小・中・高校など学校におけるいじめが深刻化するとともに、不登校の児童や生徒が増加しています。
児童や生徒、その保護者は悩みを抱えていますが、学校の先生に相談しても解決することが難しい場合もあるでしょう。
そこで学校外の心理学の専門家に依頼し、児童や生徒および保護者の悩みの相談体制を整備して、学校で十分なカウンセリングができるようにすることが必要となっています。
そこで重要な役割を担っているのが『学校心理士』という資格です。
今回の記事では、『学校心理士』について紹介していきます。
学校心理士とはどんな資格?
学校心理士は、一般社団法人学校心理士認定運営機構が認定する資格で、1997年度から始まりました。
子どもを取り巻く状況をよく調べて見極め、子どもや保護者、教員からよく話を聞いて相談に乗り、問題を解決する方向に導きます。
学校心理士は子どもの将来を決めることになるため、責任の重い大変に重要な仕事です。
学校心理士にはさらに「学校心理士スーパーバイザー」という上位資格があり、それは2011年度から始まりました。
学校心理士スーパーバイザーは、学校心理士の監督指導をしたり、研修会の講師を行ったりします。
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学校で実際に起きている問題は?
いじめ問題
学校では、児童や生徒の多くが学校生活においていろいろな問題を抱えていますが、誰にも相談できずに一人で悩むケースが増加しています。
特にいじめの場合は誰にも相談できず、不登校や自殺などといったことに進展することもあります。
児童生徒はいじめを先生や親に相談すると、ますますいじめがエスカレートするため、我慢し続けることが多いのです。
その子どもがいじめられていることを知っているほかの児童生徒も、自分にいじめの矛先が向くのを嫌い助けることもできません。
いじめられている児童生徒は先生にはもちろん、親にも相談できず、最悪の場合は自殺に至ることもあります。
その他の問題
その他にも、学級崩壊や校内暴力などの問題も年々深刻化し、先生だけでは手の付けられない状態になる場合もあります。
また学校では、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)、高機能自閉症をはじめとした障害のある児童生徒の課題も抱えています。
これらの児童生徒には特別な教育が必要不可欠であるため、より適切な教育が施される必要があります。
学校心理士の役割
学校心理士の役割は、障害の有無にかかわらず、援助が必要な子どもに対して適正な支援をすることです。
学校心理士は子どもにカウンセリングなどを行って、学校におけるいろいろな問題を解決に結びつける努力をしなければなりません。
さらに保護者や教師、学校に対して児童生徒の環境を整えるために、心理教育的な観点から援助します。
学校心理士は学校生活で悩みを抱える児童生徒や保護者、教員にとっては重要で欠かせない存在です。
学校心理士の活躍の場は?
学校・教育施設で活躍
学校心理士は、幼稚園や小中高等学校、特別支援学級、特別支援学校などで、児童や生徒、保護者や教員の相談やカウンセリングを行うことが多いです。
また教育委員会や教育センター、教育相談所等で相談およびカウンセリングを行います。
さらに教育委員会や教育相談所の依頼や紹介で、学校などに派遣されて相談を行うこともあります。
スクールカウンセラーとして活躍
文部科学省のスクールカウンセラー事業においては、学校心理士は「準スクールカウンセラー」として認められています。
スクールカウンセラーは大学教員、精神科医、臨床心理士などの資格が必要ですが、準スクールカウンセラーはそれらの資格は必要ありません。
学校心理士の受験資格は?
大学で心理学系の単位が必須
学校心理士の資格を取るためには、大学や大学院で心理学関係の単位を修得していることが必要です。
具体的には
- 「大学院で学校心理学関係の科目の単位を修得するとともに、修士課程・専門職学位課程を修了し、 学校心理学に関する専門的実務経験を1年以上有する者」
- 「4年制大学卒業で、学校心理学に関する専門的実務経験を5年以上有する者」
- 「大学または大学院で学校心理学関係の授業を2年以上担当し、学校心理学に関する研究を5年以上有する者」
- 「学校の管理職または教育行政職として、心理教育的援助サービスに関する指導的な役割を3年以上有する者」
という条件があります。
満たしている条件によって試験項目が異なる
また、満たしている条件によって学校心理士の「申請類型」に分類され、類型ごとに試験項目が異なります。
類型1から類型6まであり、どれかを満たしていれば申請できます。
- 累計1は「学校心理学関連大学院修了者および修了見込者対象」
- 類型2は「教員の経験を有する者対象」
- 類型3は「相談機関等の専門職従事者対象」
- 類型4は「大学・短期大学の教員対象」
- 類型5は「学校管理職または教育行政職の従事者対象」
- 類型6は「海外での資格取得者対象」
です。
学校心理士の試験は?
試験の会場と費用について
試験は、論述式試験、多枝選択式試験、面接の三つが行われます。
試験会場については、面接のみ、資格認定を行う機構の東京都文京区の事務局で実施。
論述式と多枝選択式の試験は東京と兵庫の2ヵ所で受験できます。
資格取得費用について、学校心理士の受験のための認定審査料は32,400円(税込)です。
指定の郵便局口座に認定審査料を払い込んだら、払込受領証のコピーを申請書に貼付して提出しなければなりません。
試験合格後は?
試験合格後は、登録料と日本学校心理士会会費を納めることになります。
納める費用は50,000円で、内訳は登録料が20,000円、5年分の会費が30,000円です。
学校心理士の需要はますます高まる
学校心理士は、学校現場などで悩みや障害を持つ児童生徒、その保護者や先生をサポートできるため、これからも必要不可欠な需要が高い資格となることでしょう。
学校心理士のサポートやケアにより、児童生徒などの抱える問題が解決に結びつけば大きなやりがいにもつながります。
いじめや不登校などから児童生徒を救うため、学校心理士を目指してみてはいかがでしょうか?
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