保育の関する仕事の1つに、ベビーシッターとナニーがあります。
保育士とも、幼稚園教諭とも違うこの2つの仕事ですが、中には利用したことのあるママ・パパもいるのではないでしょうか。
でも、実際のところどちらがどんな仕事をしているのかを完全に理解している人は多くありません。
どちらが、どのように違うのでしょうか?
ベビーシッター・ナニーの仕事に興味がある人だけではなく、預けようかどうか悩んでいる、どちらに預けようか迷っている人もチェックしてみてください。
ベビーシッターとは?
ベビーシッターは主にアメリカで行われている保育サービスの1つです。
「ベビー」と名前はついていますが、対象となる年齢の幅は0~12歳と非常に広いものとなっています。
その理由は、法律で子ども1人での外出を禁止していたり、12歳以下の子どもだけの留守番が禁止になっていることが挙げられます。
そのため、普段からベビーシッターに子どもを預ける文化が定着しているのです。
日本の場合は、ベビーシッターを斡旋している企業から派遣される形で子どもの世話を行いますが、アメリカでは親が私的に契約を行い、同じ人にずっとベビーシッターをしてもらうことが多くなっているようです。
他にも、フランスでは、6歳未満の子どもをベビーシッターに預ける場合に政府から補助金が支給されることがあります。
在宅での保育サービスの利用を国で推奨しているということでもあるため、抵抗なく利用ができるのです。
6歳以上の子どもの場合は、小学校の送迎を親の代理としてベビーシッターにお願いすることもあります。
日本では自分で歩いて帰るのが当たり前ですが、フランスでは小学校の送迎は基本的に親が行うという背景があるためです。
日本でベビーシッターを利用する場合には、残業や通常勤務など、仕事のときに活用する親が多くいます。
ベビーシッターを斡旋している会社に依頼する場合、利用料金以外にも入会金や年会費などの費用が発生することもあります。
あと、利用する際には、国や自治体から補助金が出る場合がありますので、お住いの自治体のホームページをチェックしてみてください。
ナニーとは?
ナニーとは、イギリスの乳幼児専門の職業です。
子どもの授乳やおむつ交換などのお世話や、常生活のしつけや教育などを行うのが主な仕事です。
子どもの面倒を見るだけではなく、教育者としての役割も持っているのです。
そんなナニーですが、イギリスでは国家資格となっており、ナニーになるための養成校もあります。
ナニーを職業としている人がたくさんいるのです。
海外のナニーは住み込みで働いている人も多くいます。
子どもが起きてから寝るまでしっかり関わることになります。
また、子どもの世話・教育以外にも料理や掃除などの家事を行うことも多くあります。
日本では産後うつなどの育児に関する課題が多くありますが、ナニーの存在が子育てや家事の大きな味方になるのです。
1人の子どもと関わる期間が違う
ベビーシッターは一時的な保育サービス
ベビーシッターを利用するタイミングは、実際のところ一時的に見てもらうサービスとして利用することが多いです。
例えば急用ができてしまったり、留守番を一緒にしてもらうなど、親が一時的に子どものそばにいられない場合に利用します。
ベビーシッターを派遣する企業の場合は、そのときに時間の空いているベビーシッターを派遣するため、毎回同じ人が来るとは限りません。
ただし、オプションとして指名できることもあります。
自治体のファミリーサポートもベビーシッターの形の1つです。
安価な料金でお願いすることができるため、保育園のお迎えなどをお願いする人が多いです。
海外でも、短時間で単発的な利用をする親が多くいます。
ナニーは長期サービス
海外の場合、ナニーは1人の子どもにずっと向き合っていることが多いため、1人の子どもと関わる時間が長くなります。
住み込みで働く場合は子どもの起床から就寝まで、全ての面倒を見ることが多くなるため、実質的に親代わりとしての役割もあります。
日本の場合は住み込みで働いているナニーは滅多にいませんが、定期的に決まった人が来るような契約をしている人は多くいます。
保育園に入るための点数を少しでも上げるため、子どもを預けている時間内で仕事をしていることが多いですね。
サービス内容が違う
ベビーシッターは子どもの世話のみ
日本も海外も、ベビーシッターは基本的に子どもの世話のみを行います。
ほとんどの場合は親の留守中の子守やお世話を行います。
保育園・幼稚園の送迎を行うこともありますし、具合が悪い子どもの看病をすることもあります。
自治体のファミリーサポートの場合は、ベビーシッターの自宅で子どもの世話をすることもあるようです。
どの場合も、
- 預けた時間内に子どもがどんなことをしていたか?
- 食事をした場合は何を食べたか?
- 午睡はどのくらいしたか?
などを記録し、親に報告を行います。
企業に所属している場合は、報告用紙のフォーマットがあり、それによって評価が決められます。
ナニーは家事を請け負うこともある
ナニーの仕事は、子守をすることだけではありません。
子どもの基本的な身の回りのお世話だけではなく、親の代わりに子どもにしつけを行ったり、教育者としての一面もあります。
基本的には親の代わりに料理・掃除・洗濯などの家事を行うことが多いです。
また、世話以外には、ピアノや英語を教えたりと習い事を子どもの自宅で行うこともあります。
子どもを産んだばかりで身動きの取れないお母さんや、仕事をしていて家事を行う時間があまりないという親が依頼することがあるようです。
ベビーシッター・ナニーになるには?
ベビーシッターになるには?
ベビーシッターになるための資格は基本的に必要ありません。
多くの場合はベビーシッターを派遣する企業に登録を行い、研修などを受けて仕事をスタートさせます。
他にも、個人で請け負うこともあり、インターネットなどで依頼を受け付けています。
ベビーシッターの仕事を安定して行うために必要なものは信頼です。
多くのベビーシッターは、保育士や幼稚園教諭の資格を持っていることが多く、より信頼できることをアピールしています。
民間資格にもベビーシッターに関する資格があるため、保育士資格の取得が難しい場合はそちらを取得するのもいいでしょう。
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ナニーになるには?
イギリスでナニーになるためには国家資格が必要ですが、日本でナニーを行う場合には特に資格は必要ありません。
ナニーの場合も企業に登録し派遣されることで仕事ができるのですが、イギリスのナニーを見本に養成コースを設けるナニー会社や高品質のベビーシッターをナニーと呼ぶこともあります。
日本のナニーが行うサービスに統一はありませんが、家事などのサービスの中に子守があったり、子守のオプションとして家事があったりなど企業によって違うのが現状です。
また、地方だとナニーとしてのサービスをしている企業が少なく、都市部のみに限られており、なかなかナニーを頼む機会が少ないのです。
日本ではあまり違いがない?
海外ではかなりメジャーな職業であるベビーシッターとナニーは、呼び名が別れているように明確な違いがあります。
ですが、日本の場合ではサービスなどが統一されていないため明確な違いがありません。
ベビーシッター・ナニーを斡旋している企業がどう呼ぶかが一番の違いです。
また、海外では保育のプロとして職業の1つにもなっていますが、日本の場合は副業であったり、定年退職をした人がアルバイトとして行うことが多く、メインの仕事としている人はあまり多くありません。
特に、定年退職した保育士や、出産などで仕事を辞めた幼稚園教諭が社会復帰として育児の傍らで行っていることもあります。
また、オプションでピアノや英語など習い事のレッスンをする場合はそれに関する知識や資格も必要です。
まとめ
どちらも子守をするという面では違いがありませんが、サービスの内容や利用方法によってどのように呼ぶかが変わってきます。
それに、ベビーシッターでもナニーでも大切な子どもを預かるのですから、その責任は重大です。
小さな子どもの命を預かる仕事でもあるのです。
でも、子どもの可愛さを近くで実感できますし、継続して同じ子どもを見るという場合は、成長を実感できるという嬉しい瞬間もあります。
預けようと考えている場合は、ベビーシッター・ナニーを斡旋している企業の実際の口コミや、どのような基準で登録しているベビーシッター・ナニーを選んでいるのかをチェックすると信頼できる人を派遣してもらえる可能性が高まります。
ベビーシッター・ナニーの仕事に興味があり、子どもがいる場合は、子どもを預けてみるのも仕事を知る1つの方法ですよ。