬか喜びすることにならないように、仕事に必要な出費は会社が出してくれるのかどうか、隅から隅まで手当てについては確認しておくようにしましょう。
研修や何かの集まりの度に元の職場の人と顔をあわせやすい
職場に顔をあわせたくない人がいる、上司のパワハラがヒドイ、人間関係は古今東西、いつまでも尽きることのない問題です。
自分にとって問題となる人から離れるために転職するというのは、1つの方法ではあるのですが、近場で転職する際には十分注意してください。
まず、介護業界はスキルや知識を学ぶために研修会や勉強会が開かれることが多くあります。
しかし、残念ながら研修は1つの会場で行われることがほとんどで、前職と近い職場だと思わぬ形で、前の職場の問題人物と再会してしまうことも……
資格試験に関しても研修会などの時と同じようなことが起きることは考えられます。
さらに介護業界は、要職に就ける経験をもった人間が驚くほど限られた数しかいません。
あなたに対してパワハラを働いていた元上司が、転職先の施設の理事になったりと、意図しない形で再び関わらざるをえないことが起こりやすい特性もあります。
絶対に二度と関わりたくないというくらい、人間関係がこじれている相手がいるのであれば、介護とはまったく違う業界を目指すのも1つの選択肢です。
せっかく人間関係をリセットしたのに、数年後、忘れた頃に元の状況に戻るというのは、あなたが思っている以上に心身に負担になりますので、軽く考えない方が良いでしょう。
職場の労働環境に関しては地域ごとの特色があり大きく変わりづらい
転職を考えている時は、つい何とかなると根拠のない自信にあふれてしまうことも多く、冷静さを失いがちではあるのですが、落ち着いて考えてみてください。
近場にある他の施設は、本当にあなたが思い描いているような職場ですか?
残念ながら、地域によりますが、同様の業種を運営している会社の規模はそう大きくは変わりません。
今の職場の居心地が悪いと、つい他の施設が良く見えてしまうのですが、同じ規模の会社が運営しているのであれば、
- 最新の介護ロボットが多数導入されてる
- ジェンダーフリーで女性も区別なく登用されている
- 年に1回バカンス休暇が導入されている
といった都会の会社でも珍しいレベルの整った職場はそうそうありません。
基本的に今現在の勤務と同じように働くことになるという点については、頭に入れておくべきでしょう。
今の仕事に不満があるということであれば、どのような部分を難しいと感じているのか、その点を改善することは難しいのか、一度、立ち止まって考えてみることが大切です。
そのうえで、改善するために別の職場に移る必要があるのなら、他の施設、または他の業界への転職活動を行いましょう。
横のつながりで転職活動を邪魔される可能性がある
先ほど、介護業界は世界が狭いとお伝えしたのですが、その特徴が思わぬ形であなたに牙を向くことがあります。
介護にかかわる要職に就ける人間は限られているということで、あなたと折り合いの悪い上司や施設長が、転職を考えている先の施設長などと顔なじみというケースも出てきます。
もしも転職活動を行っていることがバレてしまうと、最悪の場合、あることないこと転職先の担当者に話をされてしまい、転職活動がうまくいかないことも考えられます。
また、気を付けていても、転職先の担当者が逆に現在の職場の折り合いの悪い人へ問い合わせる可能性も少なからずあり得るでしょう。
この点に関しては、事前に察知することができれば良いのですが、正直、自分の力ではどうしようもない部分が大きいと言えます。
あなたと折り合いの悪い人物が、介護関係で影響力を持つ人であるという場合には、遠方への転職か別の業種への転職をオススメします。
もし可能なら遠方へ転職を考えるのも一つの手
近い場所で介護の転職を行う場合に気をつけたいポイントについて解説しました。
他の業種と比べると、特に人間関係の部分で改善が難しいところが少なからずあるということは分かっていただけたのではないでしょうか。
ご家族がいるなど、遠方への転職が難しい場合もあるとは思います。
ただ、満足いく転職活動ができないのであれば、遠方へ転職することができないかどうか、違う業種で自分にあった仕事はないか、考え抜くことが大切です。
今後、ますます介護の人材は需要が増えていくという状況もあり、介護の仕事が好きという人には、できる限り長く介護現場で働いていただけたらと考えています。
こちらの記事があなたの環境を変える際の手助けになれば嬉しいです。