これから2025年に向けて、今まで以上に高齢者が増えることが予想されています。
そのような状況に対して、現状では人手が足りない介護施設も多く、これから介護施設を目指すのも良いでしょう。
しかし、これまで介護とは違う業界で働いてきた人だと、介護施設の求人を見た時に、どの施設がどんな特徴があるのか分からないという人も多いはずです。
こちらの記事では、介護施設の中でも最低限知っておきたい施設を4つ取り上げて、詳しく解説します。
この4種類を知っておけば、自分の理想の働き方に近い、施設を選ぶことができるようになるでしょう。
特別養護老人ホーム
介護施設と聞いた時に、誰もが一番に思い浮かぶのは特別養護老人ホームではないでしょうか。
ほとんどの入所者様が車椅子で移動するか、移動できない重度の方が多い施設。
以前は要介護度が低い方でも入所できたのですが、現在では要介護度3以上という条件が定められたことで、結果として自力での生活が難しい方が多い状況となっています。
生活を介助することになる入所者様たちは自力で食事がとれなかったり、トイレに行くことができないという人も多く、体力を要求される場面も少なくありません。
頭も使う仕事
また、介護の現場というと身体を動かす肉体労働と思われがちなのですが、日常業務に慣れてくると、担当する利用者様を引き継ぐことになるでしょう。
そこからは、利用者様を少しでも自力で生活を送れるようにするため、どのような介護を行っていくか、そのためにどのような目標を立てるのかなど、ケアプランを考えるという業務も行わねばなりません。
そのような実情があるため、頭を使う仕事が苦手という理由で、介護現場を目指すのはオススメしません。
実際にケアプランを考えることが難しく、業務を満足に行うことができないことが原因で離職してしまう人もいます。
夜勤もある
また、特別養護老人ホームは入所者様の心身の状態が難しい方が多いこともあり、24時間、目を離さずに介助を行わなければなりません。
毎日、夜勤ということは稀ですが、少なくとも週に何度かは夜勤を行う必要が出てくるでしょう。
これまで日勤しか経験していない人であれば、夜勤の大変さを初めて身をもって知るという人もいるはず。
正直、生活リズムを作るのも大変だし、規則正しい生活を送れる業種と比べると体力が必要なのは間違いありません。
その代わり、夜勤1回ごとに手当が付く場合も多いので、給料は多くもらうことできるでしょう。
体力に自信があり、ケアプランを考えるような頭脳労働もこなせるという人にはピッタリな職場と言えるでしょう。
有料老人ホーム
住宅型、サービス付き、介護付きなど、さまざまな種類のある有料老人ホーム。
先ほどご紹介した特別養護老人ホームは公的な施設のため、比較的安価で入所できるのですが、その分、入所待ちをしている人もかなりの数いる状況です。
要介護度3以上でなければ入所できないという条件に変更になったおかげで、以前より改善されたとはいえ、未だに地域によっては改善しきれていないというのが現状。
そのような地域で経済的に余裕のある高齢者、家族が利用を検討するのが有料老人ホームです。
接客スキルが求められる
介護付きの施設だと、施設によりますが特別養護老人ホームに近い職場環境の場所もあります。
一方で、サービス付き、住宅型の場合は、基本的に自力で生活できる高齢者ながら、家族が自宅で一人暮らしは厳しい、不安という理由で利用することが少なくありません。
そのため、介護される状況ではない高齢者の方と接することが多い職場がほとんどです。
当然、介護が必要ない比較的元気な高齢者の方なので、どちらかと言えば、接客スキルを求められます。
行動1つ、発言1つ失敗することで入所者様の機嫌を損ねてしまうこともあり、下手をするとクレームを受ける場合もあります。
介護の現場のイメージからはかけ離れた職場ではあるのですが、接客スキルを求められる施設だと給料が高額なことは魅力の一つ。
有料老人ホームというと、給料が高いというイメージを持つ人が多いのですが、あくまで施設によるということは頭に入れておきましょう。
転職活動を行う際に、しっかりと下調べをしてから、面接を受けないと後から思っていた待遇と違うと後悔することになりかねません。
ケアハウス
ケアハウスという名前を初めて聞いたという人も少なくないでしょう。
自力で生活を送ることができるけど、自宅で1人にしておくのは不安という高齢者の方が入所できる住宅型の施設です。
先ほど、有料老人ホームについて解説しましたが、こちらは公的な施設で、比較的安い金額で利用することが可能。
基本的には自力で生活を送ることが高齢者ばかりなので、職員は多くなく、少人数で運営することになる施設がほとんどです。
しかし、勘の良い人は気づいたかもしれませんが、介護されるほどでもない、自力で生活を送れる高齢者という絶妙な状態の高齢者はそう多くありません。
実際にはデイサービス、訪問サービスを利用して、やっと生活を送れるというレベルの人も少なくありません。
本来なら老人ホームに入るべきレベルの状態の方でも、転居先がないという理由で入所し続けている場合もあります。
事前の見学が必須
そのような心身の状態的に自力で生活が難しい入所様が1人、2人であれば、まだ良いのですが、あまりにも多いと日常業務が難しくなる可能性もあるでしょう。
必ず、あなたが働く予定の施設へ見学に行って、自分の目で確認しておくことが大切です。
その際には少しでも引っかかることがあれば、しっかりと検討しておくべき。
求人が出ているということは、前任者が辞める、人手が足りないなど、さまざまな理由があるでしょうが、下手をすると未経験でろくに入所者様をサポートできないのに、1人ですべての仕事をこなさなければならなくなることも考えられます。
極端な例を挙げましたが、中にはこのような施設があることも確か。
初めて介護業界で働くのであれば、特に入念に調べて転職活動することが重要です。
グループホーム
グループホームは認知症を患っておられる入所者様をサポートすることが、メインの業務となる施設。
これまでご紹介した3つの施設と比べると、最初から専門的なスキルと知識を求められる職場と言えるでしょう。
専門家が求められる職場だからこそ、なかなか、基準を満たす職員を見つけることができず、求人が幅広い場所に提出されている場合があります。
決して簡単な仕事ではないので、専門的な能力を求められる職場ということを頭に入れておかねば、自分の求める仕事、相手の求めている人材の部分でズレが生じ、不要な時間を使ってしまうことにもなりかねません。
あなたが介護の現場が初めてということであれば、安易にはオススメできない職場です。
恐らく、面接を受けたとしても合格することは難しいでしょう。
これまで紹介した介護の現場であれば、未経験でも受け入れてもらえる職場もありますので、最低限の経験を積み、スキル、知識を身につけた上で、挑戦するという形で転職を考えるには良い職場と言えます。
まとめ
介護の現場として代表的な4種類の施設をご紹介しました。
一言で介護の現場と言っても、実はそれぞれに知っておくべき特徴があります。
これらの情報を頭に入れずに転職活動を行ってしまうと、後々の後悔にもつながるし、満足いく仕事を行うことも難しいでしょう。
逆に言えば、こちらの記事でお伝えしたそれぞれの施設の特徴や求められる働き方を把握しておけば、自分の満足いく転職を実現する近道となるはずです。
これから5年、10年と介護業界はますます人手が必要となっていきます。
介護の現場に興味を持ったあなたには、自分の生活を大切にしつつ、人や社会の役に立てる職場を見つけてもらえたらと願ってやみません。
残念ながら未だに職員が次々と離職するような劣悪な介護の現場も少なくない状況です。
自分の身を守れるのは自分だけです。
せっかく、環境を変えることのできる転職活動なので、今よりも良い状況にクラスアップできるよう、こちらの記事を活かしてもらえたら嬉しいです。