子持ちで転職するときには、普通の就職のときとは異なる注意事項があります。
身だしなみや言葉遣いはもちろんですが、特に重要になるのは面接の際の受け答えです。
子供が病気のときの対応やパートナーや家族のサポート体制など、子供を持つ女性が転職の面接でよく聞かれる質問を紹介し、就職に成功するための答え方を解説します。
子持ちの転職面接で成功率を上げる方法は?
子供の有無にかかわらず、企業は面接でその人が求める人材なのかを知ろうとします。
社会人として当たり前のマナーを守り、仕事に対する自身の向き合い方を伝えられるようにしておきましょう。
今後のキャリアビジョンを明確にする
面接での基本的な質問として、「どんなキャリアプランを持っているのか」があります。
子供を持つ女性の場合も明確に答えられないと、働く意欲が低くすぐに辞めてしまうのではないかと危惧されてしまいます。
面接を受ける企業でどんな仕事をしたいのか、どんなポジションにつきたいのかなどを具体的に話すと高評価です。
即戦力になることをアピール
やりたい仕事が明確でも、転職ではその分野で即戦力になるかどうかも評価のポイントとなります。
これまで積み重ねた社会経験は貴女の強みです。
仕事に役立つ、自身の専門知識や技術を具体的にアピールしましょう。
成果を数字で示すことができると、即戦力として認められやすくなります。
スキルを示せる具体的なエピソードもあると望ましいです。
一方で、自身の培ったものだけにこだわらない、新しい環境への順応性もアピールポイントになります。
「部署で初めて表彰された」「前年比○%の売り上げアップ」など具体的な成果と、どの立場で貢献したかといった情報は、子持ちに限らず必ず面接で伝えておきたい事柄です。
口調と身だしなみはビジネスモードに
子供と一緒に生活していると、いつの間にか生活感のある服装や言葉遣いになっていることがあります。
面接では、良くも悪くも視覚的情報によってバイアスがかかることは否めません。
面接の際は、黒や紺などの無難な形のスーツを着用しましょう。
インナーに白か薄いブルーの襟つきブラウスを選ぶと、清潔感が出て顔映りも明るくなります。
髪が長ければ肩の長さほどに切るか、一つにまとめるのが正解です。
白髪染めをする場合は明るすぎる色は面接向きではないのはもちろん、老けて見える原因にもなるので注意しましょう。
話すときは、大きな声で落ち着いて話します。
「えっと」「あの」などの言葉を何度も繰り返してしまったり、語尾を伸ばすクセがあったりする場合は、意識してビジネスモードに切り替えることが大切です。
子持ちの転職面接でよく聞かれる質問4選!
子どもを預けられる環境か?
履歴書に、子供がいることを書くことは大切です。
その上で面接に呼ばれているなら、子供がいること自体は問題ではありません。
しかし、母親が仕事をしている間子供を預けられる環境の有無には、仕事に支障をきたさないために会社は関心を持ちます。
この質問を受けた場合には、子供の年齢に合わせた受け答えが必要です。
小学生以下の子供なら、保育園などどこで何時まで預かってもらえるのかを伝えます。
送り迎えの手段や家族との分担についても話しておくとよいです。
小学生以上の場合は学童保育の利用の有無や、その他のサービスの利用状況や予定について伝えておきます。
高校生以上なら、ほとんどの場合手はかからないことを伝えましょう。
近所に住む両親や義父母、夫のサポートなど子供が安心して過ごせる環境があれば、子持ちであることが不採用の理由になる確率が下がります。
子どもが急な病気になった時の対応は?
社員の急な欠勤は、会社の仕事を滞らせてしまいます。
そこで、面接官は子供が急病になったときの対応を尋ねてくるかもしれません。
近所に自身や夫の両親などの身内がいて、対応してもらえるときはそのことを伝えます。
しかし、孤軍奮闘しながら子育てを頑張っている女性も多いはずです。
そのときは会社を休んで自身が面倒を見なければならず、会社に迷惑をかけることがあるという事実をありのままに伝えます。
夫や周囲の協力が得られないなどの、ネガティブなイメージを与える言葉は慎みましょう。
また「ワンオペ育児」などの、育児にあまり関わらない人にとってわかりにくい表現はビジネスシーンに適した言葉ではありません。
このときの面接官の対応によって、社員の子育てに協力的な会社か否かを判断することもできます。
パートナーの理解は得られているか?
子持ちの転職では、夫や家族の子育てに対する姿勢について聞かれることもあります。
子育てに協力的な会社だったとしてもどうしても職場を抜けられない業務はあるので、妻が働く場合の夫の理解と子育てへの参加は不可欠だからです。
働くことへの夫の考え方
ストレートに、妻が働くことに対する夫の考えを聞かれることもあります。
- 理解があり、保育園の送り迎えの担当などを決めている
- 土日や祝日は夫が休みなので、休日出勤があっても夫が子供の面倒をみてくれる
といった具体的な夫の家事育児への参加体制を伝えると好印象です。
夫の職業や勤務時間などから、子育てへの参加度を測ろうとすることもあります。
その場合は「夫が公務員で仕事が早く終わることが多い」「希望休がとれるので保育園の行事に参加ができる」など、子育てに有利な条件を伝えましょう。
家族で助け合える環境かどうか
自身や夫の実家がある場所などを聞かれることもあるかもしれません。
これも勤務中に子供を預かってもらったり、病気など緊急の場合に対応してもらえたりするかなどの家族のサポートの有無を知るための質問です。
どちらかの実家が近く協力を得られる場合には、具体的に援助してくれる人がいることを伝えます。
緊急時の対応を自身でしなければならないときは迷惑をかける可能性について伝えますが、行政のファミリーサポートや病児保育への登録が済んでいるなど長期にわたって休むことはない旨も同時に知らせます。
問題の解決に長けた人材であることが伝われば、むしろ印象がよくなることもあります。
小さな子供の急な発熱などへの対応は、子育て経験者なら誰もが通ってきた道です。「お互い様」であるため萎縮はせずに、具体的な解決手段を熟知・利用していることをアピールしましょう。
二人目、三人目の出産希望は?
一人ならまだしも子供が増えると働けなくなるかもしれない、と考える企業もあるかもしれません。
多くの女性が面接の際二人目、三人目の出産希望を聞かれているのが現状です。
その際には、次のような対応がおすすめです。
実は法律違反の質問だが…
「次のお子さんのご予定は?」などの質問は、性別を理由とした差別を禁止する「男女雇用機会均等法」に抵触します。
この質問をする会社は制度が整っておらず、産休や育休を取得しにくい会社である可能性があります。
この質問が法的に問題だということが社内に浸透していないケースもあります。
法律や国のガイドラインなどに疎い会社は、面接のルール以外にも違法行為をしている可能性も考えられるでしょう。
長く働きたい前提で答えよう
法律に違反しているとはいえ、面接の質問には何らかの答えを伝えることが望ましいです。
しかし、法律を持ちだせば角が立ちます。
子供をつくる予定がなければ、その旨を伝えればOKです。
子供を持つことを希望している場合でも、「すぐに持つことは考えていない」ことと「二人目、三人目が生まれても働く意思がある」ことを伝えると会社の安心材料になります。
「腰を据えて働きたい」などとつけ加えるのもよいでしょう。
万が一予定外の妊娠をしたとしても、会社はそれを理由に不利な扱いをすることはできません。
質問されなかったとしても前述したように家族のサポート体制や子育てで利用する予定のサービスなどについて説明することも、長く働きたいという姿勢を伝えるのに役立ちます。
まとめ
子供がいることについては、書類提出の時点で履歴書の備考欄などで伝えておきましょう。
子持ちの面接で企業が知りたいのは、子育てをしながらも働き続けることができるか否かです。
質問には正直に、仕事に対する熱意も伝わる答え方をしましょう。
面接は、就職を希望する側が会社を見極めるための機会でもあります。
社員の子育て支援に積極的な会社なら、長く働きやすいといえるでしょう。
もし機会があれば、子育てをしながら会社で活躍している現役社員とのカジュアル面談の場を設けてもらうのも効果的です。職場での協力体制や本音を探るチャンスです。