結婚式などのパーティー、ホテルなどで目にする事があるフラワーアレンジメント。
特別な空間を更に特別にするその花々、実は国家資格を持ったフラワー装飾技能士という方々の作品であることが多いのです。
「フラワー装飾技能士ってなに?」「それ、どんな資格?」と思う方もいるでしょう。
今回はそんなフラワー装飾技能士という資格について紹介します。
フラワー装飾技能士とは?
区分 | 国家資格 |
---|---|
カテゴリ | 植物・造園 |
受験資格 | 3級:無し 2級:実務経験2年以上、もしくは3級合格者 1級:実務経験7年以上(2級合格後なら2年以上、3級合格後なら4年以上) |
試験日程 | 毎年7月 |
試験方法 | 学科試験・実技試験 |
試験会場 | 全国各地 |
受験料 | 学科:3,100円 実技:18,200円 |
登録・更新 | 無し |
難易度 | |
おすすめな人 | 学生 主婦 社会人 |
フラワー装飾技能士とは、1983年から始まった花卉業界では唯一の国家資格であり、名称独占資格(資格保有者だけが名乗ることが出来るモノ・肩書)です。
花束やブーケ、卓上装飾花を制作するプロフェッショナルであり、その活躍の場は結婚式場や葬儀場だけでなく、お花屋さんやお花教室など多岐にわたります。
フラワー装飾技能士を取得するメリットは?
先に言った通りフラワー装飾技能士は国家資格であり、名称独占資格ですので、試験に合格すればしっかりとした技術を持っている証となります。
その事から生花販売や花束の作成、フラワーアレンジメントはもちろん、お花が好きな人にプロ目線でのアドバイスやアレンジメント指導などが出来るようになります。
また、冠婚葬祭関連などの企業によっては、しっかりとした知識、技術を持った技術者が所属しているという証明にもなるのです。
フラワー装飾技能士の取得方法は?
フラワー装飾技能士は、都道府県職業能力開発協会が資格を管理し、試験の実施をしています。
資格には1級、2級、3級とあり、それぞれ試験を受ける必要があります。
また、これらは一般人向けではなく、花卉に携わるプロ向けの資格であるため、以下のように受験資格として実務経験期間が設けられています。
受験資格
1級を受験するには、直接受験の場合は7年以上、2級合格後なら2年以上、3級合格後なら4年以上の実務経験が必要です。
2級では、直接受験は2年以上の実務経験が必要ですが、3級合格後は制限はありません。
3級の受験については実務経験は不要です。
条件を満たした後、実技試験と学科試験を受け、合格すれば「フラワー装飾技能士」として認定されます。
また、一部の専門学校やフラワースクールでは受験資格が免除となる過程を設けたコースもあるので、そういった場所で学ぶ事で試験を受けやすくなる場合もあります。
フラワー装飾技能士の難易度は?
フラワー装飾技能士は、2・3級は7割〜8割、1級に関しては5割程度の合格率となります。
そのため、2・3級は比較的合格しやすく、1級はしっかりとした対策が必要と言えるのではないでしょうか。
また、フラワー装飾技能士は、学科試験よりも実技試験の難易度が高い傾向があります。
生花を使った練習は費用も嵩む事にはなりますが、実務経験がある場合でも練習をしなくては厳しい場合もありそうです。
他試験と同じく学科試験、実技試験、どちらかが不合格だった場合でも、合格した科目は翌年免除されます。
次回以降再び受験し合格すれば技能士となる事が出来るので、諦めずに挑戦することも必要と言えるでしょう。
フラワー装飾技能士はこんな人におすすめ!
花や植物が好きな人
フラワー装飾技能士は、日々多くの花や植物に触れるため、その香りや感触が苦手という方にはあまり向いていない資格といえます。
そのため、この資格を取るならば、第一に花や植物が好きな人が挙げられると言えます。
手先が器用、色彩感覚に優れている、コーディネートが出来る人
日々の生活はもちろん、パーティーなどの特別な会場を彩るフラワーアレンジメント、結婚式で使うフラワーブーケや葬儀に使用する供花など、誰かの思いを形にすることもあります。
花束を作る際などはリボンや包装紙などを使う場合が一般的であり、細かな作業が必要なため、手先が器用な人に向いていると言えそうです。
また、アレンジをする際には花々やリボンなどの組み合わせといったセンスを求められることもあるため、色彩感覚に優れている、コーディネートが出来るという人にも向いているでしょう。
コミュニケーションをとる、提案するが苦ではない人
花束を作る、会場を作るといった場合には、知識や技術だけでなく、依頼者の意向を汲み取るための姿勢も必要となってきます。
相手が何を求めているのか、どういった要望や希望があるのかをきちんと聞き取ることで、依頼者の理想や作り上げる空間の雰囲気を掴むことが出来るでしょう。
また、場合によっては依頼者へ組み合わせる装飾花などの提案をすることも考えられます。
依頼者の希望に沿った提案をするためにも、積極的なコミュニケーションが必要であり、様々な人とコミュニケーションをとる事や提案をする事が苦ではない人も向いていると言えます。
実務経験を積んでいる人
資格取得の際にも触れましたが、フラワー装飾技能士2級、1級を取得するには、実務経験を積んでいる必要があります。
2級ならば直接受験の場合、実務経験を2年以上積んでいれば受験資格を得ている事になります。
資格を取る際に費用は掛かりますが、合格することで仕事の幅が広がり、就職や給与面で有利になる場合もあるようです。
もし長く花屋さんなどで働いていて、まだ資格を取っていないという方は検討してみるのもいいかもしれませんね。
ブライダル関係のお仕事がしたい人
冠婚葬祭に関わる事もあるフラワー装飾技能士ですが、更に特化した仕事の一つとしてブライダルフラワーコーディネーターという専門職があります。
これは、会場やテーブルに飾る花や花嫁のブーケだけでなく、ウエディングケーキをカットする際に利用するナイフの装飾なども含まれます。
この場合は、直接新郎新婦と打ち合わせをし、理想的な式へ近づけるための花選び、装飾といった知識と技術だけでなくセンスも問われる仕事となります。
また、この資格を持っている事で、コーディネーターとしてだけでなく、ウエディングプランナーやブライダルスタイリストとして活躍する際にも幅広い提案ができるのではないでしょうか。
フラワーデザインを人に教えたい人
フラワーデザイナーという職業自体には、具体的な資格や学歴は必要とされていません。
そのため、デザイナーとして働くという点に関して言えば、フラワー装飾技能士の資格は不要と言えます。
しかし、「フラワーデザインを教える」ということについては、この資格があれば生徒からの信頼も得られます。
これはフラワー装飾技能士が「指導者」としての知識と技術をきちんと身につけている証明であり、フラワーデザイナーとの違いと言えるのではないでしょうか。
まとめ
冠婚葬祭の会場や花屋さんなど、特別な場所はもちろん、日々を彩ってくれるフラワーアレンジメントを生み出すフラワー装飾技能士。
受験する級によっては受験資格が必要となり、学科試験・実技試験の両方を合格しなければ技能士を名乗ることはできません。
ですが、合格することで知識、技術共にしっかりと身につけている専門家であると言うことができるため、挑戦してみる価値はあるといえるでしょう。