日々仕事をしている中で「自分には保育士の適性がないかも……」と自信をなくしてしまうことはありませんか?
ミスや失敗をしてしまうと余計に、不安を感じやすくなるでしょう。
この記事では保育士の適性について考えます。
保育士に求められる適性とはどのようなものか、逆に保育士に適性がない人はどのようなタイプなのかをくわしくお伝えします。
とはいえあまり適性がない人でも、経験を積みスキルアップすれば、適性のなさを補うことも可能です。
自分に自信を失い「保育士の仕事を続けるのがツライな……」と感じている人は、ぜひご一読ください。
保育士に求められる9つの適性とは?
まずは保育士に求められる適性について紹介します。
ここでは以下のように9つの特徴にまとめました。
ひとつずつみていきましょう。
1. 子どもと接するのが好き
保育士としてなによりも大切なのは「子どもと接するのが好き」ということです。
保育士は子どもと直接ふれあう職業ですので、この点は当然といえるでしょう。
そもそも「子どもが大好き」「子どもとかかわりたい」といった理由で保育士をめざした人も多いでしょう。
子どもを大切に思う気持ちがあれば、保育士の適性があるといっても過言ではありません。
2. コミュニケーション能力がある
保育士は、子ども以外にも保護者や地域の人、職員などさまざまな人とかかわります。
そこで求められるのがコミュニケーション能力です。
特にコミュニケーションをとる相手の年齢層が幅広い点は、保育士という仕事の特徴ともいえます。
コミュニケーション能力が高い必要はありませんが、
- コミュニケーションをとることが苦ではない
- 相手に合わせたコミュニケーションがとれる
といった能力は必要でしょう。
3. 責任感が強い
保育士には子どもの安全を守り、何かあった際には適切な対処が求められるため、責任感が強い人が向いています。
例えば、子どもがケガをしたり自然災害が起きたりといった予想外のできごとはいつでも起こり得ます。
このような場合に、すばやく的確に行動することが必要です。
子どもの命を預かっているという意識を常にもち、責任をもって子どもを守る必要があるのです。
4. 物事をポジティブに考えられる
保育士にはポジティブであることが求められます。
もし仕事やプライベートで落ち込むようなことがあったとしても、子どもの前では明るくふるまうことが大切です。
それは、子どもは人の心の変化に気づきやすいからです。
大好きな先生の表情がいつもと違っていると、子どもを不安にさせてしまうこともあるかもしれません。
子どもが保育園での時間を安心して過ごせるよう、保育士はネガティブな気持ちをポジティブに切り替え、普段通り接することが必要なのです。
5. 先のことを予測して行動できる
保育士には、先のことを予測できる広い視野の持ち主が向いています。
もちろん日々子どもを保育していると、予測不可能なこともたくさんあります。
ですが、いろいろな角度から見通しを立てられると、トラブルを防いだり子どもたちをより楽しませたりすることもできるでしょう。
例えば、子どもたちの行動や興味を推測し
- ここに椅子があるとつまづいてしまいそう
- 子どもが自分で作品を飾れるような台があるとよいかも
などのようなことです。
保育環境を作ったり活動内容を考えたりするときにも役立つでしょう。
6. 子どもの気持ちを感じ取れる
子どもに寄り添った保育を実現するには、子どもの気持ちを感じ取る力が求められます。
子どもの目線に立ち子どもの気持ちを受け止める、そして一緒に考えたり一緒に悩んだりすることで、子どもとの信頼関係を育めるでしょう。
また、子どもは好奇心が旺盛でさまざまなことに興味をもちます。
その気持ちに共感し寄り添えれば、子どもの好奇心をさらに広げられます。
保育士が子どもの気持ちを感じ取ろうという姿勢が、子どもの心の成長につながるのです。
7. 忍耐力がある
保育士には忍耐力も必要です。
どのような仕事でも楽しいことばかりではありません。
- 繰り返し注意しているのに子どもたちがわかってくれない
- 思うように保育ができない
- 保護者からクレームを言われた
など、仕事を続けているとさまざまな困難に出合います。
「がんばっているのにうまくいかない」という思いから、「保育士に向いていないかも……」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
けれどもこのような困難は誰にでも起こり得るもの。
困難に耐え、乗り越えていく力があれば、きっと保育士として大きく成長できるでしょう。
8. 体力がある
子どもとふれあう保育士には体力が必要です。
全力で走り回る子どもたちと一緒に遊んだり、おんぶやだっこをしたりするためかなりの体力が求められます。
ある調査の結果、腰痛を訴える保育士は半数以上にのぼること、多くの保育士が頸や肩に痛みを感じていることがわかっています。
この調査からも、保育士という職業は身体の負担が大きいことが明確です。
それに加え、保育園ではさまざまな感染症がはやります。
保育士が感染症にかかってしまうと適切な保育ができなくなってしまうため、普段から感染症に対し十分な対策が求められます。
保育士にとって体力は非常に重要なのです。
9. 文章を書くことが苦ではない
保育士は、保育月案や週案、保護者向けのお知らせ、園だよりなど仕事の中で文章を書く機会がたくさんあります。
文章を書くことが得意である必要はありませんが、苦手意識が強いと仕事自体を苦痛に感じてしまうかもしれません。
ある程度の文章力はもっている方がよさそうです。
保育士に適性がないってどんな人?
ここからは保育士に適性がない人の特徴をみていきます。
ひとりで抱え込んでしまいやすい人
臨機応変な対応が苦手な人
恥ずかしがり屋な人
汚れることが苦手な人
「あてはまる人=保育士がつとまらない」というわけではありません。
けれどもこのような特徴がある人にとっては、保育士の仕事をツライと感じる場面が多いかもしれません。
ひとつずつみていきましょう。
ひとりで抱え込んでしまいやすい人
保育士が仕事を進めるうえで、他の職員や保護者との連携は重要です。
特にトラブル時の対処においては、ひとりでおこなうと仕事量が膨大になってしまうこともあります。
人に頼ることが苦手な人やひとりで抱え込んでしまう人には、負担が大きくなりやすいでしょう。
臨機応変な対応が苦手な人
保育士の仕事は子どもが相手です。
さまざまな予測をしていても、その通りになるとは限りません。
ときには、想像もしていないようなトラブルが起きてしまうこともあるでしょう。
このようなときに臨機応変に対応できないと、子どもや保護者を余計に不安にさせてしまいます。
また、
- 予定よりも保護者のお迎えの時間が遅くなった
- 同僚保育士が休みをとったため急遽別のクラスに入ることになった
など、日常のシーンでも臨機応変に対応しなければならないことは起こり得ます。
トラブルやイレギュラーな事態に対応するのが苦手な人にとっては、大きなストレスになってしまうでしょう。
恥ずかしがり屋な人
保育士は、子どもの前で絵本を読んだりダンスを見せたりといったことも多いです。
子どもの興味をひくためには、大きな声や楽しそうな表情など身体を大きく使って感情を表現する必要があります。
恥ずかしがり屋で人前に立つのが苦手な人は、このような場面をツラく感じてしまうかもしれません。
汚れることが苦手な人
保育園では、おむつ替えをしたりどろんこになって遊ぶ子どもにつきあったりします。
食事の時間には食べこぼしもありますし、おもらしやおねしょも日常茶飯事です。
日常的にこのような状況に対応しなければなりませんので、汚れることが苦手な潔癖症タイプの人にとってはツライかもしれません。
保育士に必要な6つのスキル
現役保育士の中には、それほど適性があるわけではないのに、長く活躍できている人もいます。
そのような人は、不足している適性を補うスキルを身につけることで、無理なく活躍しているようです。
ここでは保育士に必要なスキルを6つ紹介します。
それぞれどのようなスキルなのかみていきましょう。
1. 保育・子どもに関する知識
保育士に必須なスキルに「保育や子どもに関する知識」があります。
もちろん保育士試験に合格しているので一定レベルの知識はもっているでしょうが、保育士を続けるには、日々知識を深めスキルをアップさせる必要があります。
実際に子どもたちと接していて困ったことがあれば、その対応策を考えたり、どのように対処すればよかったのかを振り返ったりすることで、より実践的なスキルが身につくでしょう。
先輩保育士のやり方などを参考にしたり、相談したりするのもおすすめです。
2. 人間関係を築く力
保育士は、子どもや保護者、同僚などさまざまな人と良好な人間関係を築く必要があります。
人間関係の構築が得意でない人は、自分から笑顔であいさつをすることからはじめてみましょう。
それに加え、相手の話を遮らない、否定しないなどを心がけ、寄り添う気持ちを大切にしてみてください。
相手の気持ちを理解しようとしていると、おのずと相手から信頼してもらえるようになるでしょう。
3. 健康を管理する力
「健康を管理する力」の「健康」が意味するのは、自分の健康と子どもの健康の両方です。
自分が体調を崩して休んでしまうと、他の保育士にも影響が出ます。
とはいえ体調不良の状態で仕事をし、子どもに病気をうつしてしまっても大変です。
自分のためにも周囲の人のためにも、規則正しい生活をしたりストレスを発散したりして、しっかりと体調を管理しましょう。
また、子どもの体調変化にも早めに気づくことが大切です。
小さい子どもは言葉で訴えることが難しいため、保育士が体調の変化に早く気づいてあげる必要があります。
いち早く察知するには、普段から子どもの様子をじっくり観察しておくことが役立つでしょう。
4. 傾聴力
相手の話をじっくりと聞くための傾聴力を磨くことも、保育士にとっては大きな武器になります。
傾聴とは単に話を聞くことを意味するのではありません。
相手の話を否定せず、相手の感情に寄り添いながら理解しようとすることを意味します。
傾聴力を磨けば、困っている子どもの心を推測したり最適なアドバイスにつなげられたりします。
普段から子どもの目線で話を聞くことを心がけてみましょう。
5. 危機管理能力
「危機管理能力」とはトラブルを回避したり、トラブルが起きてしまったとしても最小限の被害にとどめたりする能力のことです。
例えば、床に落ちているはさみを拾ったり、壊れたおもちゃを別にしたりなど、ケガなどの危険につながりそうな些細なことにいち早く気づくことがこの能力に該当します。
危機管理能力が高ければ、トラブルやリスクを最小限に抑えられ、保護者からも信頼されることでしょう。
危機管理能力を高めるには、あらかじめさまざまなシチュエーションをイメージする、過去のミスや失敗などを振り返り原因を取り除くといった方法が有効です。
6. 事務作業に関するスキル
保育士の仕事には事務作業も多いです。
最近はパソコンを使うことも多いので、基本的なパソコンスキルは必須です。
WordやExcelなどのOfficeソフトを活用している保育園も多いので、使えるとよいでしょう。
保育士の適性がないかも…と不安な方へ
ここまで保育士の適性についてお伝えしてきました。
「やっぱり自分には適性がないみたい……」と感じてしまった人もいるかもしれません。
ですが実は、保育士の適性と仕事を続けられるかどうかは関係ありません。
ここからは「保育士の適性がないかも……」と不安を感じている方に向けて、仕事を続けるためのスタンスをお伝えします。
保育士の適性と仕事を続けられるかどうかは関係ない
繰り返しになりますが、保育士の適性がないと仕事を続けられないわけではありません。
実際、自分ではあまり適性を感じられないと思っていても、「子どもが大好き」という気持ちを大切に仕事を続けている人もいます。
仕事でミスをしたりうまくいかなかったりすると、「私には保育士の適正がないからやっぱり無理なのかも……」と弱気になることもあるかもしれませんが、適性の有無と仕事を続けられるかどうかは別問題なのです。
適性はスキルでカバーできる!スキルは経験で身に付けられる
そもそもの性格が保育士向きではなくても、経験を積み、スキルを磨けばその点をカバーできます。
ミスや失敗が起きたときにはただ落ち込んでしまうのではなく、その原因や対処法を考えてみましょう。
先輩保育士や同僚保育士に相談することで、自分とは違う考えを発見できることもあります。
逆にうまくいったときにも、その理由を掘り下げてみましょう。
このようにさまざまな経験を積む中で、少しずつスキルを身につけることができ、結果的に保育士を続けやすくなるでしょう。
まとめ
保育士にとってもっとも大切なのは「子どもが大好き」だということ。
この気持ちさえあれば十分に適性があるといえるのではないでしょうか。
もちろんこの記事で紹介したように、他にも必要とされる適性はたくさんあります。
けれども、さまざまな経験を積む中で補える部分も多いです。
ミスや失敗をしたときには、その経験を次回に活かせるようしっかりと振り返ってみるとよいでしょう。
保育士を続けるのがツラかったら転職を考えるのも◎
とはいえ保育園の環境によっては、望んでいるような経験を積めず、なかなかスキルアップにつながらないこともあります。
そのような場合には、転職を検討してみるのもひとつの方法です。
転職を検討する際は、多くの選択肢を念頭に置き、転職先を広い視野で見ることが大切です。
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自分が活躍できる現場を見つけるために、ぜひ活用してみてください。
多くの経験を通してスキルアップし、保育士という仕事を長く続けられるとよいですね。