貿易実務検定とは?受検するメリット・試験内容・難易度などを紹介

貿易業界の資格では、通関士という国家資格などが有名ですが、貿易実務検定という検定試験もあります。

民間の検定試験ですが語学力や貿易実務に直結した出題内容になっているため、即戦力の判断基準になるなど、貿易業界での研修プログラムにも採用されているほどです。

この記事ではそんな貿易実務検定について、受検するメリットや試験内容、難易度などを紹介します。

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貿易実務検定とは?

日本は高度成長時代から貿易業を盛んに営んできた国です。

貿易無しに今の日本は成立しないといっても過言ではありません。

そんな貿易には様々な法律やルールがあり、貿易の自由化が叫ばれる昨今においては、貿易実務の専門家が必要とされてきています。

貿易実務検定は、貿易取引に関する実務、業務に必要な語学能力や知識がどの程度身についているかを客観的に測るための検定試験です。

国家資格ではなく民間の検定試験になるため、これを取得していないとできない業務は存在しませんが、貿易実務に必要な能力を証明するためには有益と言えるでしょう。

実務が身につく検定試験

貿易実務検定を研修プログラムとして採用している貿易関連会社も多くあります。

難易度別に三段階に分かれているため、経験年数や役職、スキルなどに応じて分ける使い方もできるのです。

段階毎に実務が確実に身についていくプログラムになっているのが、貿易実務検定の特徴とも言えます。

受検するメリットは?

就職や転職のアピールになる

貿易会社には大手から中小に至るまで様々な会社が存在します。

貿易会社に勤務すれば日々の業務から少なからず実務能力を身につけることはできますが、即戦力になる人材を募集している場合には、貿易実務検定がアピールポイントになるでしょう。

また、貿易実務では語学力が必須です。

貿易実務検定では語学力も試験範囲に含まれているため、語学力を客観的に証明する資格としても有利に活用できます。

大手の貿易会社などでは実務経験がなくても語学力は求めているケースも多いため、取得しておいて損はありません。

スキルアップにつながる

貿易関連の仕事は貿易会社だけで役立つわけではありません。

自信のスキルアップの材料として身につけておくことで、他業界でも貿易関連の知識が役立つケースも考えられます。

特に商社やメーカーなどは直接貿易を行っている訳ではありませんが、知識があることでビジネスのヒントを得られることもあるでしょう。

自分のビジネス上の武器として貿易実務検定を取得しておくこともきっとプラスになります。

試験の内容は?

貿易実務検定はC級、B級、A級の三段階に分類されており、それぞれ試験範囲や内容も異なります。

C級

最も難易度が低いC級の試験では、貿易環境、貿易金融、貿易法務、通関知識などが問われます。

また、これらに加えて英語力として、取引交渉時のビジネスレターの基本表現や重要貿易英語なども試験範囲です。

英語の程度としては、高校生レベルの英語ができればクリアできるでしょう。

B級

B級ではC級と出題範囲は同じながらも、より専門的な理解が問われる内容になっています。

貿易実務経験者の中堅層をターゲットとしている試験であるため、実務を行っていないと合格は難しいでしょう。

英語力は英検2級レベルが求められるため、B級を取得すると英語力もアピールできるようになります。

A級

A級では試験範囲も広がり、国際貨物保険、国際的な代金の決済、製造物責任、国際取引紛争の解決などが問われるようになります。

その他にも、国際条約と国内の貿易関係法、貿易と税務、貿易マーケティングなど、実務以外の部分もかなり突っ込んだ内容です。

A級では、択一式問題に加えて筆記試験も追加されるため、ある程度の年数の実務経験を有している事が望ましいでしょう。

また、英語も専門的な用語が登場し、TOEICで800点程度取れていないと難しい試験です。

難易度について

C級

三段階あるうちのC級に関しては、独学で合格を目指せる難易度です。

英語も高校生レベルの英語で回答することができ、そこまで苦戦する内容ではありません。

あくまでも基礎知識を有しているかを求められる試験になるため、しっかりと参考書を理解し試験に臨めば合格する事ができます。

B級

B級は実務経験があれば難なくクリアできるレベルです。

試験問題の内容は実務を行っていないと理解が難しい内容や、実務を通して理解が深まる内容が多く含まれているため、参考書だけの知識では合格は難しくなってきます。

ただし、目安となる実務の年数としては1年~3年程度であるため、貿易実務の一般的な内容を理解していれば合格をすることができる範疇です。

英語力は英検2級程度が求められますが、英語が得意な人であれば難なくクリアできるでしょう。

A級

A級では、一定の貿易実務を一人でこなせる能力がないと試験への合格は難しくなります。

その理由は択一式だけでなく筆記試験も出題されるためです。

筆記試験は暗記だけで回答できる内容ではないため、しっかりと業務内容が身についている必要があります。

A級の英語はTOEICで800点程度を求められ、専門用語なども出題されますが、問われる内容は基本的な語学力であるため、英語が得意であれば苦にはなりません。

活躍の場は?

貿易・物流業界

貿易業界の中小企業では実務経験と英語力を求めているケースが多くなります。

そのため、B級以上の資格を有しているのであれば、貿易や物流業界での即戦力として活躍できる場が広がるでしょう。

また、B級以上を有していることで昇級や資格一時金を支給する会社もあるため、このような会社を目指すのであれば、資格取得は有利に働きます。

なお、新卒の場合には、貿易実務の経験よりも語学力を求められます。

貿易会社や物流業界、商社などに就職して活躍することを考えているのであれば、語学力を鍛えておくことが有利に働きます。

貿易実務検定は実務を行いながら取得しても決して遅くありません。

独立・開業

独立や開業を考えている場合には、資格取得だけでなく実務経験が最も有効となります。

そのため貿易実務検定の資格は、実務経験を積むために会社へ就職する足がかりとして取得する事が一般的なケースです。

貿易実務は複雑でめまぐるしく変わる世界事情を加味しなければなりません。

机上の勉強だけでは世界の貿易事情を把握する事は難しく、実務経験を現場で身につけておくことが必須と言えます。

そのためにも独学で取得する事が困難なA級の資格を有しているのがベストです。

貿易業界で実務スキルを判断するのに適した検定試験

貿易実務検定は貿易業界に従事する人の経験値やスキルを判断するのに最適な検定試験です。

国家資格ではありませんが、企業の研修にも採用されるほど支持されています。

もちろん、就職や転職などで即戦力であることを証明したり、貿易実務で欠かせない語学力の証としても役立つでしょう。

貿易業界で働くのであれば是非取得したい資格の一つですね。

記事の執筆者
LS編集部

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