資格取得の学習をするときに、独学が難しい場合は通信講座などを受講して取得を目指すことがほとんどです。
ですが、通信講座の受講料も安い金額ではないため、受講を躊躇してしまう人も多くいることでしょう。
それだと、資格取得したくてもできなくなってしまいます。
そんなときに利用したいのが教育訓練給付金という制度です。
対象の講座で、自分自身が条件を満たしていれば、通常よりも安価で通信講座を受講できます。
今回の記事では、そんな教育訓練給付金について詳しく紹介していきましょう。
教育訓練給付制度って?
教育訓練給付金制度とは、どんな制度なのでしょうか?
資格を取得しようと思っても、講座の受講費も安いものではないため、講座を受講するかどうか悩んでいる人は多いことでしょう。
でも、教育訓練給付金の制度を利用することで、通常よりも安価に受講することができるのです。
教育訓練給付金は、雇用保険の制度の1つであり、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的としている制度です。
資格を活かして働くことを考えている人は、是非利用したい制度ですね。
一般教育訓練給付金
実は、教育訓練給付金は3種類あります。
そのうちの1つが一般教育訓練給付金です。
一般教育訓練給付金の対象分野は、
- 情報関係の資格や講座
- 日商簿記
- 中小企業診断士
など、職業的な能力を高められる資格となっています。
就職に関して有利になりやすい資格であることが多いです。
厚生労働大臣が指定している一般教育訓練の講座を受講・修了した場合、支払った受講費などの教育訓練経費の20%(上限10万円)を支給してもらえます。
特定一般教育訓練給付金
2つ目は特定一般教育訓練給付金です。
こちらの対象は、
- ファイナンシャルプランニング技能士
- 社会保険労務士
- 介護職員初任者研修
など、再就職やキャリア形成などに役立つような資格となっています。
受講費用の40%(上限20万円)が支給されます。
専門実践教育訓練給付金
3つ目は、専門実践教育訓練給付金です。
一般教育訓練給付金の対象である資格よりも、専門性が高い資格が対象になっています。
例えば、
- 看護師
- 介護福祉士
- 保育士
などのような資格です。
専門実践教育訓練給付金の場合は、自分が支払った受講費などの教育訓練経費のうち50%(上限40万円)が支給されます。
取得までに時間がかかる資格がほとんどなので、最長4年まで支給されます。
それに加え、専門実践教育訓練で資格を取得し、1年以内に雇用され、新たに雇用保険に加入した場合は、さらに教育訓練経費の20%分(上限16万円)の支給を受けられます。
さらに、条件を満たせば教育訓練支援給付金も追加で支給されるので、そちらもチェックしてみてください。
専門の資格は時間がかかる上に、必要なお金が高額になることが多いです。
しかし、このような制度を利用することで、お金がそこまでかからずに資格取得できるのです。
利用する条件は?
教育訓練給付金の給付条件について解説していきます。
在職中の場合
在職中の方で初めてこの制度を利用する場合は、雇用保険加入期間が1年以上あれば利用可能です。(専門教育訓練の場合は2年以上)
また、以前に制度を利用した方でも前回利用から3年以上空いていれば利用することができます。
離職中の場合
次に離職中の方についてです。
離職してから1年以内であれば、在職中の方と同じ条件になります。
また、離職理由が出産や病気・怪我等であれば、延長申請により最大20年まで在職中の方と同じ条件で利用可能です。
しかし、特別な理由なく離職後1年以上の場合は教育訓練給付制度を利用することはできません。
求職者支援訓練などが該当する場合がありますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。
教育訓練給付金の手続きの方法は?
自分は対象なのかどうか、支給要件照会をしよう
資格講座を受講前に、自分が対象なのかどうか、その資格講座が教育訓練給付金の対象講座であるかどうかを問い合わせて確認することができます。
必ずやらなければいけないことではありませんが、自分がその対象であるか、講座が指定講座になっているか不安であるという場合は問い合わせをすることで安心して学習できますよ。
照会の手続きをするには、「教育訓練給付金支給要件照会票」に必要なことを記入し、運転免許証などの本人確認書類を同封してハローワークに提出・郵送するだけです。
また、電子申請もできるので、気軽に照会ができます。
特定一般・専門実践は受講前に手続きが必要
特定一般・専門実践の給付金を利用する場合は事前にハローワークでキャリアコンサルティングを受ける必要があります。
忘れないように注意しましょう。
なお、一般教育訓練については受講後の手続きだけでOKです。
受講後1ヶ月以内に支給申請
指定講座を修了したら、自分の住民票がある地域のハローワークに書類を提出します。
家族などの代理人に頼まず、自分で提出しましょう。
ただし、給付金を受け取るためには、講座の受講修了日の翌日から1ヶ月以内に手続きを行わなければなりません。
1ヶ月以上経過してしまうと給付を受けられないので気を付けましょう。
必要な書類は、
- 教育訓練給付金支給申請書
- 教育訓練集修了証明書
- 領収書
- 本人・住所確認書類及び個人番号(マイナンバー)確認書類
- 返還金明細書
- 払渡希望金融機関の通帳もしくはキャッシュカード
- 教育訓練経費等確認書
です。
間違いなく用意して、確実に手続きを進めましょう。
もし給付期間の延長をしていた場合は、教育訓練給付適用対象期間延長通知書が必要になります。
また、その後教育訓練経費の一部が教育訓練施設から還付されたという場合は返還金明細書が必要です。
自分に当てはまる書類はしっかり準備しましょう。
教育訓練給付金の注意点は?
教育訓練給付金の種類を3つご説明しましたが、ある資格が必ずその給付金対象になるとは限らないのでご注意ください。
例えば、同じ保育士資格を目指す講座でも
- スクールAの講座は一般教育訓練
- スクールBの講座は専門実践教育訓練
といったことがあります。
受講しようとしている講座がどの教育訓練に該当するのか、必ず個別に確認するようにしましょう。
教育訓練給付金の対象資格は?
教育訓練給付金の対象と言っても、たくさんの講座があるため自分の取りたい資格がその対象になっているかどうかはすぐには判断できません。
そこで、教育訓練給付金の対象となる資格をまとめました。
医療事務
病院・クリニックでの窓口業務や、診療報酬明細書の作成などを行うのが医療事務です。
特にレセプト作成と呼ばれる診療報酬明細書は、直接病院の経営に関わることであるため、専門の知識が必要となります。
子育てがひと段落して社会復帰を考えている女性に人気を集めており、まだ子どもが小さいうちはパート、大きくなったらフルタイムなど働き方が多いのも魅力です。
それに、病院は全国にあるため働く場所を選びません。
転勤などで引っ越しが多いという人にもおすすめの資格です。
厚生労働大臣の指定講座となっているのは、ユーキャン、たのまな、ニチイなどが挙げられます。
資料請求ページ お申込みをする前に!
>>キャリカレの『医療事務』の通信講座を資料請求する(無料)
ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナーは、人それぞれの生活や収入に合わせ、ライフプランニングを行う専門家です。
お金を上手く利用することで、さらに快適な生活が送れるようアドバイスを行います。
そんなファイナンシャルプランナーは、主に金融業界で働く人が取得していることが多いです。
ですが、実際は保険業界や不動産業界など、様々な業種・業界で必要とされている資格でもあります。
厚生労働大臣の指定講座となっているのは、フォーサイト、日建学院、資格の大原などの通信講座です。
公式ページ 全額返金・2講座目が無料!
>>キャリカレの「ファイナンシャルプランナー講座」を資料請求する(無料)
社会保険労務士
社会保険労務士は、雇用保険・健康保険・厚生年金保険の書類の作成に関わり、企業の代理で事務作業などを行います。
労務管理を扱う専門家であり、人事・労務関係の書類作成を専門家である社労士に依頼する企業もどんどん増えてきているほど需要が高まっている資格です。
経営者と労働者の間に入ることで社会保障の制度などを上手く利用できるよう、アドバイスをしたり、相談に乗ったりもします。
厚生労働大臣の指定講座となっているのは、資格の大原、資格の学校 TAC、ユーキャンなどの講座です。
公式ページ 全額返金・2講座目が無料!
>>『社会保険労務士』の試験対策講座を資料請求する
まとめ
教育訓練給付金は、条件を満たせば誰でも利用できる制度です。
このような制度があるということは、国も資格取得を応援してくれているということですね。
転職活動のための資格取得や、キャリアアップ・スキルアップのための資格取得にも利用できるため、資格取得を考えたタイミングで条件を満たしていれば、是非利用してみてください。