新郎新婦とその両親で話し合った結果、結納を行う場合には、結納金が必要になりますよね。
結納金を用意するに当たって、金額の相場はいくらくらいになるのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
結納金の金額を決めるには、「キリの良い数字」や「奇数」、「縁起の良い数字」を始め、考慮するべきポイントがいくつかあります。
また、両家の関係性を良好に保つためにも、結納金の渡し方・お返しのマナーを正しく把握しておきましょう。
ここでは、結納の金額相場や平均はどれくらいになるのか、結納金の渡し方・お返しのマナーについて、詳しく見ていきたいと思います。
結納金とは?誰が用意するものなの?
結納とは、お祝いの品である結納品を交わす儀式のことをいいます。
その結納品の中の一つに、結納金というものがあります。
結納金とは、結納の際に、結婚の準備をするために贈るお金のことをいいます。
もともと、男性側がお嫁にもらうことに対する感謝の気持ちを込めて、女性側にお酒や鯛などの魚、反物・帯地、縁起物などを合わせて贈っていました。
それが、現代になるにつれて、金銭を贈る形に変化したものが、結納金になります。
そのため、一般的には、男性側から女性側に結納金を贈るという認識が強いですよね。
しかし、これは、男性側に女性側が嫁入りした場合です。
女性側に男性側が婿入りした場合には、女性側が男性側に贈ることになります。
つまり、嫁または婿を「もらう側」の方が、結納金を用意するのが基本となるので、間違いのないように注意しましょう。
また、結納金を用意するのは、「もらう側」の両親であることが一般的でしたが、最近では、「もらう側」の本人が用意する場合も増えてきています。
「もらう側」の本人、両親のどちらが用意しても良いものなので、家族で相談して決めるようにしましょう。
結納金の相場・平均はどれくらい?
結納金の金額には、明確な決まりがあるわけではありません。
そのため、どれくらいの金額を包むのかは、「用意する側」が自由に決めることができます。
結納金の相場・平均は、「一本」や「一包」と呼ばれる100万円が基準になります。
100万円に次いで、「割り切れない=別れることがない」という意味合いから、50万円や70万円といった奇数を基準として包む場合もあります。
また、漢数字の「八」が扇形で末広がりを意味しているため、80万円でも縁起が良いと言われています。
金銭的に余裕がある場合は100万円以上を包むこともありますが、目安としては、上記の金額から決めるようにすると良いでしょう。
しかし、「もらう側」に希望の金額を聞いたり、結納金の相場から大きくかけ離れた金額を用意したりするのはNGなので、注意が必要です。
結納金の金額を決める時のポイントは?
結納金の金額を決める時のポイントとは、以下の通りです。
- 縁起の悪い4や9のつく金額を避ける
- 地域の相場や各家の価値観を考慮する
それでは、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
縁起の悪い4や9のつく金額を避ける
「死」や「苦」を連想させる、「4」や「9」のつく金額は、縁起が悪いと言われています。
そのため、結納金などのお祝い金を準備する場合には、「4」や「9」のつく金額は避けるようにしましょう。
地域の相場や各家の価値観を考慮する
結納金の相場は、地域によっても異なるほか、各家の価値観・考え方によっても異なります。
そのため、地域の相場に合わせたり、各家の親戚や兄弟・姉妹の結納の時の金額に合わせるなど、「もらう側」のことも考慮して決めると良いでしょう。
また、「用意する側」の収入や貯金額、結婚式にかける費用などを踏まえた上での範囲内でないと厳しいと思うので、無理のない範囲で用意することが重要です。
結納金の渡し方のマナーとは?
結納金の渡し方のマナーとは、以下の通りです。
- 「ふくさ」に包んで、持ち運ぶ
- 立派なご金包か、桐箱に入れて贈る
- 忌み言葉を言わないように注意する
それでは、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
「ふくさ」に包んで、持ち運ぶ
結納金は、直接、手で持ち運ぶのはマナー違反です。
そのため、結納金は「ふくさ」に包んで、持ち運ぶようにしましょう。
結納の当日には、結納金を含んだ、結納品一式をまとめて風呂敷に包んで、大切に持ち運ぶことが重要です。
立派なご金包か、桐箱に入れて贈る
結納金は、結納飾りのついた中に、立派なご金包か、のしがかかった桐箱に入れて贈るのがマナーです。
しかし、結納を遠方で執り行う場合には、結納金のように大金を持ち運ぶのは気が引ける人もいますよね。
その場合には、ごく稀に、銀行振込で受け渡しを行う方法をとることがあります。
これは、両家の意向が揃った場合に成立する方法なので、本来の結納の儀式ではないことは覚えておきましょう。
忌み言葉を言わないように注意する
結納を行う時は、「切れる」「戻る」「捨てる」「かさねがさね」など、忌み言葉を言わないように注意しましょう。
ふとした場合に出てしまうこともあるので、どうしても心配な場合には、結納の時のセリフをメモして、見ながら言えるようにしておくと良いですね。
結納金の返し方のマナーとは?
結納金の返し方のマナーには、以下のようなものがあります。
- 関東式なら結納金の半額、関西式なら結納金の1割程度を返す
- 現金または品物を返すようにする
結納金の返し方は、関東式なら結納金の半額、関西式なら結納金の1割程度を返します。
現金を返す場合は、相手からもらった結納金が入った袋から、現金を取り出して渡すのはマナー違反です。
しかし、相手からもらう結納金の金額がわからないと、お返しの金額が少なかったり、多かったりすることも起こり得ますよね。
結納金に見合ったものをお返しすることができるように、当人同士で事前に打ち合わせをして、袋に包んで手渡します。
また、品物を返す場合には、腕時計やスーツの仕立て券などが一般的です。
結納返しは当日に行うのが一般的ですが、後日に改めて結納返しをする場合もあるので、どちらにするのかを話し合って決めるようにしましょう。
結納金を用意しないのはアリ?ナシ?
結納金を用意するかしないかは、両家の判断次第になります。
そのため、両家の価値観・考え方が、「結納金も結納返しも必要ない」という場合には、問題はありません。
しかし、一方が「結納金をなしにしたい」「結納返しをなしにしたい」というのはマナー違反だと捉えられる可能性があります。
結納金や結納返しをなしにしたいと考えている場合には、二人の考えをしっかりとまとめた上で、双方の両親に相談しましょう。
地域の相場や両家の意向を考慮して結納金を準備しよう!
結納金は、結納品として贈るものの一つです。
結納金の金額を決める際には、地域の相場や、両家の価値観・考え方を擦り合わせて、いくらくらいにするのかを考えましょう。
両家の意向によっては、結納金も結納返しも必要ないという場合もあるので、どのように考えているのかを事前に確認することが重要です。
また、両家の関係性を良好に保つためには、結納金の渡し方・返し方のマナーを正しく把握しておく必要があります。
相手方に失礼にならないように、上記を参考にして、万全の状態で結納金を準備できるようにしましょう。