女性パイロットが少ないのはなぜ?女性でパイロットになるには?仕事内容は?

飛行機を操縦するパイロットは、とても魅力的でかっこいい職業です。ただ、女性のパイロットをあまり見たことがない方も多いのではないでしょうか。

映画やドラマの中でもパイロット役は男性の方ばかりで、一般的にもパイロットといえば男性をイメージする方が少なくありません。

そこでこの記事では、女性パイロットが少ない理由や女性がパイロットを目指せるのかについて、詳しく解説していきます。

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女性はパイロットになれない?

「パイロットという職業に興味がある」「女性だけどパイロットを目指せるのかな?」女性の方で、こうした考えや疑問を持っている方もいるでしょう。

一言でパイロットと言っても、私たちが海外に行く際に利用する「航空機」をはじめ、「ヘリコプター」や「戦闘機」、「輸送機」など、様々な種類があります。

それでは、実際にこうした機体に女性が搭乗して操縦することはできるのか、気になるところです。結論から言うと、女性はパイロットになれます

2015年より前は、航空機やヘリコプター、輸送機などのパイロットになることはできても、女性が戦闘機のパイロットになることはできませんでした。

これは、「母体保護」という女性の生命や健康を守る法律による観点からです。

飛行機の中でも戦闘機は速度が速く、マッハ2〜3(秒速680〜1020メートル)のスピードで飛行します。

他の飛行機と比べ、身体にとてつもない負荷がかかるため、女性は戦闘機のパイロットにはなれないと決められていたのです。

しかし、男女平等や少子化による人材確保という理由などから、2015年に自衛隊で配置制限が見直され、女性でも戦闘機のパイロットを目指せるようになりました。

日本に女性パイロットは何人いる?

日本にはどれくらいの女性パイロットが活躍しているのでしょうか。

一般社団法人日本エアマンシップが運営するパイロット相談室の調査によると、日本航空エアラインで活躍する全7000人のパイロットの内、女性パイロットは140人という試算が出ています。

男女比率としては、女性は全体の約2%と少ないですが、2015年まで遡ると当時のパイロットの数は全体で5000人、その中で女性は50名というデータがあるため、女性パイロットの数は年々増えていることがわかります。

女性パイロットが少ないのはなぜ?

日本で活躍するパイロットの男女比率を見ると圧倒的に女性の方が少ないので、「どうして女性パイロットは少ないの?」と疑問を抱く方も多いかもしれません。

そこでなぜ、日本には女性パイロットが少ないのかについて理由を解説していきます。

パイロットに対するイメージ

パイロットの姿を想像してくださいと言われたら、どのような想像をしますか。

おそらくほとんどの方が男性がコックピットに座って操縦桿をかっこよく操作する姿を想像するでしょう。

つまり、パイロットという職業自体に男性の仕事というイメージが定着したため、そもそも女性でパイロットを志望する人が少ないのです。

パイロットへの憧れはあっても「男性の仕事だから応募しても落とされるよね」と考えて、パイロットという職業を選択肢から外してしまう人も多いです。

ただし、能力的には男女に差がないと言われているため、女性も積極的にパイロットを目指すことができます。

身体的な事情

パイロットになるために必要な条件を考えてみると、目が良いことが大切だと思う方も多いかもしれません。

もちろん視力もパイロットになるための身体的な条件として掲げられていますが、それ以外にも条件が存在します。

それは身長です。

パイロットには一定の身長を求められ、その高さは158センチです。

理由としては、手足を使って操縦するから。ペダルを踏んだり、パネルを操作したりといった操縦席での操作を問題なく行うためには、物理的な手足の長さが必要になります。

20代日本人女性の平均身長がちょうど約158センチなので、条件からはずれてしまう人も少なくありません

ライフサイクルとキャリアの兼ね合い

女性には結婚、出産、子育てというライフサイクルがあり、長期間かけて積み重ねる必要があるパイロットとしてのキャリアとの両立が難しいという点も問題です。

一人前のパイロットになるまでの期間は非常に長く、一般的な大手航空会社だと就職して副操縦士になるまで3〜4年、副操縦士から機長になるまで7〜10年程度かかると言われています。

妊娠がわかると航空身体検査で不適合となり、身体に負担のかかるフライトなどの操縦業務はできなくなります。

そこから出産、子育てのためにしばらく仕事を離れると復帰の際に改めて訓練を受ける必要があります。

家庭と仕事のバランスをとることが難しい職業なので、パイロットを諦めてしまう女性も少なくはないようです。

パイロットになるには?

将来的にパイロットを目指す方は、どうやってパイロットになるのか気になりますよね。

パイロットになるにはどんな学校に行けばいいのか、どのような資格が必要なのかについて詳しく解説します。

学校に通って資格を取得する

パイロットになるためには一般的に、男女共通して4年制の大学や専門学校に通い、操縦士の資格を取得してから航空会社などへの就職活動を行います。

学校では操縦科やパイロット養成コースで訓練を積みながら、資格取得を目指します。

他には、JALやANAなど大手航空会社が未経験者を対象に募集している「自社養成パイロット」に応募する方法や航空大学校に進学する方法もありますが、合格する人数が僅かなため狭き門です。

旅客機ごとの資格

パイロットになるためには操縦士の資格だけではなく、操縦する飛行機ごとに資格が必要になります。

飛行機のエンジンの数が1つなのか2つ以上になるのかによって「単発機」「多発機」の資格が求められます。

また飛行機の構造上、操縦するために二人以上が必要な旅客機や、国土交通大臣が指定する型式航空機になると、機種別の資格が求められます。

例えば、ボーイング777を操縦するためには、ボーイング777の操縦資格が必要になるようです。

英語関係の資格

世界中に人々を運ぶパイロットの世界では、航空交通管制から受ける指示や情報は英語が国際共通語として使われているため、英語の資格も求められます。

そのため、国際線など日本と海外の間を航行する場合は、英語に関して一定レベルの知識や能力を有することを証明するために、「航空英語能力証明」という資格を取得しなければなりません。

日本では2006年から設けられた新しい資格であり、有効期限が3年間のため、3年ごとに受け直して更新する必要があります。

プラスαで必要な資格

パイロットとして様々なフライト業務を行うための資格として、

  • 機長として二人乗りの航空機を操縦できる資格「定期運送用操縦士」
  • 副操縦士として、二人乗りの航空機を操縦するための基本資格である「事業用操縦士」
  • 計器飛行証明でもあり副操縦士として二人乗りの航空機を操縦するための資格「准定期運送用操縦士」
  • 離着陸の際などに管制官と無線で通信することができる「航空無線通信士」

などが挙げられます。

パイロットの仕事内容は?

飛行機を操縦するだけのイメージが強いパイロットですが、実際には私たちに安全な空の旅を提供するために、操縦以外の仕事をたくさん行っていて、仕事内容も勤務先によって異なります。

普段は見ることのできないパイロットの仕事内容について詳しく解説していきます。

エアライン勤務の場合

パイロットの仕事は飛行機を安全に操縦して、搭乗者を目的地まで安全に送り届けることです。

そのため、パイロットの仕事は操縦だけではなく、飛行前にフライト計画を確定させて飛行高度や燃料の量を確認したり、機体に損傷やメンテナンス不足がないか点検も行います。

一度空に飛んでしまえば自動操縦などで機械任せのイメージがあるかもしれませんが、パイロットは飛行経過を地上に連絡したり、計器類などを見て飛行状態に問題がないかを常にチェックしています。

また、飛行後には機体の内部や外部の様子を見て、損傷などトラブルに繋がる要因がないかを確認します。

飛行中に気になることがあった場合は航空整備士に伝えて、機体を安全に引き渡すまでがパイロットの仕事です。

その他の場合

パイロットの中には航空機を操縦する仕事以外にも様々な業種で活躍する人が多く、代表的なのは警察や消防、海上保安庁、自衛隊の航空要員として働くパイロットです。

主にパトロールや救難救助の現場に向かうためのヘリコプターや輸送機を操縦することが多いです。

また「ジェネラル・アビエーション」と呼ばれる民間の航空機使用事業会社に就職して軽飛行機やヘリコプターを操縦し、報道関係の撮影目的や航空写真、遊覧飛行などその会社が営む商業目的でフライトを行うパイロットもいます

女性でもパイロットとして活躍できる

空を飛ぶ魅力的なパイロットは男性の仕事というイメージが強いですが、女性でも十分に目指せる職業です。

身長など身体的な要因はしょうがないですが、パイロットになるまでの過程や努力は男性も女性も変わりありません。

この機会にパイロットへの憧れを持っている女性の方は、進路の選択肢の一つにパイロットを入れてみても良いですね。

記事の執筆者
LS編集部

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