介護の求人を調べてみると、有料老人ホーム、特別養護老人ホームなど、いろいろと施設の種類があって、どれがどのような施設か分からないという人も多いでしょう。
特に初めて介護に触れる人にとってはややこしいので、いくつも種類がある中でも特に知っておきたい施設の種類を4つ取り上げて紹介していきます。
特別養護老人ホーム
老人ホームの中でも公的な施設として、介護が必要になれば誰でも入所できるように用意されているのが特別養護老人ホームです。
公的に用意された施設のため利用料も安く抑えられています。
そのため、以前は待機者があふれており、なかなか入所できないことが話題になっていました。
しかし、2015年に特別養護老人ホームへの入居要件が厳しくなったことで、介護度3以上の方しか入所できなくなったこともあり、待機者数は減ってきています。
利用料が安く誰でも入所できるのはありがたい反面、看護師、医師の24時間配置は義務付けられていないので、24時間ケアが必要な方は入所が難しい場合もあります。
人では最低限揃っている
入所者様3名に対して1人の介護職員、または看護職員の配置が定められていることもあり、どのような施設であっても最低限必要な人数の職員を採用しています。
一部屋に入所できる人数や部屋の広さなど、明確に定められているので職員の人数に対して、手が回らないというような状況にはなりにくいと言えるでしょう。
ただし、定められている基準の人数はあくまで最低人数なので本来であれば、実情に応じて人員を増やす必要がある場合の職場も少なくありません。
公的な施設という特性ゆえに運営費が限られてしまい、追加で人員を増やすのが難しい状況が存在しています。
高収入は見込めない
また、同様の理由で給料の大幅なアップを見込むのも難しいのが実情です。
最近では介護職員の給料増のために介護保険の加算が追加されるなど対策は取られていますが、増額される金額には限界があります。
人と接することが好きな人に向いている
誰でも入れるという入所条件があるため、中には家族仲がよくない方が入所する場合もあります。
洋服などの必要な品があっても持ってきてもらうことができなかったり、業務に関わる部分以外で余計な気苦労を感じる場面も少なくありません。
大変な部分も多くありますが、入所様が笑顔になり、楽しそうに過ごしてもらうための手助けをできることは何よりのやりがいです。
人と接することが好きな人には向いている職場と言えるでしょう。
公的な施設で運営費が限られるということもあり、求人に関しては基本的にはハローワーク、地域の求人誌など、費用を抑えて採用できる方法をとることが多いです。
求人を探すときにはその辺りをチェックすると見つけやすいでしょう。
有料老人ホーム
先ほど紹介した特別養護老人ホーム以外で介護サービスを提供している住居のことを指します。
大きく分けて以下の3つの形があるのでまずは一覧でご紹介しておきます。
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- 健康型有料老人ホーム
それぞれどのような特性があるのか、簡単に解説していきます。
介護付き有料老人ホーム
特別養護老人ホームへ入所する必要があるレベルで、介護度の高い方向けの施設です。
食事、洗濯、生活支援など、特別養護老人ホームと変わらないサービスを受けることができます。
民間の運営している施設ですが「介護付き」と宣伝している施設は、国の介護保険制度の基準を満たしている必要があります。
そんな介護付き有料老人ホームでも、施設に勤める職員が介護を行う「一般型」、外部事業所が介護を行っている「外部サービス利用型」とさらに2つの種類に分けられます。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームとは、食事、洗濯、清掃などの生活支援のサービスを受けられる高齢者施設です。
入居中に要介護状態になった場合は、施設利用料とは別途で訪問介護などのサービスを契約する必要があります。
施設によっては訪問、デイサービス、居宅介護支援事業所が併設されていることもあり、利用者様がどのような状態になっても利用し続けられる体制を整えているケースもあります。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは家事や食事などのサポートが受けられる高齢者施設です。
基本的に身の回りのことは自分でこなせる、自立した状態の高齢者が対象です。
元気な状態を維持することを目的とした施設のため、温泉やスポーツジムのついた充実した施設もあります。
ここまで紹介した介護付き、住宅型とは違い、要介護状態になったら退去することになります。
退去後にどちらの施設に移るのか、再度探さないといけないのでその点は手間がかかると言えるでしょう。
給料は高い傾向
3種類ありますがいずれも民間の運営している施設のため、特別養護老人ホームと比べると給料は高い傾向にあります。
ただし、例えば健康型有料老人ホームであれば、健康な高齢者の方を相手にせねばならず、接客業の側面が強かったりと求められる仕事内容が変わってきます。
- 入居者様の介助という形で関わりたいのか?
- 入居者様へサービス提供するという形で関わりたいのか?
自分の求める働き方、得意な働き方をしっかりと踏まえた上で、どの施設で働くのが良いのかを考えることが大切と言えるでしょう。
ケアハウス
軽費老人ホームの1種で生活に不安を抱えた60歳以上の方が入居できる施設です。
食事提供、生活支援サービスを受けることできます。
大きく分けて「自立型」「介護型」の2種類があり、介護型であれば、特別養護老人ホームで受けられるような入浴や排泄の介助といった支援も受けることができます。
基本的には自立した人を対象とした施設で、特別養護老人ホームのように入居者数にあわせた人員の基準もないため、施設によってはスタッフが1人しかいないという場合もあります。
民間であれば好条件も多い
ケアハウスという施設の特徴を見ると、自立できる人が入る施設だから、業務自体は大変ではないように思えますが、
- 有料老人ホームでは利用料が高い
- 自宅で生活するのは厳しい
- 介護状態と認定はされていないが、介護状態に限りなく近い
とった入居者が多い施設も少なくありません。
そのような施設では本来の入居者のお手伝いというレベルを超えたサポートを求められる場合もあります。
事前にどのような場所で働くことになるのか、しっかりと確認することが大切です。
ケアハウスに関しては、公的なものも民間のものも呼び方は変わらないので、求人を探す際には運営元の会社も確認する必要があります。
民間の運営している施設であれば、給料が高く、福利厚生の整った施設も多いので入念に下調べをしておいて損はないと言えるでしょう。
グループホーム
介護が必要な高齢者の方の中でも、認知症の診断を受けている方を対象とした入居できる施設です。
入居するための条件として認知症の診断書の発行が定められています。
また、生活保護を受けている方でも入居可能。
認知症を患ってしまうと、環境の変化に対応することが難しくなる方も多いため、極力メンバーが変わることなく生活できる環境が整えられています。
未経験だと難しい
認知症の高齢者の方をサポートするということで、最低限の介護に関する知識、スキルは必要です。
介護業務に加えて、レクリエーションの準備、買い物代行など、その業務内容は多岐にわたります。
そのため、介護未経験の人だと難しい職場と言えるでしょう。
求人探しは転職サイト
仕事内容的に難しい面も多いグループホームですが、適切に関わることで症状の進行を遅らせたり、入居者様が自分らしさを失わずに過ごすことのお手伝いができます。
この点はやりがいにつながる人も多いはずです。
求人を探す際には介護向けの転職サイトが良いでしょう。
介護についてある程度の専門性が求められますのでハローワークなど、誰もが確認できる場所に求人が出ることはほとんどありません。
転職サイトによりますが、就職予定の施設へ聞きにくいようなことも確認してくれたり、あなたにピッタリの案件を紹介してくれたりとサービスが充実しているサイトも多くあります。
このような転職サイトを活用することが、給料、働き方ともに自分の理想に近い職場を見つける近道になるでしょう。
施設によって仕事の内容も変わるのでしっかり比較検討しよう
介護に関わる4つの施設の種類について詳しく解説しました。
ひと通り見てもらうと分かるのですが、一口に介護施設と言っても求められる仕事の方向性が全く違います。
施設の運営方針にもよりますが、中には初心者が飛び込むと業務に慣れるのが難しく、長く続けるのが厳しい施設の種類もあるということは頭に入れておくべきでしょう。
せっかく、介護業界に興味を持ったからには長く働けた方が良いのは間違いありません。
- 自分が働くにはどの種類の施設が向いているのか?
- 自分のやりたいことと一致している施設はどれなのか?
こちらの記事を参考にしつつ、じっくりと考えてみると後悔のない就職、転職活動ができるはずです。
この記事には介護に関わる施設の中で、代表的な施設の種類の情報を詰め込んであります。
何度も読み返して活用してください。
あなたが自分にピッタリの職場に巡り合えることを心よりお祈りしております。