事業で活用できるIT関連の資格は数多くあり、ウェブ解析士もそのひとつです。
名前からもわかるように、インターネット上の様々なデータを解析してマーケティングに活かすことができる資格です。
ここでは、そのウェブ解析士に関する基本的な情報と共にどのような試験を受けたらなれるのか?、その試験の難易度はどれくらいなのか?といったことをご紹介していきます。
ウェブ解析士とは?
事業を行う上で、SEO対策やメディアの活用といったウェブマーケティングが重要になることは多いですが、その基盤となるのはウェブ解析です。
そして、そのウェブ解析に関する知識やスキルを問われる資格がウェブ解析士です。
あくまでも実践で活用することを視野に入れているため、取得するだけですぐに戦力として使える可能性があります。
また、必要となるスキルに合わせて初級から上級、最終的にはマスターまでレベルアップできるようになっているのも特徴です。
取得するメリットは?
最新の知識が身につく
ウェブに関する情報は更新が早い傾向があり、その内容を把握しておくことが重要です。
そして、ウェブ解析士になるために使用されるカリキュラムや試験の内容は、毎年最新の内容に改定されます。
そのため、新しい技術や事例に触れることができます。
また、ウェブ解析士は取得した後も資格を維持するために、毎年フォローアップ試験を受ける必要があります。
したがって、ウェブ解析士の資格を保持し続けているということは、常に新しい情報に詳しいという証明になるでしょう。
人脈が広がる
ウェブ解析士の試験に独学で合格するのは非常にハードルが高いため、一般社団法人ウェブ解析士協会の認定校に通って勉強する人が多いです。
認定校は、ウェブ関係の人脈を築ける場でもあります。ウェブ解析士の講座を受けるのは、企業のマーケティング部門で働いている人や独自でサイト運営をしている人など様々です。
普段中々出会う機会がない業種の人とも、何らかの関係を築ける可能性があるでしょう。
また、ウェブ解析士協会が開催する講座や勉強会の種類は非常に多く、同じ目的で学びたいという人とも出会いやすいです。
ビジネスで役立つ
ウェブ解析士になるために必要な知識やスキルは、実務でもそのまま使えるレベルです。
そのため、ウェブ解析士になったらビジネスシーンですぐに役立てられる可能性が高いでしょう。
また、履歴書に記載することで就職や転職で有利になったり、待遇が良くなる場合もあります。
さらに、ウェブ解析士協会では資格取得者に向けた求人の提供も行っていて、そこから自身が活躍できる場所を見つけられるかもしれません。
資格取得の流れは?
試験合格のために勉強をする
ウェブ解析士の資格を取得するためには、試験に合格しなければなりません。
そして、すでにウェブ解析やウェブマーケティングに関する知識を十分に持っている人は、直接試験を受けるという手もあります。
そうではない人は、まずウェブ解析士協会による講座を受けましょう。
講座はウェブ解析士協会に所属する様々な企業が開講していて、それぞれ参加人数や費用、スケジュールなどが異なりますので、その中から都合に合ったものを選択します。
どの講座も予習が前提となっているため、公式テキストをあらかじめ購入して熟読しておきましょう。
試験の受ける
ウェブ解析士の試験はインターネット上で受ける形となり、終了したらすぐに合否がわかります。
そして、合格していれば2週間以内にレポートを提出し、それが受理されるとウェブ解析士の資格を取得したことになります。
もし試験が不合格だった場合は、そのまま再試験を受ける手続きができます。
また、レポートの代わりにウェブ解析士協会で受けるGoogle アナリティクス講座の修了証を提出しても問題ありません。
その場合も試験合格後2週間という期限は変わりませんので、もしレポートではなくGoogle アナリティクスを選ぶのであれば、その修了証は早めに取得しておいた方が良いでしょう。
必要に応じてレベルアップする
ウェブ解析士の資格は必要に応じてレベルアップさせることができますが、ウェブ解析士から上級、上級からマスターというように段階を踏む形です。
そして、上級とマスターはそれぞれ日数や内容が異なりますが、講座の受講と共にレポートの提出、試験に合格することで取得できます。
また、ウェブ解析士の資格を取得した次年度からは、毎年フォローアップ試験に合格する必要があります。
もしフォローアップ試験を受けなければ、改めてウェブ解析士試験を受けることになるので注意しましょう。
フォローアップ試験の費用は、ウェブ解析士協会の会員であれば無料です。
そして、上級やマスターにレベルアップした年度はフォローアップ試験を受ける必要はありません。
難易度について
ウェブ解析士の試験は60分間で60問、全て4つの選択肢の中から選択する方式となっています。
そして、その内70%に正答することが合格基準ですから、42問正解する必要があります。
ただ公式のテキストが用意されている上に講座で学習することもできますので、しっかり勉強すれば合格できるでしょう。
その合格率は2015年の69.4%から年々下がり、2022年の12月時点で55%です。
ちなみに、上級ウェブ解析士の合格率は2018年度で68%、マスターは受験者数そのものが少ないため合格率は安定せず、40%を超える年もあれば10%以下の年もあります。
活かせる場所は?
マーケティング企業
現代では、消費者もインターネットを使用することが非常に多いです。
そのため、マーケティング企業はその消費者を顧客として取り込むために、ウェブマーケティングができることがほぼ必須となっています。
そんなウェブマーケティングに関するウェブ解析士の資格を取得していると、戦力としてすぐに活かせる可能性が高いです。
そして、マーケティング企業の中でも、特にアクセス解析をはじめとしたデータの取り扱いに関する専門家というポジションを得やすいです。
資格を持っているということで、企業内でも発言力や信頼度の高まりが期待できるでしょう。
フリーランス
ウェブ解析士の資格を取得すると、データ解析によるマーケティングの改善や商品のブランディングといった色々なことができるようになります。
また、それだけでなく、サイトの立ち上げや効率的なマーケティングができるレイアウトの作成にも活かすことができます。
そういった部分は、必ず企業に所属していないとできないわけではありません。
したがって、自らクライアントを探すフリーランスでもウェブ解析士の資格は活かすことが可能です。
また、上級だと事業コンサルティング、マスターでは人材育成という風に、レベルアップするにつれてできることが増えていきます。
特にウェブ解析士マスターは数が少ないため、取得しているとフリーランスとしての仕事にプラスになる可能性が高いです。
最後に
現代では、数多くの事業が成功のためのウェブマーケティングを必要としています。
そのため、ウェブマーケティングの知識とスキルを持ったウェブ解析士は、将来的に長く重宝される可能性が高いです。
そして、取得してから現場ですぐに活かしやすいという強みもあります。
IT業界で即戦力になることを目指したい人は、取得を考えてみると良いでしょう。