厄年というと災難に見舞われ、暗い一年を過ごすイメージを持っている人も多いでしょう。
厄年に該当する年を迎えると、気分的にも「今年は悪いことが降りかかるかも」とナーバスになってしまうものです。
まずは、厄年についての理解を深めることが大切です。
ここでは、厄年の過ごし方や厄払いの方法、厄除けの贈り物についてご紹介します。
厄年とは
新しい年を迎え、初詣などで神社を訪れた際に厄年の早見表を目にしたことがある人もいるでしょう。厄年の風習は平安時代に日本に伝わり、江戸時代に一般化されて広がったと言われています。
厄年は本来還暦などのように、「おめでたい年」と認識されていました。しかし、おめでたい年は同時に人生の転機とも重なることが多く、思わぬトラブルが起きやすいことから「予期せぬ災難や不幸が降りかかりやすい」年として、厄年の考え方が広がっていきました。
人生の変化や転機に訪れる
日常の中で順風満帆な時もあれば、何もかも上手くいかずに落ち込むことは誰しも経験することです。人生は良い時もあれば、悪い時もあります。厄年は中でも「上手くいかなかった」「災難ばかりが降りかかる」「体調を崩した」という災難や不幸に見舞われることが多く、注意が必要な年を表したものです。
年の初めに確認することで、「今年は厄年だから気をつけよう」「平穏に過ごせるよう注意しよう」と気を引き締めることが厄年と付き合う上で重要です。厄年は就職や結婚、出産などのライフステージの変化や健康の変化が起きやすい年でもあります。体調を崩したり精神的に不安定になりやすい時期でもあるため、そうした変化の年を平穏に過ごせるように注意を払う上でも厄年がいつなのかを知っておくと良いでしょう。
数え年で決まる
厄年は満年齢でなく、数え年で決まります。一般的に使われている年齢の数え方は、生まれた日を0歳として数えるものです。一方、数え年は生まれた日を1歳としてカウントします。さらに、お正月が来ると1つ年を取るという特徴があります。
例えば11月1日に生まれた場合、その時点で1歳と数え、2ヶ月後の1月1日を迎えると2歳と数えることになります。神社によってはお正月からではなく、節分の翌日である立春から1つ年を重ねると考えることもあります。
満年齢は誕生日を重視するのに対し、数え年の場合は何年生まれか、つまりは暦がポイントです。年度で考える必要がないため、早生まれなどは関係なく何年生まれかで判断します。
男女の厄年の違い
厄年は、男女によって該当する年が異なります。さらに注意すべきなのは、厄年が3年に渡って続くという点です。
厄年は一般的に本厄と呼ばれる年が該当しますが、それ以外にも本厄の前後一年ずつは本厄の影響を受けやすいとされ、前厄と後厄として気をつけるべき年とされています。
そのため、本厄を含めた3年間が厄年とされています。
女の厄年はいつ?
女性の本厄は19歳、33歳、37歳、61歳の4回訪れます。中でも33歳の厄年は「大厄」と呼ばれ、最も災いが大きいと言われています。前厄は18歳、32歳、36歳、60歳で、後厄は20歳、34歳、38歳、62歳です。
男の厄年はいつ?
男性の本厄は25歳、42歳、61歳の3回です。中でも42歳は「大厄」と呼ばれ、特に災いが大きいと言われています。前厄は24歳、41歳、60歳で、後厄は26歳、43歳、62歳です。
厄年に気をつけるべきこと
できれば災難や不幸には遭いたくないですよね。厄年だということを意識すると、余計に災難や不幸に敏感になり、小さなことでも「厄年だから?」「もしかしたらもっと災難に遭うかも」と不安になってしまう人もいるでしょう。
あらかじめ厄年に気をつけるべきことを知っておくと安心です。
大きな決断はしない?
厄年の間は結婚や引っ越し、転職など人生の転機となるような大きな決断は避けた方が良いと言われています。しかし、これは根拠があるわけではありません。厄年に相当する年齢はライフステージの変化が起こりやすく、人生の大きな決断をする年齢でもあります。
そのため、より慎重に決断するよう促す意味を持つと考えられます。特に女性の厄年は30代に2回迎え、前厄、後厄を含めると30代のほとんどが厄年ということになります。結婚や出産を経験する人も、仕事で重要な役を任される人も増える時期ではないでしょうか。
そのため、厄年だからと決断を避けるのではなく、厄年をきっかけに自分を見つめ直し、良い方向に変えるチャンスと捉えることもできるでしょう。
一方で、地域によっては結婚や出産、家を建てることは厄を落としてくれるとみなす場合もあります。新たな行動によって厄を遠ざけるという考えであり、考え方次第で大きな決断が厄払いになるということを示しています。厄年だからと必要以上に怖がらず、むしろ厄払いになると考えれば大きな決断にもしっかり向き合えるでしょう。
また、厄年は「役年」という考え方もあります。これは知識や経験を積み、実力が身について誰かの役に立てる年になったという考え方で、一人前の人間になったという意味を持つものです。そう考えると、厄年だからと何もかも暗く否定的に考える必要はないように思えてくるでしょう。
考えすぎない
厄年という言葉が持つ負のオーラに圧倒され、何につけても「厄年だから」とネガティブに考えてしまう人もいるでしょう。周囲の人から「厄年は本当に大変だった」と聞かされた経験がある人も多いかもしれません。そうした経験談から余計に厄年に対して過剰反応してしまうこと、これこそが厄年において最も気をつけるべきことです。厄年であることを「考えすぎない」ことが何より大切です。
病は気からという言葉があるように、全てを厄年だからと厄年であることに惑わされてしまうと、大事なチャンスも逃してしまう結果になりかねません。あくまでも体調や健康を崩しやすいから気をつける年、油断してはならない年という程度にとどめ、厄年であることを気に病みすぎないことが厄年を過ごす上で最も大切なポイントです。
失敗して落ち込んだ時には「厄年だから」と言い訳に使わせてもらい、大きな決断を迫られた時には「厄年だから慎重に考えよう」とじっくり向き合うなど、厄年をうまく活用していきましょう。
厄払いをするには
「どうしても厄年が気になる」「どんな厄が降りかかるか不安で仕方ない」という人には、厄払いがおすすめです。
厄を払って、すっきりした気持ちで1年を過ごせるでしょう。
厄払いをする場所と時期
厄払いは、災いを祓うために祈祷や祈願を受けることを意味します。厄払いをする場所は神社が一般的です。厄年の厄払いを受ける時期は、元旦から節分までに行うことが一般的でしょう。
しかし、転職や家の新築などの大きな決断の前や災難が続く時に厄払いを受けることもあるため、神社では1年を通して受け付けているところがほとんどです。神社に問い合わせた上で、都合の良い時期に行くと良いでしょう。
厄払いの相場
厄払いの初穂料は、5,000~10,000円が相場です。地域や神社にもよりますので、事前に問い合わせると安心です。
厄払いをする時の服装
厄払いを受ける時の服装に、特に決まりはありません。普段着でも問題はありませんが、派手な格好やだらしない格好は避けた方が良いでしょう。
厄年の人への贈り物おすすめ
厄年の人へ贈り物をするのであれば、「無事に厄年を過ごしてください」という思いを込めて、厄除けの品を贈るのがおすすめです。
古くから、厄年を迎える人に厄除けとして長いもの、七色のもの、うろこ模様のものなどを贈ると良いと言われています。厄除けとして肌身離さず身につけられるものを贈ると良いでしょう。
女性への厄除けおすすめ
身につけられる長いものとして、マフラーやスカーフ、ベルトなどを贈ると良いでしょう。また、着物を着る人には帯や組紐を贈るのもおすすめです。
ブレスレットやネックレスを贈るのも良いでしょう。うろこ模様があしらわれた小物入れや財布も厄除けの品として人気です。
男性への厄除けおすすめ
厄年を迎える男性への贈り物としては、ベルトやネクタイがおすすめです。また、うろこ模様の財布や名刺入れ、定期入れも身につけられるため喜ばれるでしょう。
厄年と上手に付き合おう
人生の節目として、厄年はその役割を担ってきました。厄年と聞くと、これからどんな災難や不幸が降りかかってくるのかと心配になるかもしれません。
しかし、七五三や成人式などのように、人生の一つのタイミングとして必要以上に不安に思うことなく上手く活用していくことが大切です。
厄払いや厄除けなど厄を避ける方法やアイテムで、厄年を上手く乗り切っていきましょう。