葛根湯とは?葛根湯に効く症状・効果的な飲み方・注意点など紹介!

葛根湯という言葉ですが、身近ではないものの耳にしたことはあるのではないでしょうか。

しかし、実際に服用したことはないという人や、どういったものか知らないという人も多いかもしれません。

漢方の中では有名どころの葛根湯は、主に風邪の引き始めに効くと言われていますが、それ以外の症状にも効果が期待できます。

ここでは、葛根湯がどういった薬か、何に効果が期待できるかを紹介します。

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葛根湯とは?

風邪の引き始めなどに効果があると言われている葛根湯。耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。

でも、実際にどういうものなのか、漢方ということくらいしか知らない人も多いでしょう。

7種類の生薬を配合

葛根湯は漢方の一種です。漢方は複数の生薬を組み合わせることで、その人の体質や症状に適した薬が処方できるのが特徴でしょう。葛根湯には7種類の生薬が含まれており、その構成生薬は、「葛根」「麻黄」「桂皮」「芍薬」「生姜」「大棗」「甘草」の7種類です。「葛根(カッコン)」は、解熱の薬効を持ちます。字が示す通り、葛という植物の根が使われています。「麻黄(マオウ)」の薬効は鎮咳、去痰、発汗、解熱です。「桂皮(ケイヒ)」は、発汗、鎮痛、解熱の薬効を持ちます。桂皮はシナモンとして知っている人もいるでしょう。

「芍薬(シャクヤク)」は花としても有名ですが、生薬としても活用されています。鎮静、鎮痛、抗炎症作用が主な薬効です。「生姜(ショウキョウ)」は料理にも使用されるショウガのことであり、健胃、体を温める効果を持つ生薬としても使用されています。「大棗(タイソウ)」は、ナツメの果実の部分で、利尿の効果があります。「甘草(カンゾウ)」は鎮痛、解毒の薬効を持ち、甘みがあるのが特徴で、生薬同士の調整を司る役割も持ちます。

これらの生薬を組み合わせて処方される葛根湯は、体を温め、発汗を促し、胃腸など体の内側から栄養摂取をサポートすることで自己治癒力を高め、風邪の治癒を早める役割を果たします。

>>クラシエの漢方より引用

葛根湯はいつから飲まれているの?

葛根湯は漢方の古典である傷寒論(しょうかんろん)という書物に記されています。後漢の時代の医師、張仲景がまとめたものです。つまり葛根湯は中国では2世紀末から飲まれていたことが分かります。

>>くすりの博物館より引用

漢方薬とは?

「苦い」「美味しくない」というイメージのある漢方薬ですが、「良薬口に苦し」という言葉があるように、古くから日本では薬として親しまれてきたものです。

自然の素材「生薬」を組み合わせた薬

漢方薬は、基本的には2種類以上の生薬を、定められた分量で組み合わせてできたものです。生薬には様々なものがあり、自然界にある植物の根や葉、種子、果実などのほか、鉱物や動物の皮や角などが挙げられ、その多くは切ったり乾燥したり蒸したりなどの加工がされています。生薬の数は200を超えるものです。これらの生薬は漢方医学の考えに基づいて処方されています。

>>クラシエの漢方より引用

西洋の医薬品との違い

西洋の医薬品の方が身近だと感じる人は少なくないでしょう。病院で処方される薬の多くは西洋医学に基づいて処方された薬です。飲みやすさや即効性などから信頼を置いている人も多いのではないでしょうか。漢方薬と西洋の医薬品との違いは、薬の形状や効き目の違いを挙げる人もいるかもしれませんが、何よりも治療の対象が何かという点において大きな違いがあります。

西洋医学では、症状を聞いたり検査したりすることで病名を明らかにすることを重視します。病名を明らかにすることで治療方針が定まるため、西洋医学での治療の対象は、「病気」そのものです。一方漢方医学では、病気に対する体の反応を重視します。病気そのものではなく、治療の対象は「病気を持つ人」と考える点が大きな違いです。漢方薬は病気そのものではなく、その人の体型や体力、体質など、生活スタイルを含めた様々な要素から薬を処方します。そのため、同じ症状でも処方される薬が異なることがあるのです。

>>クラシエの漢方より引用

葛根湯に効く症状は?

漢方薬は一つの薬に様々な生薬が含まれているため、その効果は一つに留まりません。

葛根湯も例に漏れず、様々な効果が期待できます。

風邪の引き始め

葛根湯の代表的な効果として挙げられるのが、風邪の引き始めへの効果です。葛根湯は寒気、発熱、頭痛、鼻炎などの症状に効果が期待できるため、風邪の引き始めに適した漢方薬と言えるでしょう。特に、悪寒はするけれど汗は出ないという場合に有効だと言われています。

風邪のとき、寒気とともに熱が上がり、汗が出て熱が下がったら治ったという経験がある人もいるでしょう。熱が上がるのは、ウイルスの増力を防ぐための免疫機能によるものです。発熱することで免疫機能が活性化され、ウイルスと戦います。

悪寒は発熱の前触れであり、ウイルスが体の中に入ってきているのを排除しようと働き始めていることを意味します。しかし、悪寒はするけれど汗は出ないという状態は、汗が出るほど熱が上がっていない状況と言えるでしょう。そのため、葛根湯を飲むことで発汗を促し、免疫機能を高める役割を果たします。また、風邪に伴って鼻炎や頭痛に悩まされることも少なくありません。葛根湯はこうした風邪の初期症状にも効き目があると言われています。

>>クラシエの漢方より引用

肩こり

葛根湯は、首の後ろのこわばりにも効果が期待できる漢方薬です。そのため、冷えなどでうなじや背中が緊張して肩こりが起こっているときにも、症状を和らげてくれます。これは葛根湯の持つ体を温める作用が血管を拡張し、血流を良くすることで、首の後ろのこわばりや肩こりへの効果が期待できるからです。

また痛みを緩和させてくれる効果のある生薬が含まれているため、肩こりでしびれるような痛みを感じる場合や寝違えにも適しているでしょう。

筋肉痛

激しい運動を行ったあとなど、筋肉の痛みを感じることがあるでしょう。これは筋繊維が修復する間、炎症による痛みが生じるためです。葛根湯は血流循環の改善や、痛みを軽減させる効果が期待でき、筋肉の炎症による痛みを緩和してくれるでしょう。

>>クラシエの漢方より引用

葛根湯の効果的な飲み方は?

葛根湯を服用する場合は、できるだけ風邪の初期に飲むことが大切です。喉の違和感や頭がぼーっとするなど、風邪を引いたかな?と思ったときに服用することで、風邪を長引かせずに済みます。

葛根湯は薬局でも手に入り、細粒タイプや錠剤タイプ、液剤タイプなど様々な商品が展開しています。各商品によって用法・用量が異なるため、各商品の用法・用量をよく読んで服用することが大切です。

ここでは葛根湯の効果的な飲み方として、基本的な飲み方を紹介します。

水や白湯で飲む

顆粒や細粒、錠剤などの葛根湯は水や白湯で服用します。水や白湯の量が少ないと薬が喉にはりつく可能性があるため、コップ一杯程度の水、または白湯で服用しましょう。

空腹時に飲む

基本的に食事の30分~1時間前の「食前」、または食事と食事の間である「食間」に服用します。食後の服用は、食べ物に含まれるブドウ糖によって薬の成分が吸収されにくくなることがあります。胃に食べ物が入っていない時間に飲むことで、薬の効果が期待できるでしょう。

>>クラシエの漢方より引用

葛根湯を飲むときの注意点は?

葛根湯は市販薬も販売され、手に入りやすいとはいえ、薬には代わりありません。

服用する際にはいくつか注意が必要です。

他の薬との併用に注意

葛根湯には7種類の生薬が含まれています。中には血圧の薬に影響を与える可能性があるものもあります。また、ぜんそく治療薬、甲状腺製剤は併用に注意する必要があるため、注意しましょう。

葛根湯に含まれる「麻黄」や「甘草」は市販の風邪薬にも含まれるもののため、市販の風邪薬や解熱剤を併用すると成分の重複により効果が強く出たり、副作用が出たりする恐れもあります。

妊娠中や子どもは注意

葛根湯には「麻黄」や「桂皮」といった、妊娠中や授乳中は避けた方が良いとされている成分が含まれています。そのため、妊娠中の服用には注意しましょう。

子ども用の葛根湯もあるため、年齢や用法、用量を確認して服用することが大切です。ただし、漢方薬は苦味もあるため、飲みたがらない子もいるかもしれません。漢方薬を含め薬に対し苦手意識を植え付けないためにも、服用の際は工夫が必要でしょう。医師とも相談して服用することが大切です。

>>クラシエの漢方より引用

上手に葛根湯を活用しよう

風邪の引き始めだけでなく、肩こりや筋肉痛にも効果が期待できる葛根湯。漢方の歴史は古く、6世紀ごろには日本に伝わり広がっていきました。歴史がある分、効き目もお墨付きと言えるでしょう。

何でもかんでも葛根湯で対応できるわけではありませんが、上手く活用することで、日常のちょっとした不調が改善するなら、これほど心強い存在はないですよね。

葛根湯をいざというときの頼れる存在として常備しておくのも良いでしょう。

記事の執筆者
LS編集部

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