エンベデットシステムスペシャリスト(ES資格)とは?メリット・難易度・おすすめな人など紹介

エンベデットシステムスペシャリストをご存知ですか。

組み込みシステムの専門家のことですが、日本語でも少し難しいですよね。

しかし組み込みシステムは現在、日常のあらゆるところに使われています。

ES資格は、IT系の比較的新しい国家資格です。

ES資格があるとどんな業界で働けるのか、ES資格のメリットと難易度などを合わせてご紹介します。

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エンベデットシステムスペシャリストとは?

区分 国家資格
カテゴリ IT・パソコン
受験資格 無し
試験日程 毎年10月
試験方法 筆記試験
試験会場 全国各地
受験料 7,500円
登録・更新 無し
難易度 4.0
おすすめな人 社会人

組み込みシステム(エンベデットシステム)とは、携帯電話や洗濯機、自動車などに組み込まれているコンピューターシステムです。

パソコンならパソコンの本体であるハードウェアに、様々なアプリケーションソフトなどのソフトウェアをインストールして使います。

しかし組み込み式のハードウェアでは、単一のソフトウェアがあらかじめ組み込まれており、新しいソフトウェアをインストールして使うことはできません。

洗濯機はあらかじめ組み込まれた洗濯機としての機能しか持たず、新たな機能を付加して使えないですよね。

そのようなものの総称が、組み込みシステムです。

通常、組み込みエンジニアは組み込みシステムのハードウェアとソフトウェアを同時に開発しています。

高度IT人材を認定する試験

組み込みエンジニアは、システムエンジニアの一種です。

マイクロプロセッサの進化や半導体部品の開発が進み、パソコンのOSが組み込み機器に採用されて組み込みシステムの開発も複雑化しました。

ネットワーク環境への対応やタッチパネル、認証システム、グラフィック性能なども求められるようになっています。

そこで2009年に始まったのが、エンベデッドシステムスペシャリスト試験です。

合格すると高度IT人材として専門分野を持ち、IoTを含む組み込みシステムに求められる役割を開発、実装、テストに携わりながら遂行し、後進の指導に当たることができる人材として認められます。

IoTとは「Internet of Things」の略称で、通信機器を搭載したインターネット接続できるもののことです。

ES資格試験は経済産業省が認定し独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施している資格で、情報処理技術者の試験です。

スキルレベルは最高の4に相当し、高度情報処理技術者試験に含まれます。

エンベデットシステムスペシャリストを取得するメリットは?

システムの知識が身につく

ES資格試験に合格するには、IoTやAIなどの幅広い知識が必要です。

ES資格試験の勉強をすることで組み込みシステムの複雑な仕組みを体系的に学べるだけでなく、その他の先進技術についても理解できます。

組み込みエンジニアには、幅広い知識とスキルが求められます。

そのため、エンジニアとしての参入が難しい分野です。

ES資格試験の難易度も高くなっていますがES資格があることで、組み込みシステムやIoTなどの豊富な知識が客観的に認められます。

参入できれば組み込みシステムのエンジニアは需要が高く、今後ますます必要とされる職種なので現役のエンジニアとして長期にわたり活躍できる将来性が見込めます。

活躍の場が多い

組み込みエンジニアはハードウェアに関しても、高度な知識やスキルを持っています。

昨今IoT開発にAI(人工知能)を組み込むシステムが注目されており、個人や家庭向けの製品を扱うコンシューマー市場や、人間の代わりに車が判断や運転を行う自動運転を開発している自動車市場などでの需要が見込まれます。

健康管理や予防医療のための体組成計や血圧計といったスマートヘルスケア機器は、単体で使われるだけでなく機器相互のネットワークやクラウドサービスとの連携などが必要となっています。

エンターテインメントとしては、カラオケの検索端末やタッチパネルなどでも組み込みシステムが採用され、組み込みエンジニアが活躍できる業界や分野は豊富です。

組み込みエンジニアは活躍の場が多いので、ES資格があると転職がさらに有利になります。

他の資格の足掛かりにも

ES資格があると、他の資格を取る際にも有利です。

中小企業診断士や弁理士、技術士やITコーディネーターなどの試験で、一部が免除される特典があります。

ES資格を取得することで、自身の仕事の質を上げることも可能です。

エンベデットシステムスペシャリストの難易度は?

時期 受験者数 合格率
2022年 2,415人 19.7%
2021年 2,185人 18.3%
2020年 1,962人 16.4%
2019年 3,653人 16.0%
2018年 3,461人 17.8%

ES資格には受験資格がありません。

誰でも受験できるという意味では敷居は低くなっています。

しかしES資格試験の難易度は高く、合格率は平均すると17%前後のかなり難しい試験です。

令和2年の合格率は16.4%でした。

これまでにES試験に出題されたシステムには、ドローンや自動運転、カメラ付き防犯灯などがあり多岐にわたっています。

4つの試験それぞれで60点以上が合格ライン

ES資格試験の難しさの一因として、試験の種類の多さと採点方法が挙げられます。

ES資格試験には4種類の問題が用意され、選択式のものと記述式のものがあり1日で行われます。

試験の合格点は60点以上で、4つの試験それぞれで60点以上を獲得することが必要です。

ES資格試験は午前一、午前二、午後一、午後二となっており、午前一で合格点に達していないと午前二の試験は採点してもらえません。

その後の試験も同様に採点されます。

ES資格試験では、4つの試験でまんべんなく点数を取ることが求められます。

合わせて取りたいおすすめの資格は?

ES資格は難関資格ですがES資格試験の前に取得したり、同時に持っているとよい資格があります。

ETEC

ETECは一般社団法人組込みシステム技術協会が実施している試験で、組み込みエンジニア向けです。

試験はクラス1とクラス2に分かれています。

クラス2は、大学や専門学校で組み込みシステムの教育を受けている学生や卒業生も対象となります。

A~Cのグレードで評価され、合否判定はありません。

クラス1を受験するには、クラス2の試験で500点以上(800点満点)を獲得する必要があります。

クラス1では中級技術者としての実装、実務能力を含む総合力や現場リーダーとしての能力を認められます。

比較的やさしい試験なので、ES資格試験の前に入門として受験するとよいでしょう。

応用情報技術者

応用情報技術者はES資格試験と同じ情報処理技術者試験で難易度のレベルは3、合格率は20%前半です。

ある程度の経験のあるエンジニアが、さらに上を目指したいときに受験します。

応用情報技術者の資格があるとES資格試験の一部が2年間免除されるため、腕試しとして受けてみるとよい資格です。

OMG認定資格試験

OMG認定資格試験は、組み込みソフトウェア開発者が対象の試験です。

株式会社UML教育研究所が主催しており、世界130か国で実施される国際的な資格です。

この試験ではUMLという統一モデリング言語を使用するため、勉強するとシステム全体を把握でき現場で重宝されます。

レベルとしてはES資格試験と同等です。

エンベデットシステムスペシャリストはこんな人におすすめ!

ES資格は組み込みエンジニアやIoT系のエンジニアになりたい人に適した資格です。

また、実際に組み込みエンジニアなどとして働いている人が、さらに深い知識を身につけ専門分野で活躍したり、逆に多くの業界や広い分野で活躍したい場合にも向いています。

組み込みシステムやIoTに関する知識が十分にあることを客観的に証明して転職を有利に進めたい場合や、自分自身の仕事の質を高めたいと考えるエンジニアにもよい資格です。

組み込みシステムのエンジニアになろう

IoTを含む組み込みシステムは家電をはじめとして多くの製品で利用されており、その開発は今後も広く求められると予想されます。

組み込みエンジニアには多くの知識が必要とされ参入が難しい分野ですが、ES資格を取ることで客観的に能力を示すことができ実現しやすくなります。

ES資格があればエンジニアとして長期間、現役で活躍することも可能です。

記事の執筆者
LS編集部

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