人生すべて、何もかもがうまくいくということはあり得ません。途中で立ち止まって、冷静に考える時間というのは必要です。
しかし、その対象が仕事になると、大きな不安を抱いてしまうことも事実でしょう。けれども、キャリアブレイクは自分自身を成長させるための、絶好のチャンスともいえます。
目的と、その手段を知っておけば、キャリアブレイクで人生を変えることができるかもしれません。
人生100年時代に向けて注目
肉体労働が主だった昔は、体が動かなくなると引退という概念も多くありました。しかし、今や人生100年時代です。医療が進歩し寿命はどんどん伸びています。
同時にデジタルの技術も進化しているので、工夫次第ではいくつになっても仕事ができるようになりました。こういった流れを汲んで、これからの時代に注目されている学びについて知っておくことは大変重要といえます。
デジタルスキルの習得
デジタル技術の進化によって、ビジネスや生活のあらゆる面でデジタルツールが必要となってきています。人生100年時代においては、デジタルスキルを持つことが必須となるでしょう。プログラミングやデータ分析、人工知能(AI)など、IT分野に関するスキルが注目されています。
ソフトスキルの強化
コミュニケーション能力、リーダーシップ、チームワーク、問題解決力など、社会に貢献するためのソフトスキルが重要視されます。人生100年時代は、時代の変化がどんどん加速していきます。何かのきっかけで一変してしまう時代についていくためには、これらのスキルを磨くことが必要不可欠です。
多様性や社会性に関する学び
時代はますますグローバル化しています。戦争や紛争も絶えないですが、今や世界は各国と協力し共存しなければ生き残ることはできません。つまり人生100年時代において、多様性や社会性に関する学びが必要となります。
これには、異なる文化や背景を持つ人々とのコミュニケーション能力、エイジングソサエティ(高齢社会)での仕事への対応力、そしてSDGs(持続可能な開発目標)に対する取り組みなどが含まれます。
キャリアブレイクとは?
キャリアブレイクとは仕事やキャリアにおいて、一定期間にわたって仕事から離れることを指します。これは、仕事に集中できない状況に陥ったり、家族の世話や自己啓発などの個人的な理由によって起こる場合も多いです。
キャリアブレイクの形も様々あります。休職、育児休業、留学、旅行、自己啓発プログラム、またはその他の目的での長期の休暇などが挙げられます。あるいは、人生のある時点で別の職業や業界に転身することを意味する場合もあるでしょう。
キャリアブレイクを取ることで、自己成長やリフレッシュの時間を取得することが可能です。新しいスキルや知識を身につけるための機会を提供し、キャリア上の新しい方向性を模索することもできます。
一方でキャリアブレイクは、一定期間の収入の減少や、職場での地位の低下など、キャリアに対するリスクも伴います。
キャリアブレイクが単なる空白の時間とならないよう、目的を見つけて行動に移すことが大切です。
キャリアブレイク中にしておきたいことは?
人の未来も地球の未来も、どうなるかは誰にも分かりません。ただし、どうなっても対応できる準備をしておくことはできます。
キャリアブレイク中は、そうした準備を整えるという意味において、とても有効的な期間となるのではないでしょうか。以下、キャリアブレイク中にしておきたいことを3つご紹介します。
海外留学
海外留学をすることで、現地の言語に触れる機会が増え、実践的な言語力を身につけることができます。また、現地で生活することによって、日本語でのコミュニケーションが難しい状況下で生活することになるため、コミュニケーション能力の向上にもつながります。
さらに、異文化を理解し、グローバルな視点を持つこともできるでしょう。そこで人脈を作れば、就職先も国内だけに留まらなくなります。
ワーキングホリデー
ワーキングホリデーと海外留学の主な違いは、目的と期間です。海外留学は、専門知識や学術的な能力を向上させることを目的として、海外の大学や研究機関に留学することが一般的です。
一方、ワーキングホリデーは、仕事をしながら現地の文化や生活を体験することを目的としたプログラムで、特定の国に限定された期間内に行われます。ワーキングホリデーの経験は、就職活動へのアドバンテージになります。
海外での仕事の経験、また、海外の人と気軽にコミュニケーションを取れる能力というのは、企業にとってもありがたい存在になるからです。
資格取得
キャリアブレイク中ということは、新卒ではないということです。再び働き出すために役立てたい資格には、それなりの勉強時間を要するものを取っておきたいところでしょう。どのような資格を目指すかについては、3つのポイントが挙げられます。
まずは、専門性の向上が期待できる資格です。特定の分野における専門的なスキルを身につけることで、自己PRの強化や就職活動の差別化に繋がります。
次に、自信の向上につながる資格です。難しい資格に合格することで自分に自信が持てます。すぐに仕事に活かせるものでなくても、その自信は就職活動や次へのチャレンジにおいてプラスに働くことは間違いありません。
最後に、キャリアプランを見直せる資格です。資格の勉強をしていると、自分でも気づかなかった得意分野を発見することができます。それが、将来のキャリアプランの見直しにつながるかもしれません。
苦手意識を持たずに、興味があればどんなジャンルの資格にもまず挑戦してみるという姿勢が大切です。
働かない選択肢を持っておくのが重要
ずっと続けていたキャリアを一旦ストップさせるのは、それなりに勇気がいるものです。収入面やキャリアに傷がつくのではないかという不安もあるでしょう。しかし、そうとは言い切れません。
働かないという選択肢を持つことが、将来の幸せを大いに引き寄せる可能性があるからです。働かないことのメリットを以下に紹介します。
自己成長の機会になる
キャリアブレイク中は、新しいことを学ぶための時間や余裕が生まれます。新しいスキルや知識を身につけることで、自己成長ができるという点があります。自分自身のレベルアップを実感すれば、休息を取ることで、仕事に対する情熱やモチベーションを高めることにもつながるでしょう。
新しい価値観の発見
キャリアブレイク中は、日々のルーティンから解放されるため、新しい価値観を発見する機会が増えます。世界を見たり、新しい人々と出会ったりすることで、自分自身の考え方や生き方に対する視野が広がるというメリットもあるでしょう。
家庭やプライベートに時間を割ける
キャリアブレイク中は、家庭やプライベートに時間を割くことができます。家族との時間を増やしたり、自分自身の趣味や興味に没頭することができるという点があります。精神面の安定にもつながるので、キャリアブレイク中の不安を、冷静に払拭させることができるはずです。
以上のように、考えてみればマイナス面よりもむしろプラスに働く要素の多いことに気づきます。キャリアブレイクの目的さえしっかりしていれば、何も恐れることはありません。
まとめ
終身雇用の時代は終わりを迎えつつあります。今や転職は当たり前で、1つの会社に最後までいられる人のほうが少ないという事実もあります。
キャリアブレイクは決して珍しいことではなく、悲観的に捉える必要はありません。
むしろ、この時間を大いに利用して、自己研鑽に当てることができれば、キャリアアップにもつながることでしょう。
【参考サイト】
キャリアブレイクとは? 新たな人生を切り開く手段に
人生100年時代、ブランクを有利に考える「キャリアブレイク」とは?
仕事を“休む”ことに不安を覚えたら。休職や離職を肯定する「キャリアブレイク」という考え方