クリーニング師の資格を取得していると、クリーニングに関する知識だけでなく、法令に関する知識も得られます。
これらの知識はクリーニング店で働く上で大きなメリットとなります。
そのため、現在クリーニング店に勤めている人はもちろん、これからクリーニング業界に就職したいと考えている人にもおすすめです。
この記事では、そんなクリーニング師の資格を取得する方法やメリットについて説明していきます。
クリーニング師とは?
区分 | 国家資格 |
---|---|
カテゴリ | 衣服 |
受験資格 | 中学校を卒業、またはそれと同等の学力が認められた人 |
試験日程 | 都道府県により異なる |
試験方法 | 学科試験・実地試験 |
試験会場 | 全国各地 |
受験料 | 10,000円程度(都道府県により異なる) |
登録・更新 | 試験合格後に要登録・3年ごとに研修受講 |
難易度 | |
おすすめな人 | 学生 主婦 社会人 |
クリーニング師とは、クリーニング業法によって定められた国家資格です。
クリーニング業を営むには、洗濯物の処理を行うクリーニング所に必ず業務用の洗濯機および脱水機を1台以上、そしてクリーニング師を1人以上配置しなければなりません。
これは、個人に向けて営業しているクリーニング店や、ホテルのシーツや工場の制服の洗濯を担当している企業向けのクリーニング業者など、すべてのクリーニング業に当てはまります。
ただし、洗濯物を受け取ったり引き渡したりするだけの業者であれば、これに当てはまりません。
3年ごとに講習が必要
クリーニング業が定められた目的には、公衆衛生の向上と利用者利益の擁護が含まれています。
この理念を維持するために、クリーニング師には常に一定以上の知識が技術が求められます。
よって、クリーニング師は、業務に従事した後1年以内に、その後は3年を超えない期間ごとに都道府県の指定した研修を受けなければなりません。
この研修は、クリーニングに関する法令の最新の知識や、より高いクリーニング技術の習得を目的としたものとなります。
このようにクリーニング師とは、クリーニングに関する知識や技術が幅広く求められる資格です。
クリーニング師のメリットは?
働き先が広がる
クリーニング師の主な就職先は、個人を対象としたクリーニング店です。
共働きの世帯が増えたことなどから、家事を外注する家庭も多くなっていますので、クリーニング業界は働く場所を見つけやすいです。
クリーニング師の資格を取得していると、働く場所を見つけやすくなるだけでなく、より自分の条件に見合った職場を探せるようになります。
また、作業服を採用している工場では、自社の負担を減らすため、クリーニングを外注することが多いです。
工場以外では老人ホームや介護施設などが、クリーニングの外注を利用しています。
ほかにもホテルや飲食店など、制服や寝具のクリーニングを外注している企業はたくさんあります。
よって、個人・企業問わず、クリーニング業はこれからも常に一定の需要が期待できるでしょう。
さらに、クリーニング所には必ず1人はクリーニング師が必要となるので、資格所有者の需要は変動しにくいです。
業界経験者というだけではなく、クリーニング師の資格取得者となれば、ますますクリーニング業界で仕事を見つけやすくなるでしょう。
昇進や開業も目指せる
そして、資格所有者としてクリーニングのスペシャリストとしての自覚を持てるのも大きなメリットです。
自分の仕事に誇りを持つことができれば、技術を向上させるための勉強や営業にも力が入ります。
企業内で責任のある地位を目指すこともできますし、将来は独立も視野に入ってくるでしょう。
クリーニング業を開業する際はクリーニング師の資格が必須なので、独立を考えたときにも役に立ちます。
また、クリーニング師の資格所有者として、これからクリーニング師を目指す人に向けた講習会の講師として登壇できるようになります。
このように、クリーニングに直接携わる以外の仕事に活かせるのも、資格取得のメリットの1つです。
クリーニング師の取得方法は?
クリーニング師の受験資格は、中学校、もしくはそれに準ずる学校を卒業した人、または中学校卒業以上の学力を有していると認められた人となります。
取得するには、まず1年に1回以上行われている都道府県知事が行う試験に合格しなければなりません。
合格後に免許を申請し、クリーニング師原簿に登録されると免許取得になります。
免許の申請には戸籍謄本や本籍が記載されている住民票、そして免許申請手数料が必要です。
試験は実地試験と学科試験
クリーニング師の試験内容は、実地試験と学科試験の2つに分けられます。
実技試験では、衣類に使用されている繊維や、クリーニングに使用する薬品に関する知識と、染み抜きの鑑定やワイシャツアイロン仕上げの技能が問われます。
これらの技術は、実際にクリーニング店で働いたり、大学や専門学校に通うことで習得可能です。
学科試験は、衛生法規や公衆衛生に関する知識が問われます。
これらの問題は、クリーニング教本という教科書から主に出題されます。
合格するためには、クリーニング教本の内容をしっかりと理解しておきましょう。
また、クリーニング師の研修や講習が各自治体で行われているので、より合格に近づくためには、これらを利用してみるのも1つの方法です。
クリーニング師の難易度は?
クリーニング師の合格率は、地域によって異なりますが8割程度です。
ただし、試験が実施される地域によって出題範囲は異なります。
また、実技で使用するワイシャツは、地域によっては持ち込みが可能な場合や、指定されたものを使用しなければならない場合があります。
素材によって仕上げ方が異なるので、受験を考えている自治体の試験情報はしっかりと確認しておきましょう。
地域によって試験内容が異なるものの、クリーニング教本の内容をしっかりと理解して、実技で必要な技能を確実に身に付けておけば、難易度は低めと言えます。
クリーニング師はこんな人におすすめ
クリーニング業では、アイロンがけや染み抜きなどの細かい作業を行います。
よって、手先が器用な人や集中力が高い人に向いています。
また、店舗で働く場合は、お客さんと接することになるので、接客技術も必要になります。
接客が好きな人はもちろん、仕事を通じてたくさんの人と出会いたい人にも適していると言えるでしょう。
そして、お客さんから預かった衣類はしっかりと綺麗にする必要があります。
細かい部分の汚れも見逃せないので、観察力が鋭い人は自身の特徴を活かせるでしょう。
店舗での業務は基本的に立ち仕事となるので、体力に自信がある人にも向いています。
そして、クリーニング業ではさまざまな種類の衣類や繊維製品を取り扱うことになります。
よって、衣類の素材やファッションに詳しい人にもおすすめできる資格です。
まとめ
クリーニング師は、お客さんから預かった衣類を丁寧に扱うことが求められる職人的な資格です。
しっかりとしたクリーニングの知識や技術を身に付けることができれば、老後まで安定して仕事を続けられるでしょう。
また、クリーニング師の資格を所有していると、新たにお店を開くこともできるので、独立開業を考えている人にもおすすめです。