上司や施設長との相談の末、円満退職にたどり着くことができると良いのですが、介護の現場は会社規模が小さいところも多いため、なかなか辞められない人もいるでしょう。
何度相談してものれんに腕押しで、納得いかない状況に置かれている人も多いのではないでしょうか?
そんな時にどのような解決方法を取ればよいのか、実際に苦労して退職したことのある筆者の経験も交えつつ、詳しくお伝えします。
介護の職場が置かれている状況は?
具体的な起こりがちな問題をお伝えする前に、なぜこのような問題が起きやすいのか?、介護の職場が置かれている状況を簡単にお伝えしておきます。
介護の職場は国や自治体から受け取ることができる資金を元手に運営している社会福祉法人も多くあります。
社会福祉法人の場合、基本的には公的資金で運営しているという特性上、余分な利益を出すことができず、結果として人材を最低限の人数で抑えざるを得ない状況に置かれている施設も少なくありません。
正直、辞める立場のこちらからすると「運営的なことは関係ない」と一蹴したいところではありますよね。。
しかし会社側からすると、貴重な戦力の1人であるあなたが抜けるということは大きな負担になるので、出来るだけ避けたがるのが実際のところです。
もし、あなたが辞めるとなると新しい人材の採用、新人が戦力になるまでの育成、カバーする体制の整備と、会社側がやらねばならぬことが意外と多いことに気づくでしょう。
また、あなたが辞めることを考えた時点で直近で辞めた人がいる場合などはさらに辞めづらくなることは言うまでもありません。
介護職の退職時に起こりがちな4つの問題とは?
1. 退職時期を先に延ばされ続ける
現場の置かれている状況によっては人が足りないことを理由にいつまでも退職を先延ばしにされることもあります。
ちなみに労働基準法上は、2週間前に退職願を出せば会社の意向に関係なく辞めることができると定められています。
しかし、先延ばしにしようとする会社であれば、まともに向かいあって話すらせずに、のらりくらりとかわされることがほとんどです。
もしもあなたの次の転職先が決まっている、決まりそうな状況、心身ともに限界で残るのは難しい状況であれば、退職代行サービスへ相談するのが良いでしょう。
介護業界は社会福祉法人が多いという業界の構造もあり、労働組合のある会社が限られるからです。
労働組合のある会社であれば、そちらへ相談することでスムーズに退職できる可能性もあるので利用するのも良いでしょう。
退職代行サービスは依頼するとほとんどの場合、会社へ一切出社することなく退職手続きを進めることができるので、引き止めにあうこともなくスムーズに退職できるはずです。
2. 業務に支障が出るので給料は払えない
とにかく人が足らず、何としてもあなたを引き止めたい時、上司や社長の口からこのような脅し文句が出てくることがあります。
正直、あなたが介護に関わるどのような仕事をされているかでも、1ヶ月の給料額は変わってくるので一概には言えませんが、1ヵ月分の給料がなくなるのは厳しいという人が多いでしょう。
何の知識もないとそれは困ると泣き寝入りして、辞めずに嫌々続けるしかないという状況にも陥りかねません。
ただし、法律に定められている内容を知っていれば、このように低姿勢に出る必要はなく、強気に対応することもできるようになります。
実は労働基準法の第24条により、雇用者は労働者に対して賃金を払わないといけないという義務について定められています。
この原則によって、もしも会社が上記のような理不尽な理由で給与を支払わない場合には、労働基準局から会社に対して指導勧告を行ってもらうことができます。
ただ、このようなケースで労働基準局を通してのやりとりだと証拠書類も必要で素人が自分で対応するには難しいことがほとんどです。
こんな時にも強い味方になるのが退職代行サービス!
最近では弁護士と提携することにより、事前にそろえておくべき書類を教えてもらえたり、給与の請求手続きを代わりに行ってもらえる場合もあります。
できる限り自分で対応したいという姿勢は立派ではありますが、会社を相手にやりあうのには心身ともにかなりの負担がかかります。
自力では無理だと感じるタイミングがあれば、利用を検討するのが良いでしょう。
3. 自分より後に退職願を出した人が先に辞めていく
このケースも辞める順番を待たされている身としては心身ともに疲弊させられる、耐えがたい状況ではないでしょうか。
最初の退職を引きとめられる場合でもお伝えしましたが、基本的には退職願を提出して、2週間たてば会社の対応を待たずとも辞めることができます。
いつまで残ってほしいとか辞めないでほしいという部分の相談は、あくまであなたが会社に対して譲歩するかどうかというだけの話になるので頭に入れておきましょう。
実際のところあなたよりも後から退職願を出した人が辞めていくという時は、その人がかなり根気よく辞めるために活動している、退職代行サービス経由で無理やり押し通したということが考えられます。
私の働いていた施設でもこのようなケースを多々見かけましたが、ほとんどの場合、「明日から来ません」という強行策に出て辞めていくような方ばかりでした。
そこまでしないと辞められないのはかなりの問題だと思いますが、高齢者の命を預かる現場のため、会社から引きとめられると良心が痛む人も多く、やむなく折れてしまうのも確かです。
会社から引きとめられると、辞めると押しきれないという自覚のある人は遠慮せずに退職代行サービスの利用を検討しましょう。
運営体制を整えるのは会社の仕事であり、あなたの悩むことではないので自分を優先しても誰からも責められることはありません。
4. 後任の人材が全然採用されない
あなたを引き止めるということは現場の人が足りない、採用活動が難しいなどの理由が考えられますが、実際のところ後任を採用しなければ、あなたを引きとめるための口実にできるのは間違いありません。
もしも人事に関わる社員とつながりがあれば、それとなく採用状況を確認してみるのも良いでしょう。
確認した結果、しっかりと募集も出していて後は人が応募して来るのを待っている状況なら、もうしばらく様子を見るのも良いでしょう。
ただし、状況を確認したものの、全く採用を行っていないという場合には人事担当としっかりと話をすることが必要です。
それでも話が進まないようであれば、最終的には退職代行サービスを利用するのがスムーズに解決できる方法になるはずです。
残念ながらあなたの切実な訴えを聞いているはずなのに放置するような会社には、まっとうな手段で向かいあっても解決にはつながらないでしょう。
自力で解決できない時は退職代行サービスの利用も考えよう
「退職代行サービスを利用したら会社との関係がややこしくなるのでは?」と気になる人もいると思います。
しかし、介護の職場でそのような現場に携わっていた1人として言えるのは、退職代行を利用した退職ほどスムーズに退職できている事例を見たことがないということです。
自力で何とかしようとするとのらりくらりとかわされ、時に理不尽に責されて全然辞められず、仕方なく居残る人が多くいました。
しかし、退職代行サービスが活用され始めてからは、こんなに簡単に辞められるのか!と驚くほど簡単に辞めていった人たちを何人も見かけました。
自分の場合は最初から最後まで自力で対応した末に退職を勝ち取りましたが、勝ち取った時には心身ともに疲労しきっていました。
さらに、残念ながら有給は消化させられないと断言され、消化することなく退職するという後悔の残る結果に……
何かしら辞めたくなる理由を抱えながら働いている状態で、すでに疲れ切っている人も少なくないはずです。
すべて自分の力だけで解決せずとも、現在では退職代行サービスという力になってくれるサービスが用意されているので、最終的に使わずとも一度は検討することをオススメします。
こちらの記事があなたの前に立ちふさがる難しい退職という問題を解決する手助けになれば幸いです。