保育士で転職を考えている場合、
- どのタイミングで転職活動をはじめたらいいのかな?
- 仕事を続けながら転職活動ができるのかな?
- 退職については、いつ切り出したらいいのかな?
など、たくさんの悩みをもっていることでしょう。
そこでこの記事では、保育士の転職事情をまるごとお伝えします。
転職の全体像を知っておくと、転職活動を進めやすくなるでしょう。
ぜひ参考にしてくださいね。
保育士が転職する理由とは?
保育士が転職する理由はさまざまです。
待遇面や仕事についての不満、人間関係の悩みといったもののほかに、家庭との両立や家族の転勤、体力面の不安なども転職理由としてあるようです。
これは保育士に女性が多いことも影響しているのではないでしょうか。
ここでは保育士の転職理由の中でも、とくに多い3つについて紹介します。
待遇面の不満
保育士が転職する理由として、多くの人が待遇面に不満をあげています。
長時間勤務や仕事の持ち帰り、仕事量に見合わない給料などに不満を感じている保育士もたくさんいるようです。
中には「面接で聞いた待遇と違いすぎる!」というケースもあるのだとか。
国政の場で保育士の待遇改善が取り上げられるなど、保育士の待遇についての議論も活発になっています。
待遇を改善しようとしている保育園もあるようですので、納得のいく労働条件で働ける園に転職したいと考える人は多いのでしょう。
人間関係の悩み
人間関係がうまくいかないことがきっかけで、転職を考える保育士も多いです。
女性がほとんどの仕事環境において、人間関係のトラブルが生じることはめずらしくありません。
一旦、人間関係がこじれてしまうと修正しにくいため、転職を決意する人もいるのでしょう。
中には、保護者からのクレームに悩んだり、保育園の近隣住民からの苦情にツライ思いをする人もいるようです。
多くの人と触れ合う仕事だからこそ、人間関係の悩みが尽きないのかもしれませんね。
保育方針の違い
保育のプロである保育士は、自分なりの保育方針をもっています。
その保育方針が保育園の方針と異なってしまうと、仕事をやりにくいと感じたり精神的にツラくなったりすることもあるようです。
保育方針は入職前にはわかりにくいもの。
実際働いてから「こんなはずじゃなかった……」と感じる人も多いのでしょう。
保育士は転職しやすい!ニーズが高く求人数も多い
転職活動を考えている保育士にとって気になるのが「転職のしやすさ」ではないでしょうか。
そこで、厚生労働省発表の「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」を見てみましょう。
現在もっとも新しいデータが、令和3年7月の2.29倍。
これは、求職している保育士ひとりに対し2.29個の仕事があることを意味しています。
全職種平均の1.11倍に比べると、かなり高いことがわかるでしょう。
また、過去の推移を見ても、保育士は常に高い有効求人倍率を維持しています。
このデータから、保育士の転職先は豊富にあり、転職しやすい環境であると言えるでしょう。
共働きが増え保育園の需要が拡大しているため、今後も保育士の求人数は高い状態をキープすると推測されています。
保育士の転職にオススメの時期とは?年度途中の転職も可能
先ほどの「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」のグラフを見てもわかる通り、保育士の求人が多いのは1~3月頃です。
これには、保育園が新年度を見据えた計画的な採用を行うことが影響しています。
「求人数が多いこの時期に転職活動をはじめるとよいのでは?」と考える人もいるかもしれませんね。
しかし、新卒の募集も増えてくる時期なので、おのずと競争率も高くなってしまいます。
そこで転職を考える場合は、この時期より少し早めに活動をはじめるのがオススメです。
保育士の求人は秋頃から徐々に増えはじめるため、9月頃から情報を集めはじめるとスムーズに転職できるでしょう。
年度途中でも転職できる
では、保育士が年度途中に転職したい場合、希望通りに転職できるのでしょうか。
結論から言うと、年度途中での転職も可能です。
保育士はどの時期でも求人数が一定数あるため、転職できないといったことはなさそうです。
年度変わりに比べ求人数は控えめかもしれませんが、年度途中で転職活動を進めても問題ないでしょう。
転職を決意したら退職の意向はいつ伝える?
保育士の場合、新卒の求人を出す関係で、6~10月頃には来年度についての希望を聞かれることが多いようです。
希望を聞かれた段階で年度末での退職意思が固まっているようなら、このときに伝えるのがスムーズです。
この時期を逃した場合や年度末以外での退職を希望する場合は、発表会や運動会などの大きな行事が終わったあとに話を切り出してみてはいかがでしょうか。
というのも、行事が一段落ついた時期なら、園長や主任保育士に時間を取ってもらいやすいからです。
引き継ぎなどのことを考えると、退職を希望する日の2~3か月前までには、退職の意向を伝えられるとよいでしょう。
保育士の転職活動3ステップ
保育士の転職には平均3か月程度の期間が必要です。
保育士の場合も、一般的な転職活動と同じような流れで進みます。
ステップごとにやることや注意点を紹介します。
求人情報を集める
転職活動をはじめるとき、最初にするのが求人情報を集めることです。
求人情報を集める手段には以下のようなものがあります。
- ハローワーク
- 保育園などのHP
- 求人誌
- 求人サイト
- 人材紹介サービス
転職する場合、自分で積極的に情報を集めることが大切です。
雇用条件や福利厚生、自分がやりたい仕事内容など、自分が転職先に求める条件を明らかにしておくと、情報を集めやすいでしょう。
できるだけ多くの情報を集めたいと考えているなら、転職サイトを利用するのもひとつの方法です。
一般的な転職サイトのほか、保育士に特化した転職サイトもたくさんあります。
どちらのサイトにも保育士の求人はたくさん掲載されているので、転職活動をはじめるときには登録してみてはいかがでしょうか。
応募する
気になる求人を見つけたら、早速コンタクトを取りましょう。
多くの場合、応募には履歴書や職務経歴書が必要です。
履歴書には、自己PRや志望動機などを記載します。
指定がない限り、手書きで丁寧に書きましょう。
園の保育方針やカラーを理解した上で、自分の気持ちを前向きに書くことが大切です。
職務経歴書には、学歴や職歴を記入します。
職務経歴書に関しては、パソコンでの作成を認める保育園も多いようです。
履歴書や職務経歴書は、応募する保育園に合わせて作成したものを用意しましょう。
応募書類の用意は面倒に感じる人が多いもの。
しかし、ここで手を抜かず丁寧に作成することで、面接につながりやすくなります。
がんばって作成してくださいね。
面接を受ける
保育士の転職において、もっとも重要なステップが面接です。
書類からはわからない人柄や熱意は、保育士の転職において大きく評価されるポイントなのです。
新卒採用のときと同じように、基本的なマナーや身だしなみも大切です。
それに加え転職面接では、今までの経験やそこから得た知識や能力にも注目されます。
今までの経験を振り返り、具体的なエピソードとして話せるよう、自分なりにまとめておくとよいでしょう。
面接では自己PRや志望動機、転職理由のほか「何か質問はありませんか?」と逆質問をされることもあります。
自身の意欲を見せられるポイントでもありますので「とくにありません」という回答は避けたいところ。
入職までに学んでおくことや保育方針に関することを質問すると、意欲をアピールすることにつながります。
面接前にあらかじめ逆質問を考えておくとよいでしょう。
働きながら転職活動する場合は?
ちなみに、働きながら転職活動をする場合、面接日の調整に苦労する人も多いようです。
応募先に在職中であることを伝えておくと、平日の夕方遅くや休日に日程を調整してもらえる可能性があります。
それが難しければ、現在の勤務先に休みを申請して面接に行くことも考えましょう。
転職に不利かも…こんな保育士でも転職できる?
一般的に転職に不利と言われる、新卒3年未満や40代以上という条件。
このような条件でも、保育士は転職はできるのでしょうか。
新卒3年未満でやめた保育士の場合
新卒3年未満の保育士でも、保育園に転職することは可能です。
むしろ、新卒3年未満であることを魅力に感じる園も多いようです。
新卒3年未満の保育士が保育の現場で重宝されるのには、以下のような理由があります。
- 新卒者のようにイチから教育をする必要がない
- 年齢が若いので体力がある
- 長く働いてくれる可能性が高い
保育士において新卒2~3年での転職は、まったく不利にはならないようです。
しかし、転職先の園としては「またすぐにやめられるのではないか……」といった不安も感じています。
そのため、面接ではほぼ必ず「前の職場を辞めた理由」を聞かれます。
いくら事実であってもネガティブな話をするのは避け、できるだけポジティブな内容に変換すると、面接で好印象を与えられるでしょう。
40代以上の保育士の場合
40代以上の保育士でも、もちろん保育園に転職できます。
保育士は慢性的に不足しているため、40代で保育士資格を取得した人でも、保育士としての求人はあるようです。
ただし、若い世代に比べると求人数は減ってしまいます。
40代以上の保育士で転職をしようと考えている場合は「難しい転職活動になるかもしれない」と覚悟しておきましょう。
ニーズや求人があるとはいえ、40代以上の保育士の体力面に不安を感じる保育園も多いです。
また、保育園側としては「若い保育士に指導されることに抵抗があるのではないか」「親の介護などで仕事を続けられなくなるのではないか」といった不安もあるでしょう。
面接では、こういった園が抱く不安に先回りして、その不安を解消できるようなアピールを目指してはいかがでしょうか。
40代ならではの豊富な人生経験もアピールポイントです。
若い保育士にはない魅力を伝えるなど、園の不安を払拭できる工夫が必要でしょう。
実は40代以上の保育士は、保護者からのニーズが高いと言われています。
「自分より年齢の高い保育士に相談したい」と考える保護者が多いことがその理由です。
ぜひ頼りになる40代保育士を目指して、転職活動を進めてみてくださいね。
まとめ
保育士はニーズが高いため、年齢や経験が足枷になることは少なく、転職しやすいようです。
とはいえ、勤務条件や保育方針などが自分に合う保育園を見つけることは難しい場合もあるでしょう。
転職を考え始めたら早めに情報収集を行うなど、積極的に行動してみてくださいね。
納得できる場所で、あなたらしく輝けることを祈っています。