看護師はなりたい職業ランキングで上位を獲得する人気の職業です。
ところが、残念なことに看護師の職場はいじめが多いという話もあります。
もしかしたら現に悩んでいる人や不安に感じている人もいるかもしれませんね。
この記事では、看護師の職場でいじめが起きてしまう理由やその内容・対処法などについて解説します。
看護師の職場はなぜいじめが多いのか?
看護師の職場にいじめが多くなってしまうのには、実は仕事の特性や職場環境が影響しています。
具体的な3つの理由を挙げて解説します。
厳しい上下関係
看護師は人の命を扱う職業。
上司や先輩の指導を適当に受け流したりうっかりミスしたりといったことが、命の危険を招くこともありえます。
そんな中、しっかりと統制をとったり緊張感を持たせたりするためには、キツい口調で指示したり厳しく叱責したりといったことが多くなり、必然的に上下関係が厳しくなるのです。
ただし厳しい「指導・教育」は、行きすぎると「いじめ・パワーハラスメント」につながりやすく、そのため看護師の仕事はいじめが多くなりがちなのです。
ストレスの多い仕事
看護師はストレスの多い仕事と言われています。
主な原因としては、
- 人の命を預かる責任の重い仕事であること
- 上司や先輩・医師・患者さんやその家族など、対人関係でキツく感じる言動に接する場面が多いこと
- 多忙のため疲労が蓄積しやすいこと
などが挙げられます。
ストレスが溜まり発散できない状態が続くと、人間関係もギスギスしてきていじめに発展しやすい環境になってしまいます。
閉鎖的な職場環境
看護師の仕事は診療科により業務内容が大きく異なるため、大抵は診療科ごとの独立体制となっています。
さらに、豊富な専門知識や経験が必須で、大きな病院でも異動が少ない傾向があるため、長年同じメンバーで仕事することになりがちです。
このような閉鎖的な環境だと、上司が独裁的になったり経験年数の長い看護師が横柄で理不尽な言動を取ったりしやすくなってしまうのです。
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いじめが起こる理由は?
心身の疲労・余裕のなさ
看護師は責任が重く激務なためストレスを感じやすい仕事です。
看護師に限らず、ストレスを溜め込んでいると疲労が蓄積し、イライラしたり体調不良になったりしてしまいますよね。
そんなときは、口調がキツくなったり表情が硬くなったりしてしまいがち。
さらに、それを受ける相手も余裕がなければ「意地悪だ、いじめだ」とマイナスに感じやすく、その感情がさらに周りに波及するといった悪循環に陥りやすいのです。
行きすぎた指導
ベテランになると後輩の指導も仕事の一つ。
しかし中には、執拗な叱責や人格否定など度を超えた指導をしてしまう人が存在します。
その理由は「自分の体験から指導とはそういうものだと思い込んでいる」「自分がしたイヤな思いを他人に仕返す」など、さまざまです。
いくら指導という名目であっても、行き過ぎれば、受ける相手にとってはいじめに他なりません。
行きすぎた嫉妬心・競争心
看護師の職場は
- 自分よりも良い待遇を受けてずるい
- 自分は大変なのにあの人は楽して許せない
など、嫉妬心や競争心がメラメラしやすい傾向があり、圧倒的に女性が多いことも影響していると言われています。
また、看護師は責任の重い仕事柄、気の強い人が多いとも言われており、それも相まって嫉妬心や競争心が度を超えてしまった場合、陰湿ないじめに発展することがあるようです。
よくあるいじめの内容は?
ここでは、看護師の職場でよくある3つのいじめについて解説します。
パワーハラスメント
パワーハラスメントは、上司や先輩などが職場での優位な立場を利用し、適度な範囲を超えて、指導された人が業務しづらくなるような指導をすること。
- 理不尽な理由で責め立てる
- 無理のある指示をする
- 孤立するように追い込む
といったことが挙げられます。
同僚同士でも新人や転職してきた人など経験の浅い看護師に対して行われる場合もあります。
陰口・無視
まるで小学生や中学生のようですが、残念ながらこのようないじめが存在する職場もあります。
「要領がよくないから」「ミスが多いから」などの理由で、陰口を言われたり無視されたりすることが多いです。
中には、仕事はそつなくこなしているのに「なんとなく気に食わない」のような理由で始まることもあるようです。
盗難・持ち物を隠す
これもかなり悪質で、もはやいじめというより犯罪ですよね。
個人的な感情から、私物の事務用品などを捨てたり、ロッカーから貴重品を盗んだり隠したりといった嫌がらせに発展してしまう職場もあるようです。
意地悪な看護師の見分け方は?
いじめにあわないようにするためには、平気でいじめをするような意地悪な看護師を見分けて注意しておきたいところです。
しかし、どうすれば見分けられるのでしょうか?
ここでは意地悪な看護師の3つの特徴を解説します。
他人の悪口ばかり言う人
親しい友人同士お互い納得したうえで、職場の人の悪口を言い合ってストレス発散することはよくありますよね。
それなら何の害もないのですが、誰彼構わず、その場にいない人の悪口を言ってくるような人は注意が必要です。
- 気に食わない人をおとしめて嫌がらせしたい
- 人を悪く言うことで自分の評価を上げたい
といった心理の持ち主であるため、どんな人でも不意に理不尽な理由で攻撃対象にされる恐れがあるのです。
相手によって態度が違う人
いじめをする人は、本能的にいじめる相手を選んでいます。
そして大抵、普段人と接するときも上司や有力者には愛想よく、自分のほうが優位な相手なら無愛想で見下した態度になるなど、相手によって態度が大きく変わるものです。
現状いじめまで発展していなくても、日常的に人によって対応を使い分けていることが感じられたら、その人は要注意人物です。
マウンティングする人
マウンティングする人は、実は心の奥底では自己評価が低い人。
それは「他人の悪口ばかり言う人」「相手によって態度が違う人」も共通しています。
自信のない自分を認めたくないので、わざわざ自分を大きく見せようとしたり、人より優位だと示すような言動をしてきたりするのです。
もしも本当の意味で自己評価が高ければ、他人にも余裕を持って優しく接することができるはずですよね。
マウンティングする人は、人を見下しいじめをする可能性が高いので気をつけましょう。
いじめられない対処法は?
志を持って看護師になり、縁あって就職した職場。
いじめなど受けずイキイキと活躍したいものです。
自分自身でいじめを防ぐにはどうしたらよいでしょうか。
いじめられないための3つの対処法をご紹介します。
返事・挨拶・謝罪・お礼をきちんとする
まずは社会人として基本的なマナーをしっかり守ることが大切です。
もしあなたが誰かに話しかけたのに返事がなかったり、挨拶しなかったりする人がいたら「なんか変な人だな」「いやだな」と思いませんか。
また、間違ったのに謝らなかったり、仕事を教えたのにお礼を言われなかったりしたら、もう悪い印象しか持てないかもしれません。
それは相手にとっても同じことで、そういった日々の積み重ねがいじめに結びついてしまうのです。
積極的に学びスキルを磨く
職場で最も求められるのは、一人前の戦力になること。
多忙な職場で何度も同じ質問をしたり間違えたりしては、周りの人はがっかりしてしまいますよね。
しかし、人間なので失敗はつきものですし学ぶスピードは人によって違うので、失敗したり人より覚えが遅かったりしても悲観することはありません。
ただし、教わったことはメモを取る、苦手なことは人より多く練習するなど、できるだけ早く仕事を覚え、職場に溶け込もうとする誠実な姿勢を示すことは大切です。
相手の顔色をうかがい過ぎない
いじめられないようにと相手の顔色をうかがい過ぎるのは逆効果。
いじめをするような人は、いじめやすい人を見つけるのが得意なのです。
もし必要以上に気を使われていると感じたら「この人は見下しても大丈夫」と判断されてしまいます。
基本的なマナーを守り誠実に仕事に取り組んでいれば、あなたには何の落ち度もありません。
もし、それでもいじめてくるような人であれば、それは相手が相当タチの悪い人だということ。
必要以上に自分を責めたりせず、自信をもって堂々とした心持ちでいましょう。
もしいじめにあったらどうする?
自分のせいにして我慢しない
いじめをする人は大抵自分が正しいと信じ込んでおり、いじめられる側に非があると思わせる言動をします。
いじめられた人は「自分もダメなところがあったのかな?」とつい反省したり我慢したりしてしまいがちですが、そうすると余計にいじめる側が増長します。
たとえいじめの発端がいじめられた人の失敗にあったとしても、それを理由にいじめてよいことにはならないのです。
感情が高ぶってうまく考えられないときは、ノートに書き出すなどして事実を整理すると冷静になれますよ。
上司や相談窓口などに相談する
もし、いじめを受けた場合は、一人で抱え込まず上司などに相談しましょう。
それでもいじめが続いたり上司が頼りにならなかったりする場合は、職場が設けている相談窓口を利用します。
それも無理なら、厚生労働省が紹介するハラスメントの相談窓口が複数あるため積極的に活用してください。
異動・転職する
根本的な解決が難しく、その職場で働き続けることが苦痛であれば、異動願を出したり別の病院や施設に転職したりすることをおすすめします。
イヤな思いをさせられて、なぜ自分が職場を変えなければならないのかと理不尽に思うかもしれません。
しかし、組織自体に問題があるような場合など、根本的な改善に時間がかかってしまうこともあります。
貴重な時間とスキルを無駄にしないためにも、もっと自分に合った職場を求めて思い切って自分を動かしてしまうほうが、後々、正解だったなと思えるかもしれませんよ。
いじめは対処可能!一人で悩まず相談しよう
看護師は仕事の特性や職場環境からいじめが起こりやすく、残念ながら退職や病欠に追い込まれてしまうこともあります。
ただし、いじめる人には特徴があり、ある程度は防ぐこともできます。
たとえどんな理由があろうとも、いじめは正当化できません。
もしもいじめにあってしまったら一人で抱え込まず、必ず誰かに相談して自分を守りましょう。
看護師のみなさんが、今後も安心して自分らしく活躍されますよう心から応援しています。
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