IT業界でキャリアアップを狙っている人から人気の高い応用情報技術者試験。
毎年多くの人が受験していますが、どんな内容の資格か、どれくらいの難易度か具体的に知らない人は多いのではないでしょうか。
また、基本情報技術者試験合格後に応用情報技術者試験の受験を検討している人もいるはずです。
そこでこの記事では、応用情報技術者試験の試験内容や難易度について解説します。
応用情報技術者試験とは?
区分 | 国家資格 |
---|---|
カテゴリ | IT・パソコン |
受験資格 | 無し |
試験日程 | 毎年4月・10月 |
試験方法 | 筆記試験 |
試験会場 | 全国各地 |
受験料 | 7,500円 |
登録・更新 | 無し |
難易度 | |
おすすめな人 | 社会人 主婦 |
応用情報技術者試験とは、IPA(情報処理推進機構)が運営する国家資格です。
エンジニアとしての高いスキルを身につけていることを証明する資格です。
試験内容はハードウェア・ソフトウェアやコンピュータの仕組み、開発の流れなど、IT業界で働くうえで必要な知識が中心となります。
また、開発に必要なマネジメントとしての知識として、財務や法律に関する内容も問われます。
応用情報技術者試験を取得するメリットは?
スキルの証明になる
応用情報技術者試験を取得するメリットは、IT分野における高い知識を身につけているアピールになることです。
IPAが運営するIT関連の資格は国内において高い評価を獲得しています。
転職やキャリアアップにも役立ち、会社によっては応用情報技術者試験に合格することで資格手当が支給されるところも多いです。
特に実務経験3年ほどのエンジニアだと、開発全般に関する知識を持っているアピールになり、下流工程から上流工程にステップアップするきっかけになるケースもあります。
公務員に有利
特に公務員に進みたい場合、応用情報技術者試験以上のレベルの資格を取得しているとキャリアアップに繋がりやすい傾向があります。
例えば警視庁サイバー犯罪対策課に配属された場合、応用情報技術者試験合格者は巡査部長ポジションからスタートとなります。
その他にもプログラミングが必修となったことから教員採用試験で一部科目を免除する自治体が増えており、公務員志望の人は特に応用情報技術者試験を受験するメリットが大きいでしょう。
上位資格を目指せる
加えて、IPAが運営する資格には応用情報技術者試験のさらにランクが上の高度試験が存在します。
高度試験の例としては、データベーススペシャリスト試験やネットワークスペシャリスト試験が挙げられます。
応用情報技術者試験と比べると内容がより専門的かつ範囲が広くなっており、高度試験はIPAが運営する資格の中でも超難関です。
応用情報技術者試験に合格していると高度試験の午前試験が一部免除となります。
試験範囲が狭くなることでより効率よく試験の勉強に取り組めるでしょう。
他の試験でも役立つ
また、応用情報技術者試験に合格することで、中小企業診断士や弁理士試験でも一部科目の免除が受けられます。
免除されるのは中小企業診断士の場合は経営情報システム分野と、弁理士の理工V(情報)となります。
中小企業診断士も弁理士も試験範囲が広く、超難関に分類される国家資格です。
そこで免除を受けて少しでも試験範囲を狭めることができれば、より苦手分野の勉強に割ける時間が増えるでしょう。
基本情報技術者試験とどう違う?
応用の方が専門的
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の範囲はほぼ一緒です。
ただ、基本情報技術者試験と比べると応用情報技術者試験は内容がより専門的なものになっています。
唯一範囲が異なる点と言えば、応用情報技術者試験では午後試験でアルゴリズムやプログラミング、SQLの知識は問われません。
そのため、開発経験が浅くても情報処理技術者試験に挑戦したい人など、人によっては応用情報技術者試験の方が簡単と感じるかもしれません。
出題形式が違う
また、午後試験の出題形式は基本情報技術者試験が4択から選ぶCBT方式なのに対し、応用情報技術者試験は記述式となります。
まだ基本情報技術者試験の場合は4択から選べば良いので、試験本番で単語などが飛んでしまっても思い出せるチャンスがありますが、応用情報技術者試験はそうはいきません。
出題範囲の単語をしっかり定着させるだけでなく、文章問題も論理的に説明できるだけのレベルの知識を身に着ける必要があります。
基本→応用がおすすめ
応用情報技術者試験が基本情報技術者試験よりも遥かに難しいと言われるのは午後試験の出題形式の影響が大きいです。
したがって、基本的には基本情報技術者試験に合格してから応用情報技術者試験に挑戦する人が多い傾向があります。
応用情報技術者試験の難易度は?
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2023年秋 | 37,763人 | 23.2% |
2023年春 | 32,340人 | 27.2% |
2022年秋 | 36,329人 | 26.2% |
2022年春 | 32,189人 | 24.3% |
2021年秋 | 33,513人 | 23.0% |
応用情報技術者試験の難易度は超難関と言えます。
合格率は毎回20%前後を行き来している状況です。
基本情報技術者試験とさほど合格率に差はありません。
しかし、応用情報技術者試験は受験料や難易度が上がるため、基本情報技術者試験と比べて受験者は少ない傾向にあります。
経験者でも落ちることも
IPAの基準によると、応用情報技術者試験のレベルは3です。
ちなみにITパスポートが1、基本情報技術者試験が2、そして高度試験が4に分類されます。
3と中間レベルに分類される資格ではありますが、それでも簡単に合格できる資格ではないと言い切れるでしょう。
実際にIT業界に長年勤めている人でも、応用情報技術者試験に落ちる人はいます。
実務経験のある人でも勉強をしないと落ちる資格なので、応用情報技術者試験を受験する際は入念な準備期間を設けましょう。
3ヶ月〜半年の勉強が必要
一般的に応用情報技術者試験は一切IT分野に触れたことが無い人だと半年程度、実務経験がある人でも3ヶ月は勉強期間を設けないと厳しい資格と言われています。
応用情報技術者試験の受験者の平均年齢は30歳前後。
社会人として働いている人が大半です。
やはり働きながら資格の勉強を並行して進めるのはとても大変でしょう。
応用情報技術者試験は1日2〜3時間程度勉強時間を確保して、合格には半年程度期間を要するのが一般的です。
ダラダラ勉強をしてしまうといつになっても範囲が終わらない可能性があります。
社会人で忙しいなら少し勉強期間を延ばして毎日1時間でも学習に取り組むことが大切です。
試験日から逆算して計画的に勉強を進めましょう。
応用情報技術者試験はこんな人におすすめ!
応用情報技術者試験がおすすめな人の特徴は以下の通りです。
ぜひ当てはまる人は応用情報技術者試験への挑戦を検討してみてください。
キャリアアップのきっかけが欲しい人
IPAの中でも応用情報技術者試験は実務経験があるエンジニア向けの資格です。
目安としては実務経験3年〜5年ほどあると良いでしょう。
IT業界は、下流から上流やマネジメントに進みたいと思っても、なかなかきっかけを掴むのが難しいです。
そこで応用情報技術者資格を取得することで、上流工程やマネジメント職に進むきっかけになります。
会社内でも応用情報技術者試験を評価する企業が多く、昇進や昇給のきっかけになることもあります。
ネットワークエンジニアなどより専門的な分野に進むきっかけが欲しい人
ネットワークエンジニアなど、エンジニアの中でも進みたい専門分野が決まっている場合、高度試験に合格している実績があると有利です。
そこで高度試験の準備として応用情報技術者試験を受験していると、効率よく高度試験の勉強に取り組めます。
応用情報技術者試験はキャリアアップに繋がる資格!
応用情報技術者試験は難関国家試験に分類される資格であり、ITエンジニアのキャリアアップに繋がる資格です。
簡単に合格できる資格ではなく、IT業界での実務経験がある人でも落ちることはあります。
そのため、応用情報技術者試験に合格するには入念な勉強が必要です。
ぜひIT業界でキャリアアップしたい人をはじめ、興味がある方は応用情報技術者試験に挑戦してみてください。