「子どもに野菜を食べて欲しいのになかなか食べてくれない…」そんな経験も多いのではないでしょうか。
野菜は健康に過ごしていくために、必須の食材です。
筋肉を作ったり、エネルギーを生み出すたんぱく質や炭水化物、脂質を効率よく代謝するために必要なビタミンやミネラルを多く含んでいます。
今回はなぜ子どもが野菜嫌いになってしまうのか?というポイントから、野菜嫌いの克服方法までいくつかご紹介していきます。
子どもはなぜ野菜嫌いになるのか?
野菜を嫌いになってしまう理由はいくつか挙げられます。
特に「味」は野菜嫌いになる大きな理由です。
味は甘味、うま味、苦味、酸味、塩味の5つに分けられるとされています。
甘味、うま味、塩味は子どもも好む傾向にありますが、酸味は不廃物のシグナル、苦味は毒物のシグナルになっていると考えられおり、味覚の繊細な子どもは、本能的に酸味や苦味を避けることで身を守っているとも言われています。
成長していくにつれて、さまざまな食経験を積み、酸味や苦味のある食べ物が体に害がないと学ぶことで、食べられるようになっていくのです。
他にも野菜嫌いなる理由としては、
- 食感(とろとろ、ヌメヌメ、シャキシャキ)
- 香り(香味野菜などの特徴的な香り)
- 見た目(ゴーヤなど見た目に特徴のある野菜)
- 嫌な思い出(過去に美味しくなかった経験)
- 食わず嫌い(なんとなく食べたくない)
といったことが挙げられます。
まずは、苦手な野菜のどのような部分が嫌いなのかを確認してみましょう。
それによって、適した克服方法があります。
今回は野菜嫌いの克服方法をいつくかご紹介します。
野菜の下処理をしっかりとする
野菜の味や食感に大きく影響してくるのが、「下処理」です。
根菜類は特に、土をよく落として調理することが大切です。
衛生面だけではなく、根菜類の泥臭さも取り除くことができます。
また、野菜は抗酸化力が強いからこそ、食べた時に渋みやアクを感じやすくなっています。
子供にとって渋みやアクは、大人よりもより強く感じてしまうため、しっかりと下処理をしましょう。
なす(アク抜き)
切ったなすを水の入ったボウルに入れて5分程度おく。
または、塩を振って軽くもみ、水気が出てきたら軽く絞る。
里芋(ぬめり取り)
里芋の皮をむき、塩で揉んで水で洗い流す。(塩の量は1袋500gに対して大さじ2が目安)
さらにしっかりと下処理したい場合は、下茹でをするのもおすすめです。
ごぼう(皮むき)
包丁の峰を使ってごぼうの表面を擦るようにしながら皮をこそげとる。または、たわしで擦る。
ごぼうは皮の近くに風味があり、ピーラーを使うと厚くむき過ぎてしまいます。
ごぼうの美味しさは残し、泥臭さを取り除くには皮をこそげとる方法がおすすめです。
切り方を変えて工夫してみる
野菜は切り方によっても味の感じ方や食感、見映えも大きく変わります。
ごろっと大きく切れば、その野菜の存在感のある料理になり、小さく切れば、火の通りも良くなり、他の食材との味の馴染みも良くなります。
苦手な野菜を料理に取り入れる場合は、初めの頃はみじん切りや薄切りにしましょう。
野菜の繊維に沿って切るか、断ち切るようにして切るかでも食感が変わります。
繊維を断つように切り、加熱をすれば食感は柔らかくなりやすくなります。
筋っぽさが気になる野菜は、繊維を断つ切り方がおすすめです。
にんじん〜味の濃さを調節〜
味の濃い人参などの野菜は、みじん切りにすることで味の強さも和らぎ、食べやすくなります。
カレーなどに入れる場合は、厚みの薄いいちょう切りにすることで、ルーに溶け込みやすく、にんじんが入っていてもあまり気にならずに食べられます。
または、型抜きを使ってハート型や星型にするだけでも、にんじんを食べることに楽しさをプラスすることができます。
玉ねぎ、長ねぎ〜繊維を断ち切って甘味〜
玉ねぎは繊維を断つようにして切り、加熱すると食感が柔らかくなります。
火の通りも良くなり、玉ねぎの辛味や香り、シャキッとした食感が和らぎます。
加熱して味や食感を変える
野菜は生と加熱したものとでは、味、食感、香りも大きく変わるのが魅力です。
生野菜が苦手であれば、加熱した野菜から好きになってもらうことが苦手克服に繋がります。
酸味や香味野菜の辛味も加熱することで甘味やうま味に変わります。
トマト〜加熱で酸味を減らす〜
生のトマトやミニトマトが苦手というお子さまも多いのではないでしょうか。
トマト好きな人も多くいる一方、皮の食感や中身とゼリー部分の食感、酸味など特徴のある野菜です。
その場合、お湯に通して湯むきをしたり、トマト缶を活用して煮物にすることがおすすめです。
トマトは加熱すると酸味が抑えられるので、酸味が苦手なお子さまには、じっくりと加熱したトマト料理を作ってあげましょう。
なす〜調理方法を変えて好きな食感に〜
調理法によって食感が大きく変わるのが特徴です。
なすのどんな食感や味が苦手なのかを把握してあげることが大切です。
とろとろ感が苦手であれば、浅漬けのようにシャキッと食べられるものを食べさせてあげましょう。
ピーマン〜じっくり加熱で苦味を甘味に〜
苦味が特徴のピーマンは、しんなりとするまで加熱することで、苦味がなくなり甘味に変わります。
蒸し焼きにするだけでも、味が変わるので苦味が苦手なお子さまにおすすめの食べ方です。
子どもの好きな料理に加える
苦手な野菜を美味しく食べてもらうコツは、まずは子どもの好きなメニューに取り入れることです。
また、好きな食材と一緒に料理をしてあげることもおすすめです。
ハンバーグに細かくして混ぜ込む
ハンバーグなどにみじん切りの野菜を細かく刻んで入れることで、野菜を食べていると思わせずにたっぷりの野菜を食べてもらうことができます。
特に、火を通すと色が茶色に変化しやすいなすがおすすめです。
油を吸ってなすも美味しくなり、見た目にも目立たずにたっぷりとなすを加えることができます。
肉まんや餃子の餡に野菜を入れる
肉まんや餃子は、餡が皮に包まれて外側から見えません。
「苦手な野菜も食べてみたら美味しかった!」という経験をしてもらうことは、苦手克服の大きな一歩です。
気が付かずに食べた後に、実は苦手な野菜も入っていたと伝えることで、食べることができたという自信にも繋がります。
野菜を育ててみる、畑に触れてみる
野菜を自分で育ててみるという経験は、子どもたちにとって印象深い経験になります。
自分が日頃食べているものがどんなふうに育っていくのかを観察し、自分たちで収穫をするとその野菜のに対しての見方も大きく広がります。
食べず嫌いや、美味しくなかった経験をした野菜を克服させたい場合は、野菜を育ててみる方法を1番におすすめします。
家庭菜園で種まきから収穫まで体験
家庭菜園では、毎日野菜の成長を観察できることが大きな魅力です。
そして、自分たちでタネを撒いたり、水やりをしていくことで愛着が湧いてきます。
ミニトマトやピーマンは家庭菜園での小さなプランターでも手軽に栽培が出来るのでおすすめです。
農業体験で畑や農家さんを知る
農業体験は、いつもと違う環境で野菜と触れ合うことができます。
広い畑や土の中での野菜を見た時に、野菜へのイメージも変わるのではないでしょうか。
野菜を食べる時に、その野菜が育った環境や農家さんの顔が頭に浮かぶと、より野菜が美味しく感じられます。
今まで興味のなかった野菜にも、関心を持ってもらう良い機会になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
子どもが野菜を苦手になる理由もさまざまで、個性のある野菜だからこそ下処理から料理にするまで工夫をすることが大切です。
子どもの頃から食べられる野菜をなるべく多くしておくことは、一生健康で過ごせる身体作りに繋がっていきます。
子どもが本能的に苦味などを避けるために、野菜嫌いになってしまうことは仕方が無いことです。
ですが、調理などを工夫をしてあげることで、危険ではないことを体感し、食べることができるようになっていきます。
もちろん嫌いな野菜を無理して食べさせる必要はありません。
いつまでも元気に過ごせるように、幼いうちから少しずつ野菜の苦手克服に取り組んでいきましょう。
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