学芸員とは?取得方法・資格の難易度・活かせる仕事など紹介

美術品や歴史的資料などを取り扱う仕事に欠かせないのが、学芸員の資格です。

学芸員の主な仕事は、博物館のガイドや資料の収集、展示などになります。

さらに、動物園や水族館の企画展示プロデュースなども、学芸員の仕事です。

ここでは、学芸員の資格を取得する方法や、学芸員の資格を活かせる仕事などを紹介していきます。

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学芸員とは?

区分 国家資格
カテゴリ 教育
受験資格 ・学士を修得
・単位取得+2年以上の実務経験
試験日程 毎年12月
試験方法 筆記試験・口述試験
試験会場 東京都
受験料 1,300円
登録・更新 なし
難易度 3.5
おすすめな人 社会人

学芸員とは、博物館法によって定められた、博物館で専門的な仕事をするために必要な資格です。

この場合の博物館とは博物館法によって定められた博物館なので、文化財が展示されているようなところに限りません。

美術館や水族館、動物園なども該当します。

これらの施設で資料の収集や管理、資料の魅力を伝えるために効果的な展示方法を考えるなどが主な仕事です。

また、担当する博物館の魅力を多くの人に知ってもらうために、広報活動を行うこともあります。

博物館内の案内を行うのも、学芸員の仕事の1つです。

研究者であり教育者

学芸員は、海外ではキュレーターと呼ばれています。

しかし、海外のキュレーターは資料の収集や展示を専門的に行うのに対して、日本の学芸員の数は少ないので、資料の分析や教育普及活動なども行うなど、担当の幅が広いのが特徴です。

そんな学芸員には、資料をより理解するための研究者としての側面と、資料の持つ意味をより多くの人に教える教育者としての側面があります。

研究者として行う主な作業は、資料の調査や研究です。

既存の資料を深く調査することで、その資料の持つ意味を再確認するとともに、新たな価値の発見を目指します。

教育者としては、地域の子供たちに文化振興のための講演などを行います。

学芸員の取得方法は?

大学等で単位を修得

学芸員の資格は、大学や短大を卒業して、博物館に関する指定科目の単位を修得している場合は自動的に取得したものとされます。

あるいは、博物館に関する科目などの単位を含めて62単位以上を修得し、なおかつ3年以上学芸員補として働いた経験がある場合も同様です。

また、これらと同等以上の学力や経験があると文部科学大臣が認めた場合も、学芸員の資格を取得可能です。

ただし、文部科学大臣に認めてもらうためには、文化庁が認定した学芸員資格認定に合格する必要があります。

この学芸員資格認定の審査を受けるためには、大学を卒業している、または大学在学2年以上で62単位以上を修得していて、2年以上学芸員補として働いた経験が必要です。

教員免許

教職員の免許を取得していて、2年以上教職員として働いた経験がある場合も、受験できます。

文部科学省がこれらと同等以上の学力があると認めた場合や、4年以上学芸員補として働いたことがある場合も受験可能です。

学芸員の難易度は?

受験者数 合格率
2020年 87人 79.3%
2019年 109人 78.9%
2018年 107人 76.6%
2017年 92人 75.0%
2016年 112人 53.6%

学芸員資格認定試験の令和2年度の受験者数は87名です。

そのうち69名が合格していますので、合格率は約79%になります。

審査認定の受験者数は63名、うち47名が合格なので、こちらの合格率は約75%です。

数字だけを見ると、難易度は低いです。

ただし、学芸員補としてすでに博物館で働いた経験のある人や、大学で入念に勉強してから挑む人が多い試験なので、しばらく勉強からは遠ざかっていたという人には難しい可能性があります。

受験前は過去問などに取り組んで、苦手分野を克服するなどの対策を取りましょう。

学芸員を活かせる仕事は?

博物館

学芸員を活かせる仕事としてまず挙げられるのが、国公立の博物館の職員です。

国公立の施設では、公務員として働くことになります。

よって、安定した職場環境が望めるなど、公務員ならではのメリットが得られます。

また、学芸員は文化の向上や振興に貢献するという役割も担っているので、博物館での仕事だけではなく、文化講座や、文化財に関わる学術の講師として呼ばれることもあります。

学芸員には、もともと教師をしていたという人も多いです。

教員免許を取得している人は大学の講師として仕事をしたり、研究所に招かれたりもします。

特別深い知識や巧みな話術を有している人であれば、テレビなどに出演する文化人としても活躍できるでしょう。

動物園や水族館

日本の法律では、動物園や水族館も博物館の1つとして捉えられています。

よって、学芸員の資格を取得していれば、動物園や水族館への就職も可能です。

動物の魅力を伝えるための展示企画を立案したり、飼育管理を行ったりします。

飼育員の仕事範囲まで任せてもらえることもあるので、動物園や水族館で働きたい場合にも役に立つ資格です。

学芸員は、私立の美術館や博物館への就職もできます。

私立の博物館では国公立の博物館では扱わないような特殊な資料を展示する場合もあります。

企業の博物館に就職すると、普段は見られないような企業の裏側や、貴重な歴史に触れることが可能です。

ただし、私立の博物館に就職する場合は、公務員ではなく企業の従業員になります。

学芸員はこんな人におすすめ!

美術品や文化財に興味がある人

学芸員は、美術品や文化財に興味がある人、それらを通じて社会に貢献したいと考えている人におすすめの資格です。

動物の生態や文化財本来の魅力を伝えるため、時には展示に工夫が必要です。

物事の本質をしっかりと見極められる能力がある人や企画力に自信がある人も、学芸員に向いています。

幅広い物事に興味を持てる好奇心旺盛な人も、学芸員の仕事を楽しめるでしょう。

集中力や責任感が強い人

また、取り扱う文化財は非常に貴重なものです。

扱いには細心の注意が必要になります。

よって集中力が高い人、責任感が強い人も向いています。

学芸員は、動物の飼育に携わることもあるので、動物の生態に興味がある人や、動物の飼育が好きな人にもおすすめです。

専門的な内容をわかりやすく伝えられる人

また、学芸員の仕事は研究だけではありません。

博物館に来館した人に展示物の解説をしたり、報道機関に向けて資料の説明をしたりするのも学芸員の仕事です。

専門的な知識をわかりやすく人に伝える技術も必要になります。

わかりやすいだけでなく、興味を持ってもらうことも大切です。

よって、サービス精神が旺盛で、人にものを教えるのが好きな人は、学芸員に最適です。

まとめ

学芸員は、資料の整理や管理から文化財の企画展示まで、博物館に関係するさまざまなことをこなす仕事です。

貴重な資料の価値や美術品の魅力を通じて社会に貢献できる仕事なので、強いやりがいを感じられるでしょう。

歴史的資料に興味がある人はもちろん、文化財に少しでも興味がある人は、学芸員の資格取得を検討してみるのはいかがでしょうか。

記事の執筆者
LS編集部

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