健康を維持するためには毎日の食事が重要で、しっかり栄養バランスも考えて取り入れていきたいものです。
この記事では、様々な分野から注目されている栄養検定について、受検するメリットや試験内容、難易度、そして資格を活かせる職場についてご紹介していきます。
栄養検定について詳しくわかれば、自分も挑戦してみたいと思うようになるかもしれません。
栄養検定とは?
栄養検定は、一般社団法人 日本栄養検定協会が実施している栄養学の基本を学ぶための検定です。
消化・吸収・代謝の仕組み、日本人の食事摂取基準に掲載されている栄養素、バランスの良い食べ方、食品の機能性やライフステージごとに必要な栄養など幅広い知識を体型的に学び、健康的な食生活とはどのようなものか理解を深めていきます。
ちなみに、栄養検定は4級と3級がありますが、受検資格は特にありません。
試験期間も通年で誰でも好きな時に受けられます。
また、出題形式はCBTとIBTのいずれもパソコンを使った試験となり、CBT試験なら全国200か所以上の試験会場で、IBT試験なら自宅など都合の良い場所で受検する事になります。
受検するメリットは?
栄養検定を受検する事でどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、2点ご紹介します。
健康維持につながる
食生活の欧米化や生活スタイルの多様化が急速に進み、肥満や生活習慣病は増加の一途を辿っています。
これらを改善・予防するには、まず1日3回取る食事を見直す事から始める必要があります。
主食・副菜・主菜を上手に組み合わせてバランス良く食事を取ることが大切ですが、肉はどれぐらい食べると良いのか、野菜は何種類組み合わせると良いのかなど、知識が無い中で決めるのは難しいものです。
栄養学では栄養素の働きや食材の組み合わせ方などが学べるため、普段の食事作りにも役立ちます。
管理栄養士や調理師なども栄養学の資格になりますが、国家資格であるため難易度は高くなります。
その点、栄養検定なら随時受検が可能で家族の健康を守るために必要な栄養、食の知識を十分取得出来ます。
食品業界で役立つ
栄養検定の資格を持っていると、食品を扱う仕事全般の就職・転職に役立ちます。
例えば、商品の研究開発などを行う製造工場は栄養学の知識も求められる現場で、幅広く知識を持っている人材は重宝されます。
そもそも栄養学は普段の生活の中で活かせる事も多いため、比較的学びやすい分野です。
結婚や出産、育児などで一旦仕事から離れてしまった女性も隙間時間を活用して勉強し、資格を取得しておくと再就職の際に有利になるかもしれません。
試験内容について
栄養検定4級は?
栄養検定4級は、公式テキスト4級に記載されている第1章から第7章までが試験範囲です。
食生活と健康、遺伝子と栄養、栄養素の種類と働き、エネルギー代謝、食品の成分と表示、バランスのよい食べ方、食の安全などの中から出題されますが、調理師学校などで学ぶ栄養学とほぼ同じ内容になっています。
試験時間は40分、60%以上の正答率で合格となります。
栄養検定3級は?
また、3級は公式テキスト3級に記載されている第1章から第11章までが試験範囲で、消化と吸収、たんぱく質の働き、炭水化物の働き、脂質の働き、ビタミン、ミネラル、機能性成分、水と電解質の代謝、食品添加物、ライフステージ別の栄養、病気と栄養から出題されます。
これらは栄養士養成校や管理栄養士養成校で学ぶ栄養学の基礎的な内容にあたり、試験時間は60分、65%以上の正答率で合格になります。
CBT試験かIBT試験のどちらかを選択
そして、栄養検定はCBT試験かIBT試験のどちらかを選ぶことになりますが、CBT試験を受ける場合は最初に試験サポートサイト「CBTS」に新規受験者登録をしておかなければいけません。
また、受検当日は本人確認書類を持参し、30分前には会場に到着しておいた方が安心です。
遅刻した場合は受検出来ません。
CBT試験、IBT試験いずれも試験終了と同時に合否確認ができ、合格者には合格証書が届きます。
難易度について
毎年の合格率は?
栄養検定の合格率は年によって差があります。
2016年から2018年までの受験結果によると、入門コースは69.8%~90%、初級コースは36.1%~81.8%となっています。
ちなみに、栄養検定のグレードは2020年度より入門、初級から4級と3級に変更となりましたが、試験のレベルは変わっていません。
国家資格ではないため挑戦しやすい試験ではありますが、36.1%という数字が物語っているように、簡単に取得出来る資格ではないでしょう。
合格するには?
栄養検定に合格するには、栄養学の基礎知識を幅広く確実に身に付けておく必要があります。
独学、または通信講座やWEB講座で学ぶという方法がありますが、自分に合う方法ならどちらを選んでも問題ありません。
まず、独学で勉強する場合は専用のテキストを活用すると便利です。
栄養検定を主催している日本栄養検定協会から公式テキストと公式問題集が出ており、試験に出題される内容を効率良く勉強出来ます。
また、通信講座やWEB講座は自宅にいながら大学や専門学校で学ぶ内容を受講出来ます。
勉強時間は自由に自分で設定できますので、仕事をしている人でも両立しやすく、短期間で取得を目指せるという利点があります。
活かせる場所は?
栄養検定に合格すると、どのような所で活躍出来るのでしょうか。
調理・飲食関係
調理関係と言えば、
- ホテル、レストラン
- 学校、病院
- 介護、保育現場
など働く場所は様々です。
それぞれで求められるものは違いますが、単にキッチンに立って調理をするだけではなく、食材の栄養価や組み合わせなども考えながら料理を作っていく事も大切です。
栄養学や食品に対する知識を持っている人なら、安心して仕事を任せられるでしょう。
同様に、飲食関係で働く人も栄養学の基礎を知っておくと新メニューの開発などに役立ち、お店の売上アップにも繋げられるかもしれません。
保育・介護関係
幼稚園や保育所は成長・発育が目覚ましい子供達を預かる場所で、積極的に食育に取り組んでいる所も多いです。
お肉だけではなく、なぜ魚や野菜も食べなければいけないのかなど、きちんと子供に説明出来れば好き嫌いなく食事をしてくれるようになるきっかけになるでしょう。
また、介護現場では若い頃のように食べられなくなった高齢者と多く関わります。
量が少ないながらも健康を維持できる健康食を提供出来れば、利用者やその家族からも喜ばれます。
ジム・トレーナー関係
スポーツジムに勤務するトレーナーは、トレーニングの指導やアドバイスを行います。
ただ体重を減量する、筋肉をつけるためには運動だけではなく、食事内容も重要です。
一人ひとりの体質や目的に合わせて食事指導も行うのが一般的ですが、その際は栄養学の知識も必要不可欠で豊富な知識を持っていると自信を持ってアドバイスを行えるようになるでしょう。
最後に
栄養検定は、様々な仕事に活かせる資格です。
国家資格ではありませんが、就職や転職に有利になる事もあります。
また、食や栄養についての知識は、家族の健康を守る意味でも知っておいて損はありません。
合格するにはコツコツ勉強の積み重ねが必要で、決して簡単な資格ではないものの、無事に資格を取得出来た際には一生モノの知識にもなるでしょう。