【介護福祉士の体験談】実際になって良かったこと・大変だったことは?

「高齢者の方と笑顔で関わる優しい人。」

老人ホームが自宅の目の前にあるわたしの幼稚園の頃の憧れの人が、そんな介護福祉士の方でした。

その憧れは変わることなく、福祉科のある高校に進学したわたしは18歳の頃に、介護福祉士国家資格取得試験を受け合格しました。

その後憧れだった、自宅の前にある老人ホームの系列施設に就職しました。

今回は、そんな介護福祉士として活動したわたしの体験談として

  • 「介護福祉士になって良かったこと」
  • 「介護福祉士になって大変だったこと」

を赤裸々に伝えすると共に、これから介護福祉士を目指す人へアドバイスをさせていただきます!

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介護福祉士になって良かったことは?

人の役に立てる

介護福祉士の仕事には、何より人の役に立てるという魅力があります!

利用者様自身が、自宅ではなかなか思うようにできなかった日常生活をサポートさせていただけるので、人の役に立てているという温かな気持ちで仕事ができました。

直接的に利用者の方と関わり、身体的に、時には精神的に支えさせてもらえる仕事ということで、

「わたし、いいことをしているな!」と、前向きになることができるのです。

そして「もっと頑張ろう!」とポジティブな感情になることで、更に上質な介護サービスを提供することができました。

些細な声かけや気遣いで非常に喜んでくださる利用者の皆さんのおかげで、わたし自身もとても幸せな気持ちになれました。

「ありがとう」と言う言葉に感動出来る

介護福祉士の仕事内容は、食事や入浴・排泄の介助、歩行のサポートや声かけといった様々なものがあります。

どんな仕事においてもですが、特に介護職で大切なのは笑顔

にこにこと笑顔を浮かべながら優しい声色と丁寧なサポートを提供させていただくことで、利用者様からのたくさんの「ありがとう!」という言葉をいただくことができました。

「ありがとう」というその一言で、仕事の疲れも一気に吹き飛びます。

「いつもありがとうね。」

「お姉ちゃん、優しいから好きだよ。」

といったように、介護福祉士にとっては当たり前なことをしても感謝をしてくれる利用者様の優しさに、何度も感動し泣きかけたことがあります。

その経験を活かし、わたしは今でも「ありがとう」の言葉を非常に大切にして過ごしています。

そのおかげで、毎日がとても明るいものになっています!

利用者の笑顔に癒やされる

「ありがとう」の言葉に関する内容と似ていますが、やはり利用者様の笑顔は何よりも仕事の疲れを吹き飛ばし、癒してくれるものでした。

一度、ある利用者様から「お姉ちゃんはいつも笑顔だから、わたしも笑顔になるよ。」

と言っていただけたことがあります。

わたしは仕事だからというのはもちろんですが、利用者様の笑顔に癒されにこにこと笑顔を浮かべながら仕事に取り組んでいました。

その笑顔が利用者様に伝わり、そして利用者様も笑顔になる。

そんな利用者様の笑顔に癒され、またわたしも笑顔になる。

とてもいい連鎖だな、と感じました。

誰かの笑顔は、とても心を癒し元気を与えてくれるものです。

その笑顔の素晴らしさを体感でき、心をほんわかと癒してもらえる介護福祉士の仕事は、本当に素晴らしい職業だなと今でも思います。

自分の将来にも役に立つ

わたしたちの両親や祖父母といった家族も、ゆくゆくは介護が必要になる場合があります。

介護福祉士として経験を詰んでいたわたしは、二人の祖父の介護を最期までやり遂げることができました。

親戚などは、

「すごいね、わたしには無理だよ。」

と言い遠巻きに眺めていた分、祖父は二人ともわたしに何度も

「ありがとう、助かったよ。」

と言葉をかけてくれました。

祖父二人の死は本当に悲しいことでした。

でも、亡くなる直前まで「ありがとう」の言葉が聞けたことが本当に嬉しかったです。

今後、大切な家族が介護を必要とするとき、わたしは進んで自分の手で介護ができることを嬉しく思っています。

それは介護福祉士として働いた経験があったからだ、と誇らしく感じます。

介護福祉士になって大変だったことは?

体力が必要

とてもやりがいがあり、楽しい介護福祉士の仕事ではありますが、やはり非常に「体力」を使う仕事でもあります。

時には、自分の二倍の体重の方の身体をしっかり支えてサポートすることもありました。

慣れるまでは、仕事が終われば毎日ぐったり眠る…という日々が続いていました。

でも、慣れれば大丈夫!

体力の消耗すら、やりがいに感じられますよ!

夜勤が大変

介護福祉士の仕事に付き物なのは夜勤業務。

夜勤も慣れるまでは大変でした。

眠いし、施設自体も暗く寂しくなります。

それに、万が一どなたかが体調を崩したら…と考えると不安でたまりませんでした。

でも、こちらも心配ありません。

職員同士でサポートし合えば徐々に身体も慣れてきます。

それに緊急時に対応してくれる心強いスタッフだっています。

何より、朝一番に利用者様から「おはよう!」と挨拶をしてもらえる…。

それだけで、頑張って良かったと思えます。

給料が安い

介護福祉士の給料は、その仕事内容に比較すると安く感じます。

2007年に高校を卒業し介護福祉士として働き始めたわたしの月収は、夜勤手当てを含めても15万円ほど。

看護師の知り合いの月収の半分ほどでした。

もちろん、地域や施設によって給料はもっと高くなる場合もあります!

ですが、個人的には「もっとお給料がほしい!」という不満は確かにありました。

この先、介護福祉士の給料が上がることを祈っています。

これから介護福祉士を目指す人へ!

「介護福祉士になりたい!」

「介護福祉士の仕事ってすてき!」

と感じてくださっている方へ、是非この言葉を届けさせてください!

この言葉は、わたしが実際に介護福祉士の仕事をしていたときに受けたアドバイスでした。

「利用者様はね、どうしても施設の都合で起きる時間や食事の時間が決まっているの。その分、利用者様が見ているのはわたしたち介護福祉士の表情や仕草。常に笑顔や、常に優しい気持ちを持つのは難しいかもしれないけれど、わたしたちの今の“表情”や“仕草”や“言葉”で利用者様の気持ちが変わる…と思って仕事をしてくれると嬉しいな。」

その言葉を、わたしは一生忘れることはできないと思います。

それほど、心に響いたアドバイスでした。

確かに仕事は大変なもの。ため息を吐きたくなるときもある。

でも、「今のわたし」で利用者様の気持ちが変化すると思うと、自然と「今だけは笑顔でいよう!」と思うことができました。

今後、介護福祉士として働きたいと思っている方にも、是非「“今”の表情や仕草や言葉」を大切に仕事に取り組んでいただきたいなと思います。

最後に

介護福祉士の仕事は、保母さんや看護師さんとは違い幼い子どもたちの将来の夢として挙げられることはあまりないかもしれません。

ですが、保母さんや看護師さんと同じように人の役に立てる誇らしい職業です。

「他人のトイレのお世話なんてできないよ。」

そう発言した人がいました。

一方、

「便秘だった利用者様がね、わたしの夜勤担当の日に久しぶりに便が出て感動したの!」

と発言した介護福祉士さんもいます。

どんな職業にも向き、不向きがあります。

ですが、今「介護福祉士になりたい!」と願っている方は、きっと素敵な介護福祉士になります。

少子高齢化が進む今、非常に価値のある介護福祉士の仕事にやりがいを感じられる方が増えるよう、心から祈っています。

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記事の執筆者
小春ひより

2007年に18歳で介護福祉士の国家資格を取得、現在はカウンセラー兼WRAP(R)ファシリテーターとしてメンタルヘルス分野で活動中。
【保有資格】
・介護福祉士
・WRAPファシリテーター
・メンタル心理カウンセラー
・上級心理カウンセラー

介護・福祉