結納の形式は、地域によって異なるのが特徴です。
特に、大きく分かれるのが、関東式と関西式になります。
しかし、結納とは何か、意味がわからないと、関東式と関西式のそれぞれの内容はどんなものなのか、わからないですよね。
実際のところ、関東式と関西式では、結納に対する考え方を始め、結納のしきたりや風習など、様々な点で違いがあります。
結納を行うかどうかは、新郎新婦の意思だけではなく、両家の判断によるものです。
揉め事を防いで、スムーズに準備を進めるためにも、関東式と関西式の結納の違いは、しっかりと頭に入れておきましょう。
ここでは、結納の関西式の流れや、関東式との違いなどについて、詳しく見ていきたいと思います。
関東式と関西式の結納にはどのような違いがあるの?
結納の形式には、関東式と関西式のものがあります。
両家の出身地が異なる場合はもちろんですが、それぞれの家庭での結納の価値観・考え方は異なるものです。
そのため、結納をどのように行うかは、両家の判断に大きく左右されるのが特徴です。
では、関東式と関西式の結納にはどのような違いがあるのかについて、見ていきましょう。
・新郎側と新婦側の両方が結納品を用意し、贈り合う
・結納品として、目録(結納品リスト)を含める
・1つの台に結納品をすべて配置する
・結納返しは、結納金の半額程度の現金または品物
・新郎側のみが結納品を用意し、新婦側が受書のみを渡す
・結納品として、目録(結納品リスト)を含まない
・1つずつ、結納品を台に配置する
・結納返しは、結納金の1割程度の現金または品物
ざっとまとめても、このように様々な違いがあります。
特に、関東式では、新郎側・新婦側のどちらも同格であると考えられているため、結納返しとして、新婦側は結納金の半額程度の現金または品物を贈ります。
一方、関西式では、新郎側が新婦側に結納品を贈るものという意識が強く、結納返しを行わずに、受書(結納品の受領書)を渡すのみに留めるのが一般的です。
結納返しを行ったとしても、結納金の1割程度の現金または品物を贈ります。
本来、結納の由来は、男性が結婚を申し込む際に、女性の家に酒と肴などの贈り物を持参して、飲食をともにしていたことからきています。
その観点から見ると、関西式の方が、本来の結納の形式には近いといえますね。
ただし、結納金の金額をいくらにするのか、結納金および結納返しをなしにするのかは、両家の価値観・考え方によって異なります。
結納をするかどうか、どのように行うのかなどについては、事前に、両家の価値観・考え方を確認して、擦り合わせることが重要です。
関西式の結納の流れは?
関西式の結納の流れは、以下の通りです。
- 会場に到着したら、結納品を並べて飾り付ける
- 両家とも着席したら、新郎の父親による口上(挨拶)を述べる
- 新郎の母親が新婦に結納品を渡し、新婦は受け取りの口上を述べてお辞儀をする
- 新婦の母親が結納品を飾り台に置いて、新郎側に受書を渡す
- 新郎の父親による口上で結納を終え、会食に移る
関西式の結納は、新郎側が新婦側をもてなす形で進められるのが特徴です。
今回は、仲人を立てずに行う場合での流れについて、ご紹介しました。
仲人を立てる場合には、仲人の進行によって、結納を進めるのが一般的です。
関西式の結納品は?
関西式の結納品には、以下のようなものがあります。
結納品の品目 | 内容 |
---|---|
熨斗(のし) | 干しアワビを伸ばしたもの(長寿を意味する) |
末広(すえひろ) | 白い扇子 |
小袖料(こそでりょう) | 結納金 |
家内喜多留/柳樽(やなぎたる) | お酒代 |
松魚料(まつうおりょう) | 食事代 |
高砂(たかさご) | 白髪の老夫婦人形 |
寿留女(するめ) | するめ |
子生婦(こんぶ) | 昆布 |
結美和(ゆびわ) | 婚約指輪 |
関西式の結納品は、上記の9品目が正式なものになります。
関東式とは異なり、目録を結納品の中に含めないのが特徴です。
また、関東式にはありませんが、関西式には婚約指輪も結納品に含まれています。
その他にも、家内喜多留/柳樽は、関東式のようにお酒代・食事代ではなく、関西式ではお酒代のみしか含まれていません。
結納金の呼び名についても、関東式では「御帯料(おんおびりょう)」なのに対して、関西式では「小袖料(こそでりょう)」と呼ばれています。
このように、結納品にも違いがあるほか、どれだけの数を用意するのかも、両家の価値観・考え方によって異なるので、頭に入れておきましょう。
関西式の結納品の飾り方は?
関西式では、すべての結納品を1つずつ白木台に配置します。
関西式の結納品の飾り方は、以下の通りです。
1. 一番奥左→松魚料・家内喜多留・小袖料
2. 中段左→末広・高砂・熨斗
3. 一番手前左→子生婦・結美和・寿留女
結納品の並べ方は、3×3列で並べるのがマナーです。
正式結納の場合は、9品目になるため、上記の順で並べる必要があります。
一方、略式結納の場合は、7品目または5品目に減らしてもOKです。
7品目に減らすのであれば、「子生婦」と「寿留女」を省いて、その空間は何も置かずに、そのまま配置します。
5品目に減らすのであれば、「子生婦」と「寿留女」を省いた後、「高砂」と「結美和」を省き、「末広」と「熨斗」を中央に近づけて配置します。
このように、品目数を減らした場合でも、基本的な配置の順番は変わらないので、上記の順番はしっかりと押さえておきましょう。
関西式の結納の基本的なマナーは?
関西式の結納の基本的なマナーとは、以下の通りです。
- 結納返しの飾りつけは新郎側の到着前に行う
- 結納品の飾りつけは仲人または新郎側の母親が行う
- 新婦側は結納の準備が整うまでは席を外す
- 結納の進行は新郎側の父親が行う
それでは、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
結納返しの飾りつけは新郎側の到着前に行う
結納返しの飾りつけは、新郎側の到着前に行うのがマナーです。
新郎側が到着した後は、新郎側が結納品の飾りつけを行うので、新婦側が飾りつけを行うのがギリギリになってしまうと、準備が間に合わなくなる可能性があります。
そのため、結納返しの飾りつけは、余裕を持って行いましょう。
結納品の飾りつけは仲人または新郎側の母親が行う
新郎側が会場に到着した後は、結納品の飾りつけを行います。
結納品の飾りつけは、仲人を立てる場合は仲人が、仲人を立てていない場合は新郎側の母親が行います。
新婦側は結納の準備が整うまでは席を外す
新郎側が結納品の飾りつけを行っている場合には、新婦側は結納の準備が整うまでは席を外すのがマナーです。
新郎側の飾りつけが終わったのを確認してから、会場に入室するようにします。
結納の進行は新郎側の父親が行う
結納の進行は、新郎側の父親が行うのが一般的です。
ただし、仲人を立てている場合には、仲人が進行を行います。
関西式の結納について理解して、記念に残る結納にしよう!
関西式の結納は、新郎側が新婦側をもてなす形で進められるものです。
そのため、結納品を贈るのも新郎側のみの場合が多く、新婦側からは受書(結納品の受領書)のみを渡します。
新婦側から結納返しを行う場合には、関東式のように半額程度のお返しではなく、1割程度のお返しをします。
また、結納品の品目や名称なども関東式とは異なるので、それぞれの違いについて、正しく理解しておく必要があります。
本番で失敗しないためにも、上記を参考に、関西式の結納の流れやマナーなどの理解を深めていきましょう。