世の中には、様々な職種において資格が設けられています。
一定以上の知識と技術があると認められれば、出世や仕事選びにも大きな影響を与えるのです。
人々の日常生活を守っている警備員の仕事にも、業務に関する検定が実施されています。
この記事では警備業務検定について、メリットや難易度も併せて把握し、仕事選びの参考にしていきましょう。
警備業務検定とは?
区分 | 国家資格 |
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カテゴリ | 治安 |
受験資格 | 2級:なし 1級:2級合格後に1年以上の実務経験 |
試験日程 | 都道府県により異なる |
試験方法 | 学科試験・実技試験 |
試験会場 | 全国各地 |
受験料 | 13,000〜16,000円(区分により異なる) |
登録・更新 | なし |
難易度 | |
おすすめな人 | 社会人 |
警備業務検定とは、公共施設や交通誘導等の警備員になる上での知識や技術を測る試験です。
1級と2級に分かれており、共に学科試験と実技試験を受ける必要があります。
初めての方は2級からのスタートです。
1級は2級を合格してから1年以上の条件に加えて、実務経験のない方は受検することができません。
警備業務と一口に言っても内容は様々で、分野を大きく分けると全部で6つです。
施設警備業務
まず、1つ目に施設警備業務が挙げられます。
これは、娯楽施設やショッピングセンターといった場所における警備です。
施設内ですれ違ったことがある方も多いのではないでしょうか。
特に繁華街はビルが立ち並んでいるので、需要もその分高くなっています。
交通誘導警備業務
次に、交通誘導警備業務も人気の高い種類の1つです。
こちらは、工事現場等で車を上手く誘導するために必要な資格となります。
特に交通量の多い道路では、工事をすると車が混雑してしまいます。
事故を起こさせないためにも、しっかりと知識と技術を有した警備員の存在が大切なのです。
空港保安警備業務・雑踏警備業務
また、空港保安警備業務や雑踏警備業務といった種類もあります。
前者は、名前の通り空港の安全を守るための警備業務です。
雑踏警備業務は名前だけだと少々分かりづらいですが、人が多く集まるイベントの警備と考えるといいでしょう。
どちらも業務の範囲が少々狭まりますが、大きな事故や事件も起きかねません。
より一層の状況把握と判断力が求められる警備業務です。
貴重品運搬警備業務・核燃料輸送警備業務
さらに、より専門的な知識も要する貴重品運搬警備業務や核燃料輸送警備業務もあります。
貴重品や核燃料は、事故のみならず盗難のリスクも高い物品です。
安全に運び終えるためには、しっかりと見張るガードマンの存在が欠かせません。
警備業務検定のメリットは?
スキルの証明になる
警備業務検定を受検するメリットは、国家資格が得られることです。
この検定は、警備業法に基づくスキルを公的に認定します。
言い換えれば、国から正式に警備業務のスペシャリストと認められたことを意味しているのです。
確かに、テクノロジーの進化によって防犯カメラや感知器は数多く普及しました。
しかし、突然の事態に立ち向かえる方が現場にいなければ、周囲の安全は守れません。
突然の事故があった場合でも、周りの人々を確実に誘導できるプロがいるだけで安心感は全く異なります。
こういったやり甲斐のある仕事に就きやすくなる点が、メリットの1つです。
身の安全を守るのに役立つ
他にも、警備業務検定で出題される知識や技術は私生活にも役立ちます。
例えば、街中を歩いていたらいきなり不審者に襲われたとしましょう。
その際に警備業務検定において学んだことを生かせば、難を逃れる可能性も高くなります。
それだけではなく、プライベートで事故に巻き込まれるケースもあるかもしれません。
近くの人々を安全に誘導できる存在が1人いるだけで、状況の混乱は大きく抑えられます。
自分の身を守るのみならず、普段の生活の中でも人を守れるスキルが身に付く点でメリットがあるといえるでしょう。
警備業務検定の取得方法は?
警備業務検定を受検する際には、願書を実施先から入手しましょう。
講習を受けずに直接受検される方は、各都道府県に設置されている公安委員会が担当です。
電話で問い合わせをし、受検にかかる手続きを済ませます。
東京都の場合は、警視庁の生活安全総務課が担当となります。
願書申込みの受付期間は実施先で異なるため、注意が必要です。
電話で問い合わせする際に、細かい部分は一通り確認するといいでしょう。
当然、直接受検の方は全て独学で挑むので、人並み以上に勉強しなければなりません。
講習を受ける方が無難
警備業務検定は直接受検だけではなく、学科7時限と実技5時限、修了考査4時限の講習を受けてから試験に望む方法もあります。
初学者であれば、受講による資格の取得を狙う方が無難です。
公安委員会も相談窓口の1つですが、警備員特別講習センターが基本的には開催しています。
手続きをする際には、両者のいずれかに問い合わせましょう。
警備業務検定の難易度は?
警備業務検定は、前述でも説明した通り90点以上といった高得点を獲得しないと合格できません。
基準点は高いので、必ずしも全員が資格を取得できるわけではないものの難易度自体は比較的易しい方であるといわれています。
警備員の仕事に関する情報メディアの「警備マガジン」を参考にすると、講習を受けずに直接受検された方の合格率はおよそ2割から4割です。
自らの力だけで知識や技術を習得することは、容易ではないと結果に表れています。
講習受講者が合格率は高い
一方で、同資料のデータに基づくと講習を受けた方で資格を取得できた割合は、およそ6割から8割です。
カリキュラムに沿って業務のノウハウを学べるため、直接受検する方よりも多くの合格者を出していると分析できます。
警備業務検定も多くの専門的な内容を学ばなければなりません。
しかしながら、講習で真面目に学んでいくことで合格できる確率も高まります。
一定の努力は必要であるもののしっかりと勉強に取り組んでいけば、取得は可能な資格です。
警備業務検定はこんな人におすすめ!
体力に自信がある人
警備業務検定の受検に適した人の特徴は、体力に自信がある方です。
警備の仕事は深夜になる場合も多く、心身の疲労は想像以上に大きくなるでしょう。
とはいえ、業務に携わる以上は周囲の異常の有無を細かく探していくことが求められます。
いざという時には、犯人を確保するだけの力も必要です。
常日頃から体力トレーニングに取り組んでおり、どの時間帯でもパフォーマンスを発揮できる方は警備業務が天職の1つに含まれるかもしれません。
正義感が強い人
その他、正義感が強い方も警備業務検定に相応しい人材です。
警備業務は、周りの平和を守るヒーローです。
事故や事件が起こらないかを常に見張りながら、時には勇気を出して行動する仕事に憧れを抱く方も少なくないでしょう。
幼い頃から正義感を持っていた方は、警備業務において必要不可欠な存在です。
これらの特徴に当てはまっており、興味を持っているのであれば積極的に受検を考えてみましょう。
まとめ
警備業務検定は、種類も豊富で将来性の高い資格試験の1つです。
受検方法も2種類ありますが、初学者はなるべく講習も受けておいた方が実際の業務でも役に立ちます。
仕事の選択肢が増えるだけではなく、私生活でもスキルが生かせる資格です。
特に体力自慢の方や正義感の強い方は、今後の人生のためにも視野に入れておきましょう。