医師が都会から地方へ転職する時に、必ず押さえておきたい4つのポイント

コロナの流行が落ち着いてきたとはいえ、大都市の病院に勤務する医師は激務が続いているのが現状です。

研修医の頃には勤務先がない、希望の専門科がない、卒業した大学にそのまま勤めた方など、理由はさまざまでしょうが都会の病院へ勤務されたという方も多いのではないでしょうか。

もともとの出身が地方だと、親の介護であったり、子どもの進学であったりと地方への移住を考えるタイミングが人生のどこかでやってくるはずです。

今すぐに地方へ転職しようと考えていない人でも、先々、転職を検討することになった際にどのような部分に気を付けるべきか知っておきたい人も多いでしょう。

これらのポイントを押さえて転職活動を行わないと転職後に「こんなはずではなかった…」と頭をかかえることにもつながりかねません。

こちらの記事では、都会から地方の病院へ転職する時に、最低限、押さえておきたいポイントを4つにまとめてお伝えしています。

この4つのポイントを知っているだけで、理想に近い転職活動をおこなうことができるようになるので最後までお見逃しなく!

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勉強会や研究会が盛んに行われているか地域どうか?

地方の病院へ転職を考えた時に気になるポイントの1つは「勉強会や研究会が盛んに行われているかどうか」です。

どのような専門科であっても、技術は日々進歩しています。

当然ながらそれらの知識や技術を学ばなければ、患者にとって最適な治療や対応を行うことは困難です。

全国的に有名な病院があったり、医療分野で先進的な取り組みを行っている地域であれば心配不要ですが、そうでない地域への転職を考えているのであれば、事前に下調べをしておくことが求められます。

転職先の地域に勤務している医師の知り合いがいるのであれば、現在、どのような状況になっているのか確認しておきましょう。

勉強会や研究会が現時点では少なくとも、今後、改善していく可能性があるのかといった話を聞けると、転職する際の検討材料にもなります。

また、インターネットが日本全国へ普及している現在であれば、インターネット上で検索することでさまざまな地域の勉強会や研究会の参加募集を確認することもできます。

エージェントの利用も

その地域に知り合いがおらず、インターネットで検索してみても勉強会や研究会が見当たらない場合には、医師向けの転職エージェントの利用を検討するのも良いでしょう。

最近では全国の病院に独自のネットワークをもち、その転職エージェントならではの情報をもっているサービスも増えています。

自分の転職を考えている地域の病院とつながりが強い転職エージェントを見つけることができれば、転職を検討するために必要な情報を獲得することができるでしょう。

特定の地域の医師転職に強いサービスであれば、勉強会や研究会の情報に限らず、その地域ならではの転職前に知っておきたい有用な情報を提供してくれます。

いくつもの転職エージェントを利用して比較することが大切です。

転職先の地域の病院数と患者数のバランス

周辺にたくさん病院があるのになぜかその病院だけ報酬が高いという時には、その地域に住んでいる住民の年齢構成比のバランスが良くない可能性があります。

通常であれば病院が数多くあれば、それぞれの病院へ患者が分散するため、医師が不足する場面は考えづらく、医師の報酬を上げずとも求人募集ができるはずです。

それなのに地域の平均年収と比べても明らかに高額な報酬が求人に掲載されている場合は、激務であることが理由で医師が集まりにくい状況が考えられます。

都会の病院での労働環境が悪く、少しでも労働時間を減らして落ち着きたいと地方への転職を考えている方は特に注意が必要です。

救急科に関しては、都会も地方も突然の呼び出しがある大変な専門科なので、忙しいと予想しやすいところはありますが、一般的に労働時間が短いと考えられている科目でも予想以上に忙しい状況になっている場合もあります。

また、高齢者の多い地域では外来診療の負担やクレームに悩まされる医師も少なくありません。

地方であればあるほど、これから高齢化がかなりの速度で進行していくことが予測されますので、検討が必要な要素の1つと言えるでしょう。

開業も視野に

こうした点を考慮した結果、求人が出ている中で自分に合う病院がない場合には開業も視野に入れて動く必要があります。

地方であれば、都市部ほど土地、建物の取得にかかる費用も高くなく、専門科によっては新設する場所次第でその地域の医療体制の不足をカバーすることにもつながるでしょう。

また、自宅兼病院という形での開業であれば、通勤時間分の時間を有効に活用できます。

自分の時間を増やすことができれば、勉強をしたり、家族との時間を増やすことができたり、QOLの向上も期待できます。

どのような理由での求人募集なのか詳しく確認を!

地方では医師が不足して求人が多く出ている傾向があるのは確かです。

しかし、求人の内容は医療機関ごとに千差万別なのでしっかりと比較検討する必要があるでしょう。

例えば、地域には知らない人がいないくらいの大きな病院なのに、なぜか周りの病院よりも高額な報酬で長期間にわたって求人が公開されたままになっている。

通常であれば、有名な病院だから競争率が高くなると考えがちです。

しかし、いくら有名な病院であっても、実際には人間関係が難しい職員がいたり、表向きは残業は少ないと公表されているが、実のところ過労死ラインを大幅に上回る働き方を求められるというケースも考えられます。

ここ最近、医師の労働環境の改善は公に少しずつ進められるようになってきましたが、実際には地方であればあるほど、昔ながらの体制を変えることができていない場所も多くあります。

この点に関しては今後、改善が進むとは思われますが、現時点では転職先の状況を確認しておくべきポイントの1つでしょう。

心身の健康が1番

都会から地方の病院へ転職するだけでも、大きく環境が変わる出来事なので心身に負担がかかります。

その上、予期せぬ人間関係や労働環境による負担が上乗せされてしまうと、体を壊してしまったり、精神を病んでしまう一因になりかねません。

地方の医療体制の充実のためにあなたの転職が寄与するのは間違いありませんが、患者さんや地域の方の診察の前に、あなたの心身の健康を維持できることが前提です。

健康な状態でなければ、困っている患者さんに対する最適な治療は難しいでしょう。

自分の専門を活かせる病院で労働環境が整っていれば、これまで培った知識や技術を最大限活かすことができ地域医療を向上させることにもつながります。

そのような最善の状況を目指すためにも、自分が無理なく、患者さんのため、地域医療のために働ける職場を見つけることが大切です。

通勤時間、買い物の利便性など、日常生活に関わる部分を忘れずに!

地方への転職を考える時に忘れがちなのが、引っ越し後に日常生活が支障なく過ごせるかどうかという部分です。

地元にある病院であったり、土地勘のある場所への転職であれば、そこまで心配はないかと思われますが、初めて訪れる地方であれば、事前確認が必須なポイントです。

特に、これまで長らく都市部で生活を続けていて、地方の状況が具体的に思い描けないという人は事前に転職を検討している場所を見ておくべきでしょう。

病院のある地域によっては、まわりは田んぼだらけで近くに何もないというエリアも存在します。

そうなると少し離れた場所から、車や電車を利用して通勤することになる場合もあります。

都会でのギュウギュウ詰めの通勤電車から開放されたくて地方に転職したはずが、実際には元と変わらない状況になってしまっては元も子もありません。

車が必須な場合も

また、住む場所に加えて、買い物できる場所が近くにあるかどうかという部分もあわせて確認しておきましょう。

都市部では24時間営業のスーパー、コンビニがすぐそこにあるのが当たり前な環境ですが、地方だと病院周辺にはまったくお店がなく、車が必須なことも少なくありません。

これまで運転する必要がなかった人が、いきなり長距離を運転するのは骨が折れるし、そもそも免許を持っていないとなると取得するところから始めなければなりません。

思わぬ形で心身に負担もかかるので、思い描いている生活が実現できるかどうか、自分の目で見て確認しておきましょう。

転職先の病院の近くに住居、物品を購入する店舗などがそろっていれば時間を無駄にすることもなく、都会にいた頃よりも生活の質を高めることにもつながります。

まとめ

都会から地方へ転職する際に最低限押さえておきたいポイントについてお伝えしました。

この4つのポイントを押さえておけば、あなたの理想に近い転職先を見つけやすくなるはずです。

医師の場合、業務に関わる知識、技術を学ぶ場が必要であったり、職場だけですべてが完結できないことが転職を難しくしている部分もあります。

とはいえ、転職の際に気をつけておくべきポイントと言われて、改めて考えてみるとそこまで多くないことに気付いたという方も多いのではないでしょうか。

転職後の勤務先の状況、勉強ができる場、交通手段、買い物ができる場所など、日常的な部分で不都合がないか確認するだけでも、転職の質はグンと上がるはずです。

いまだに古い考え方で滅私奉公して患者に尽くすべきだと語る人も多い現実があり、自分の心身を守ることは自分にしかできません。

あなたが今よりも良い環境で働き、生活できるために転職活動する時のお役に立てれば嬉しいです。

記事の執筆者
マツ

大学卒業後、車の営業として7年勤務。個人、法人、卸売と様々な形の営業を経験。
2017年から始めた自身のブログは1200記事超えるほど、とにかく文章を書くことが好き。転職、IT、教育を得意ジャンルとして活動中。
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