現在不動産や建築業界で働いていてもっとスキルを上げたいと感じていたり、中には今後不動産関係で働いてみたいと考えている方もいるでしょう。
土地活用プランナーという資格を取得すると土地活用に関する幅広い知識が学べ、仕事に活かすことができます。
今回は、土地活用プランナーを取得した場合のメリットや試験の難易度、具体的な試験内容についてご紹介していきます。
土地活用プランナーとは?
1969年に発足した公益社団法人 東京共同住宅協会が認定する民間資格で、土地を有益に活用するための専門知識を有することを証明する資格が土地活用プランナーです。
不動産、建設、保険といった業界を中心に1,000名以上の人が受検しています。
土地はその形状や立地、周囲の環境によってどのように運用するのが一番有益なのかといった方法が違ってきます。
そのため、土地を有益に運用するには建築、税務、法務、事業収支、権利調整、マーケティング方法や賃貸の管理法など、さまざまな分野の専門知識が必要です。
土地活用プランナーはこういった知識を体系的に勉強し、土地のオーナーに最適な活用プランを提案できるようになる資格です。
取得するメリットは?
土地に関する知識がつく
土地の売買は、とても大きなお金が動きます。
自分でその土地に関する情報を得ようと努力しても情報が偏ってしまったり、必要と思われる知識が欠けてしまったりして判断を見誤ってしまう可能性はゼロではありません。
また、土地は値が動くため、売買にはタイミングが大切です。
自分で判断をすると大きなお金が動くことで慎重になりすぎてしまい、絶好のタイミングを逃してしまうということも考えられます。
土地プランナーの資格を取得することにより、土地を売買するタイミングを見誤らないためにはどういったポイントに気を付けておけばよいのかといった視点と判断力を養うことができます。
業者と対等に話せる
実際に土地を売買するとなると、土地のオーナーは不動産会社へ相談することになります。
不動産会社は業界内の情報に富み、一般では得られないような情報を持っていることも少なくありません。
どの不動産会社も顧客に誠意を持って接してくれるようであれば、土地活用に有益な情報を提供してもらえるかもしれませんが、全ての不動産会社が必ずしもそうとは限りません。
土地活用プランナーの資格を取得していた場合、不動産会社が専門用語や少し難しいと感じる法律的なことを話してきたとしても対応することができます。
土地活用において、信用できる不動産会社と良い関係が結べることは成功への近道です。
土地活用プランナーという資格を持つことで、信頼できる不動産会社を自分で見つけられるでしょう。
業界でのスキルアップになる
不動産会社で業界の情報に精通し、さらに土地活用プランナーの資格を持っていれば、同じように土地活用プランナーの知識を持つ顧客に対しても臆さず営業したり、サポートができるでしょう。
資格取得に対するポテンシャルの高さを認めてもらえれば、顧客や同業他社からも信頼が得られ、優良物件の情報も得やすくなります。
土地活用プランナーの資格は取っておいて損のない資格と言えます。
試験の内容について
試験の概要は?
資格試験は、土地活用プランナー養成講座テキストから土地活用に関する税務、法務、事業収支など基本的な考え方や土地活用全般に関する問題が出題されます。
マークシート形式で40題を四肢択一方式、60分で問題を解きます。
受験料は税込7,700円、職業、学歴、年齢、性別、国籍など受験資格に制限はありません。
試験対策は?
試験は2月と9月の年2回、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の6カ所で行われています。
丸暗記するというよりはテキストを読み込んで理解し、自分の中に落とし込んでいくような勉強方法をお勧めします。
テキスト以外には、
- 社会人として常識的な範囲での時事問題の理解
- 市場の動向
- トレンドについて知識
など、土地活用プランナーとして知っておくべき事柄はすぐに答えられるよう常に意識しておくと良いでしょう。
試験の結果は、ホームページで合格者番号の公表となります。
それ以外に、合否通知書が郵送されてきます。
試験に合格した後は?
試験に合格した後、認定登録をしなければ土地活用プランナーを名乗って仕事をすることはできません。
認定登録には、ゼネコン、ハウスメーカー、工務店、不動産関連職種で2年以上の実務経験を積むか、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士 、ファイナンシャルプランナー(3級以外)などの関連資格を取得してから2年以上経過する必要があります。
認定登録ができると、名刺に土地活用プランナーと明記し、営業活動ができます。
難易度について
2017年度の試験では、合格率は70~75%でした。
しかし、2018年度から試験会場が全国6カ所に増え、受検者数は増加傾向にあります。
合格率は徐々に厳しくなっている傾向にありますので、資格取得を考えている場合は早めの受検をおすすめします。
70~75%の合格率と考えると、さほど難しくない試験のように感じられるかもしれませんが、受検している人は建築業界や不動産業界に従事している人が多く、実務未経験の人や学生が受検する場合は難しく感じることがあるかもしれません。
試験を受ける前に難易度を確認したい場合は、東京共同住宅協会の公式サイト内に過去問題が掲載されていますので、実際に問題を解いてみると良いでしょう。
おすすめな人は?
不動産・建築業界の人
不動産・建築業界に勤務しており、土地活用をオーナーに提案する立場の人は土地活用プランナーの資格を活かすことができます。
資格取得のために習得した知識を活かし、土地のオーナーへより有益な土地の運用を提案できます。
資格認定者は資格取得後も定期的に開催されるフォローアップセミナーへ参加ができ、常に最新の情報が得られる環境が整えられています。
資格で得た知識を活かし、顧客からの信頼を得て高い営業成績を上げれば、それに見合った収入を得ることも可能です。
不動産会社で勤務し、スキルアップのために土地活用プランナーの資格を取得した場合、年収はその企業の給与に準ずることになりますが、不動産業界は売り上げに対しインセンティブを与えている会社が多く、土地活用プランナーの資格と知識を利用して年収約1,000万円を稼ぐ営業マンもいます。
土地のオーナーと接する機会の多い人
他にも、土地のオーナーと接する機会の多い保険業界に勤務している人、宅地建物取引士、税理士、司法書士、FPといった業界に勤務している人にとっても土地活用プランナーの資格は活かすことができます。
関連業界に勤務する人にとって、土地活用プランナーの資格はセカンドライセンスとして有効活用され、幅広い知識を活かして顧客からの信頼を得ています。
最後に
土地活用プランナーの資格を取得してスキルアップすることは、ただ土地を売買するだけでなく、コンサルティングも含めた売買が考えられたり、法律や税金といった広い視野から土地オーナーへアドバイスができます。
仕事の幅を広がることは、自信や収入アップにつながっていきます。
これから難易度が上がると予想される土地活用プランナーに興味がある方は、早めにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。