これから子供に必要となるスキルとは?伸ばしたほうが良い能力を紹介

一人の人間として自立して生きていけるように成長することは、子どもを育てる1つのゴールと言って良いでしょう。

親の立場から見れば、これからの時代に求められるスキルを子どもに身に付けてほしいと願うのは当前のことです。

ただ、必要となる能力というのは時代とともに変わりますし、闇雲に何でも子どもに教え込もうとするのはよくありません。

では、どんな能力を伸ばせるようにしていくのがいいのでしょうか?

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これからはどんな能力が求められる?

「コンピテンシー」という言葉があります。

これは「行動特性」のように訳されるもので、子どもはこの世に生を受けたときから、このコンピテンシーというものを備えているのです。

子どもは自分なりに、

  • より良いコミュニケーションをしようとしたり
  • 自分の意志で行動を起こしたり
  • 状況に応じて取り組み方を柔軟に変えたり

といった行動をしています。

ですが、これらの子どもの行動に大人が気づいていないことも少なくありません。

何より、学校教育では良くも悪くも「授業では先生からの指示や指導を黙ってじっと待つもの」という受動的な姿勢が求められるケースも存在します。

子どもが生まれながらに持つこれらの資質を最大限に発揮できる場を大人が提供することは、非常に重要になってくるのです。

情報を利用する力

はるか昔においては、文字の読み書きができることや高価で手に入りにくい本を持っていることが、ある種の教養だとみなされる時代がありました。

そんな頃からは考えられないほど、今の時代は大きく変わっています。

文字の読み書きは基本的に誰でもできるようになっていますし、本は気軽に買えるものになりました。

また、ネットを使えば、世界中のあらゆる情報を一瞬で手に入れることまでできるようになっています。

ただ、大きな問題も生まれています。

世の中には情報が溢れすぎて、まさに玉石混交の様相を呈しているのです。

情報を得ること自体は簡単になった一方で、その中で何が正しいのかを自分で取捨選択できるスキルがないと、情報に踊らされかねません。

それと同時に、誰でも様々な情報にアクセスできるようになったことで、情報をただ知っているだけではあまり意味がなくなりつつもあります。

情報を利用して、

  • 新しいものを創り出したり
  • より精度の高い判断をしたり
  • 今まで経験したことがない問題に対峙するための活路にしたり

といったことができる力が、まさに現代で求められる能力と言えるでしょう。

21世紀型スキル

21世紀型スキルとは、2009年に政府や大学、有名企業が共同で参画した教育プロジェクトで、子どもがこれからの時代を生きていくうえで不可欠なスキルとして定められたものです。

21世紀型スキルには豊かな思考力、巧みな仕事の方法、インターネットへの理解、社会生活を営む技術の4つがあります。

豊かな思考力

豊かな思考力とは、頭の中の「引き出し」や思考における「手数」を豊富にすることです。

問題を最善の方法で解決するには、参考にできるアイデアが多いに越したことはありません。

ただ、子どもが興味関心を持っていたり、得意としていたりする分野のアイデアだけを吸収してしまうと偏りが出てしまいます。

そこで、子どもが多様な価値観や考え方に触れる機会を得られるよう、新しい環境に身を置ける機会を作ることが大切だと考えられているのです。

巧みな仕事の方法

巧みな仕事の方法とは、コミュニケーションやチームワークに関わるものです。

学校でも職場でも、ずっと一人で活動するわけではありませんし、人は力を合わせることでより高い成果を出せるものなので、必ず必要になるスキルとされています。

他人との関わりの中では、自分の考えを適切に表現できるかどうかが肝になってきます。

正しく伝えられないと、上手く連携が取れないのは明らかです。

表現力の土台となるよう、子どものうちはできるだけたくさんの語彙に触れる機会を得るべきだと提唱されています。

インターネットへの理解

情報を得るためのツールとして、インターネットを外すことはできません。

しかし、そこでは情報をただ鵜呑みにするのではなく、自分で考え適切に扱う力が必要です。

それが、インターネットの理解につながるわけです。

自分が求める情報にアクセスするための方法だけでなく、

  • インターネットにも誤った情報は存在すること
  • ネットの世界でも誰かを意図せず傷つけたり、逆に自分が傷ついてしまったりする場合もあること

など、リスクについてもきちんと子どもに理解させるべきとしています。

社会生活を営む技術

社会生活をしていく中で、自分はどんなふうに生きたいのかを考える機会は必ず訪れます。

子どもの場合、その動機付けとなるのは純粋な興味関心であることが多いものです。

子どもが「やりたい」「挑戦したい」という意思を主張するものであれば、まずはやらせてあげることが大切だとしています。

挑戦したという経験自体が、将来進む道を決めるうえでの糧になるからです。

起業家精神

子どもに必要な能力として、起業家精神も注目されています。

ただ「うちの子どもは何か事業を起こしたいわけではない」と、敬遠されがちなものかもしれません。

しかし、実際に起業したり経営者になったりするかどうかに関わらず、どんな仕事をするのであれ活用できるその姿勢や考え方にこそ本質があるのです。

能動的な姿勢が必要

かつての日本は、一度安定した企業に就職してしまえば、あとは順風満帆な生活を送れることも多い国でした。

この背景には、退職まで就業が保証される終身雇用と、勤続年数に応じて右肩上がりに役職や給与が上がっていく年功序列の評価体系が作用しています。

そして、それらの2つの仕組みの中では、会社の方針に何でも従うYesマンタイプの人間が求められていたのです。

しかし、現代の日本の状況は違います。

大企業の倒産やリストラも珍しくないものですし、必ずしも勤続年数が評価のバロメーターとは言えません。

そんな現代で、かつて求められていたように受動的な人間のままでは、何の存在感も出せなくなってしまったのです。

だからこそ、会社の中で主体的に行動できたり、新しいことを生み出せたりするような企業家精神を持つ人が強く求められます。

しかし、この姿勢は簡単に身に付くものではありません。

子どもの頃に好奇心を刺激される機会、あるいは失敗を気にせずに挑戦できる機会が多かったかどうかが、大きく影響してくることも多いのです。

コミュニケーション能力

コミュニケーションという行為は、単に会話をすることだけではなく、自分の考えを正しく伝えること、相手の考えを理解することも含みます。

コミュニケーション能力が備わっていれば、自分の意思をきちんと伝えられるので人間関係がスムーズに作られますし、交友関係も広がりやすいので多様な価値観に触れる機会も得やすくなります。

また、相手の意思もくみ取ったうえでやり取りができるので、思いやりを持った発言もできるようになるでしょう。

家庭以外でのコミュニケーションも大切

子どものコミュニケーション能力を育てる場所の代表例が家庭内です。

日常の中で会話が生まれる機会が多いので、子どもとたくさんのやり取りをすることが大切です。

しかし、家庭内だけでコミュニケーション能力を養うのは難しい場合もあります。

同じ家族とばかり話していると、刺激がなくなったり、慣れた相手としか話せなくなったりという事態を招きかねないからです。

子どもを習い事など家族以外のコミュニティに参加させて、新しい人間関係を作る機会を提供することで、コミュニケーション能力はさらに磨かれます。

プログラミング能力

2020年から小学校でプログラミング学習が必修化された件は大きな話題になりました。

授業についていけるよう子どもをプログラミング教室に通わせようと考える人も増えたかもしれません。

しかし、ただの科目の1つとしてプログラミングを捉えるのは非常にもったいないことです。

なぜなら、プログラミングを学ぶことは、子どもがこれからの時代を生き抜く術を身に付ける機会にもなるからです。

考える習慣がにつながる

プログラミング学習においては、インターネットの基本的な操作ができるようになることが必須です。

ネットを正しく利用できるようになることで、子どもが入手できる情報量は飛躍的に増大します。

これ自体もメリットではありますが、ネットの情報は全てが正しいわけではありません。

子どもは複数の情報の中から適切なのものだけを選び取る必要があります。

すなわち、これが子どもが自分で考える習慣につながっていくのです。

課題解決力につながる

さらに、プログラミングは論理性を育んだり、試行錯誤を繰り返したりする経験にもなります。

コンピューターやロボットを操作するために使うプログラムでは、ほんの少し手順が変わるだけでも結果が全く異なることも普通です。

どの順番で、どのような処理にしたら求める結果を得られるのかを論理的に考えながら取り組むことになります。

そして、それは1度や2度で成功するとは限りません。

何度もトライアンドエラーを繰り返して答えに近づいていくのです。

筋道だった論理性も、失敗にめげずに取り組み続ける姿勢も、大人になってから直面する様々な問題を解決するために必要不可欠なものと言えます。

子どもの成長に適切なサポートを

これからの時代に求められる能力は様々ありますが、いずれも一朝一夕で簡単に身に付くものではありません。

なおかつ子どもが自分の力だけで習得するのは困難なものです。

大人が子どもに対してすべきサポートは、できるだけ早い時期に学びの場を提供すること、子どもの興味関心を尊重しつつ暖かく見守ることなのではないでしょうか。

記事の執筆者
LS編集部

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