安定した収入が得られるとあって不動産投資に興味を持つ人も多いですが、不動産投資をする際に役立つのが不動産実務検定です。
しかし、どのようなものかわからない方もいるでしょう。
この記事では、不動産実務検定を受検するメリットや試験内容、難易度、そして資格を活かして活躍出来る場所などについてご紹介していきます。
不動産実務検定とは?
不動産実務検定は日本不動産コミュニティJ−RECが運営する、日本初の不動産投資専門の資格になります。
不動産運用にまつわる実践知識を幅広く得られるとあって、
- 健全で堅実な運用を続けたい
- 不動産投資で安定した収入を実現したい
- 顧客が安心出来るサービスを提供するために不動産知識を持っておきたい
などの考えを持つ個人投資家、不動産業界関係者から主に人気を集めている資格です。
また、資格取得のために北海道から沖縄まで全国各地で認定講座が開催されています。
講座内容は統一カリキュラムになっており、ライフプランニングや不動産投資、満室経営に税金対策、土地活用コンサルティングなど賃貸経営に必要な実務知識を取得することが可能です。
不動産実務検定は2級・1級・マスターと3段階のランクに分かれており、マスター資格を合格した暁には、J-RECから「J-REC公認不動産コンサルタント」の資格が与えられます。
受検するメリットは?
不動産投資に役立つ
空室対策や不動産投資の税金などが学べるため、不動産投資の際に知識を活用出来ます。
アパートやマンション経営を行う大家業や投資家にとって有意義な情報が多く得られ、特に先代から仕事を引き継いだ2代目、3代目の大家さんは、効率良く必要な知識のみを取得出来るというメリットがあります。
認定講座を通じて全国各地の大家さんと知り合う機会もありますので、お互いの存在が励みや刺激にもなり、より仕事に邁進出来るようになるかもしれません。
また、マスター資格者になると学ぶ立場から教える立場になり、講座を開催して副収入を得る事も可能となります。
業界でのスキルアップになる
不動産業界で即戦力となるノウハウが学べますので、スキルアップにも役立ちます。
税理事務所など不動産賃貸業と関わりがある人に便利な資格で、例えば資格を取得していれば、大家さんに知識やノウハウをアドバイスできるので、今後の営業関係も良好に保つことができるでしょう。
資格のランクによって開催出来る講座も様々で、2級は新人研修、1級は中堅社員研修、マスター認定なら幹部社員研修を行えるまでになります。
試験の内容について
不動産実務検定の資格を取得するには、
- 認定講座を受けて修了検定を受ける方法
- 一般検定を受検する方法
の2パターンがあります。
認定講座を受けて修了検定を受ける方法
まず、認定講座経由で資格取得を目指す場合は、12時間の講座を履修する事になります。
2級の講座内容は賃貸経営や不動産投資のノウハウ、税金対策や空室対策、家賃滞納や低コストのリフォームのコツなどで、1級の講座内容は不動産投資の基礎と応用、資金調達や税金対策について、競売や借地に関すること等となっています。
1級と2級、どちらから受講しても問題ありません。
出席率と課題の提出率が70%を超えると修了試験の5問が免除されるため、60分45問の試験を受検することになります。
一般検定を受検する方法
一般検定を受けて資格取得を目指す際は5問免除制度は受けられず、60分50問の試験になります。
合格基準は正答率70%が目安です。
2級は賃貸管理運営実務に関する知識、1級は不動産投資に関する実務知識が出題範囲で、認定講座受講後の修了検定と内容は同じです。
講座を受けずに試験となるため、合格するためには自宅での勉強が必要になりますが、参考書籍以外に公式教材を活用しても良いでしょう。
ホームスタディー講座の教材を購入すれば、より効率的に試験対策が出来ます。
試験について
ちなみに、1級と2級の試験は随時行われています。
全国126か所以上の場所で受験が可能で、受検者の都合の良い日や行きやすい場所で試験が受けられます。
コンピューター試験となっていますが、操作は難しくなく、パソコン初心者でも問題ないでしょう。
試験の合否は受検した日のうちに判明します。
また、1級と2級の両方の試験が合格出来れば、マスター認定を目指す事も出来ます。
試験を受ける場合はまずマスター講座の受講が必須で、不動産運用設計や建築プランニング、相続対策等など全部で20時間の講座を受けていきます。
そして、講座受講後に実技試験を受け、試験に合格した人は審査を経て、支部およびSG認定を受けることが出来ます。
難易度について
合格率は?
不動産実務検定の2級の合格率は8割、1級は5割程度となります。
不動産業界の資格と言えば宅地建物取引士が有名ですが、宅地建物取引士の合格率が1割前後という数字を見ると、不動産実務検定は比較的難易度の低い試験と言えます。
ただし、合格率だけで単純に判断するのは危険です。
そもそも宅地建物取引士は年に1回、願書の締め切りが7月の試験で、受検者の中には試験を受ける前から合格が難しいとわかっている人も含まれます。
一方、不動産実務検定はコンピュータによる試験で、ほぼ毎日受検可能な試験です。
毎日受検が出来るにも関わらず2級は2割の人が、1級は5割の人が不合格となるのであれば、決して楽に合格出来る試験とは言えないでしょう。
合格するには?
基本的に、1級と2級の試験はきちんと勉強していれば合格出来る内容になっています。
2級であれば参考書籍を使っての学習、少し難易度が高くなる1級はDVD講座を活用する事で、独学でも必要な知識を習得出来ます。
しかし、マスター認定になると1級より難易度が上がるため、合格も難しくなります。
ここまでくるとコンサルタントとして活躍出来るレベルになっていますので、不動産投資に関する一般的な知識を取得するだけで十分なら無理をする必要はありません。
2級か1級の合格でも仕事に活かせる知識は身に付いています。
活躍の場所は?
不動産実務検定の資格は不動産業界で働いている人、また働こうと考えている人に有利になります。
もちろん、不動産投資を目指す人や賃貸物件を取り扱っている大家さんにとっても役立つ事は間違いありません。
例えば、空室の対策に悩む大家さんは少なくありませんが、何も知識が無ければ全てを仲介会社に任せっきりにならざるを得ません。
その点、不動産実務検定で空室対策について学んでおけば、自ら解決策を提案出来るようになるでしょう。
また、不動産実務検定マスターを取得すれば、資格認定講座等を開催する講師としても活躍出来ます。
人を育成する立場として自らも成長でき、さらにキャリアに磨きがかけられます。
最後に
不動産実務検定を持っているからといって、就職に有利になるという訳ではありません。
ですが、不動産投資についての一般的な知識が取得でき、仕事に活かすことが出来ますので、大家さんを筆頭に個人投資家、不動産業関係者は持っておいて損は無い資格です。
毎日受検可能で誰でも受けられますから、少しの間勉強に取り組んで知識を身に着け、資格取得を目指しましょう。