睡眠不足になると、体の疲れを十分にとることができなくなり、肉体的だけではなく、精神的にも不調が現れてきます。また生活習慣病にかかるリスクも高くなると言われています。
このことから日常的に寝不足だと感じている場合は、睡眠不足を解消する必要があります。
この記事では睡眠不足が原因で引き起るさまざまな悪影響や、睡眠不足を解消するコツなどをご紹介します。
睡眠不足に悩む現代人が多い理由
平均睡眠時間
日本人のほとんどが睡眠不足と言われています。睡眠時間は年齢や体質・性別など個人的な要因が大きく左右するのですが、平成28年度の総務省統計局の調査によると、日本人の平均睡眠時間は、7時間42分ということがわかりました。
平均睡眠時間の一番長い都道府県は、秋田県の8時間2分になり、一番短い都道府県は、神奈川県の7時間31分となっており、地域によっても平均睡眠時間は異なります。
また、世界の主要国29カ国の中では、韓国に次いで日本は2番目に睡眠時間が短いという結果になっており、日本は世界的に見ても睡眠時間が短いということになります。
現代人は夜型
昔に比べて、インターネットなどの娯楽が増えているので、夜型の生活になりがちです。睡眠時間を削って、インターネットゲームや、夜に出歩いて遊ぶなどといったことを繰り返していると、慢性的な寝不足になってしまいます。
睡眠時間が足りていないと自律神経が乱れてしまい、体調不良などを引き起こす要因にもなります。
睡眠不足が重なるとどうなる?
睡眠不足の悪影響
きちんと睡眠をとることができていないと、当たり前ですが日中に睡魔が襲うようになります。睡眠不足になると、集中力や判断力・記憶力の低下につながり、仕事や勉強などのパフォーマンスが低下してしまいます。
また睡眠不足は、ストレスを増大させてしまう恐れもあります。人間は睡眠によって、頭の中にある情報を整理するのですが、ストレスも同じで睡眠中に整理されます。このことから睡眠をきちんととるとストレスを蓄積せずに軽減させることができます。
しかし寝不足の場合は、ストレスが整理できずにため込んでしまうので、少しのことでもすぐにイライラしたり、怒りっぽくなったりします。
睡眠不足は、自律神経が乱れる原因になり、免疫機能を担う白血球の働きを悪くさせるといった免疫力の低下も招きます。睡眠時間が7時間未満の人は、8時間以上の人と比べて2.94倍風邪をひきやすい傾向にあると言われています。
睡眠不足が招く疾患
睡眠不足の人は肥満になりやすくなると言われています。睡眠不足によって代謝が低下し、脂肪をエネルギーとして消費できなくなるので、体重が増えやすくなるのです。
また睡眠不足になると、食欲をコントロールしているホルモンの分泌が乱れるので、間食するようになり、結果的に体重が増えてしまうことになります。
そして肥満になると生活習慣病を発症するリスクが高まることがわかっています。生活習慣病とは糖尿病や高血圧症・高脂血症などの疾患です。
これらの疾患は動脈硬化を引き起こす要因となり、心筋梗塞や狭心症などの心疾患や脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患のリスクが高まります。
睡眠不足を解消するコツは?
寝る前にブルーライトを浴びない
スマホやパソコンなどから放出するブルーライトは、睡眠の妨げになります。夜になると人間の体内にはメラトニンというホルモンが分泌され、体温を下げて眠りを促します。
しかしブルーライトを浴びることで、メラトニンの分泌が抑制されることになり、寝つきが悪くなってしまいます。寝る前にはパソコンやスマホの操作を控えるように意識することが大切です。
また最近ではパソコンやスマホにブルーライトカット機能が搭載されていることが多いので活用すると良いです。
適度な運動をする
適度に体を動かすようにすると睡眠不足を解消することができます。運動には睡眠を促す効果があるので、寝つきが良くなり、質の高い睡眠をとることができると言われています。
1回の運動だけでは効果があまりないので、日常的に運動をするように心がけるようにしましょう。但し激しい運動は睡眠の妨げになることもあるので注意が必要です。
ウォーキングや早や歩きの散歩などの有酸素運動を積極的におこなうようにすると良いです。
運動をするタイミングも重要になり、夕方から夜(就寝の3時間くらい前)が効果的だと言われています。就寝前に運動をおこなうと、脳が活性化されてしまい寝つきが悪くなるので、就寝前には運動などをせずに体をリラックスさせるようにしましょう。
適時に適温で入浴する
入浴は睡眠と深い関係があります。すみやかに寝るためには自律神経のバランスを整えることが大切です。自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経は体を活性化させる働きがあり、副交感神経は、体をお休みモードにする働きがあります。
このことから交感神経が優位に立っている場合は、寝つきが悪くなり、副交感神経が優位になっている場合は、自然と眠りにつくことができます。
体をお休みモードにする方法の1つに入浴があります。入浴するタイミングが重要になり、朝や昼などの時間帯ではなく、夕方や夜の入浴が効果的です。
深い睡眠をとるには就寝直前の入浴が良いとされているのですが、逆に寝つきが悪くなってしまうこともあります。寝つきを優先させると就寝の2から3時間前に入浴することをおすすめします。
またお湯の温度も大切なポイントです。あまり熱さを感じない程度(38度から40度)にゆっくりと湯船につかるようにします。湯船につかることで、リラックス効果が高まり、副交感神経を優位にさせることができます。
寝る直前に42度ほどの熱いお湯につかると交感神経を優位にさせてしまうことになり、睡眠の妨げにつながるので注意しておきましょう。また半身浴も寝付きの効果が認められているので、自身に適した入浴方法を選ぶようにすると良いです。
睡眠不足を解消するおすすめグッズ
睡眠の質を上げるハーブティー
ハーブティーは、安眠効果があるとされていて、就寝前にハーブティーを飲むことで、睡眠の質を高められると言われています。ハーブティーにはリラックス効果や、自律神経を整える作用など快適な睡眠に関わる作用があります。
ハーブティーの特徴として、ノンカフェインのものが多くあります。カフェインは交感神経を優位にさせる働きがあるので、コーヒーなどを寝る前に飲むと寝つきが悪くなると言われています。ノンカフェインのハーブティーだと、安心して寝る前に飲むことができます。
睡眠に効果があるハーブは、カモミールやオレンジフラワー・ローズなどになります。カモミールは、アピゲニンという成分が含まれており、自律神経を整える作用があるので、心を落ち着かせる効果があると言われています。オレンジフラワーは、ストレスの緩和や鎮静効果などがあり、筋肉の緊張も和らげる作用も期待できます。ローズは鎮静作用があり、気分を落ち着かせる効果があると言われています。
これらのハーブが含まれているハーブティーを睡眠前に摂取することで、リラックスした状態で眠りにつくことができるのでおすすめです。
リラックス効果の高い入浴剤
入浴剤にはさまざまな種類があります。睡眠の質を高めるには、リラックス効果が高い入浴剤を選ぶようにしましょう。
温浴効果が高い入浴剤は新陳代謝が促進させる作用があるので、体の疲れをとる効果があります。炭酸ガス系タイプや生薬配合タイプなどがあるので好みのものを選ぶようにしましょう。
リラックス効果を高めるには、入浴剤の香りも重要です。入浴剤には柑橘系や、フローラル系など多種多様な香りがあります。リラックス効果を高めたい場合には、天然香料がおすすめです。ラベンダー系やヒノキなどのウッディ系の香りは、心が落ち着く作用がある香りになります。
睡眠補助サプリメント
睡眠補助サプリメントも活用すると睡眠不足の解消に役立てることができます。睡眠補助サプリには、ギャバ・テアニンなどの成分が配合されていることが多いです。
ギャバはアミノ酸の一種になり、交感神経の働きを高める働きがあり、テアニンは、交感神経の働きを抑える作用があります。
睡眠不足を解消するおすすめアプリ3選
寝たまんまヨガ簡単瞑想
寝たまんまヨガ簡単瞑想は、インストラクターのナレーションを聞きながら寝たままでリラックスできるアプリです。心地よいナレーションとゆったりした曲で安眠効果が高く、寝つきが悪い方などにおすすめです。
究極の眠れるアプリ
究極の眠れるアプリは、大人気の究極の眠れるCDをアプリ化したものです。快眠に効果があるサウンドを聞きながら眠りにつくことができます。
カラフルノイズlite
カラフルノイズliteは、適度なノイズで集中力やリラックス効果を高める効果があり、睡眠不足の方におすすめのアプリです。
睡眠不足を解消して心身ともに健康になろう
睡眠不足は、集中力や記憶力などの低下を招くだけではなく、生活習慣病を発症するリスクが高くなると言われています。
適度な運動をおこなったり、適したタイミングで入浴するなど、いつもの日常生活に少し工夫を加えることで睡眠不足の解消につなげることができます。
またリラックス効果が高いハーブティーや、睡眠不足を解消するアプリなどを取り入れることも睡眠不足の解消に役立ちます。