2013年4月1日、介護保険法施行規則が改正されました。
それにより「ホームヘルパー2級」は廃止されて「介護職員初任者研修」が新たに設けられたのです。
今回は、ホームヘルパー2級が初任者研修へ変わった理由や、具体的な変更点などをわかりやすくお伝えします。
また、この変更による今後の影響についても説明していきますので、介護職に興味のある方は参考にしてみてくださいね。
具体的に変わった内容は?
学習内容と学習時間が変わった
初任者研修では、ヘルパー2級の内容に加えて、施設介護に関する知識も習得することができます。
訪問介護で役立つ知識・技術をメインとしていたヘルパー2級に対し、訪問介護も施設介護もどちらにも役立つ研修内容となっているのが初任者研修です。
介護に関する基礎的な知識・技術を身につけられる、いわゆる入門編ともいえます。
そして初任者研修には、認知症に関するカリキュラムも新しく追加されました。
認知症の患者数が増加していることから、認知症にも対応できる人材を育てる狙いがあるのでしょう。
他にも、「こころとからだのしくみと生活支援」というカリキュラムの時間数が増えています。
学習時間の変更はなく、トータルで130時間です。
ただし、ホームヘルパー2級で実施されていた施設での実習(約30時間)はなくなりました。
その代わり、初任者研修ではスクーリング(通学)の時間が増えています。
受講するスクールによっても多少異なりますが、自宅学習が36~37時間程度、スクーリングが90~94時間程度(15日前後)というのが目安でしょう。
つまり初任者研修では、通学して技術を学ぶ時間数が増えており、通信教材による自宅学習の時間数は減っています。
筆記試験が追加された
ホームヘルパー2級では、すべての課程を修了した方は自動的に資格を取得することができました。
しかし、初任者研修では全課程を修了した後に試験が行われます。
研修を受講しただけでは、資格は取得できません。
修了試験は約1時間の筆記試験になりますが、全課程の理解度を確認するものです。
難易度はそこまで高くはないので、特に心配する必要はないでしょう。
万が一不合格になってしまった場合でも、再度試験を受けることができます。
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なぜ名称が変わったのか?
介護制度の見直しによるもの
65歳以上の人口が増加する一方で労働力人口が減少している、これが日本の現状です。
厚生労働省によると、2025年までに介護職員数は2倍以上も必要になると考えられています。
このままでは、介護職員数が圧倒的に足りないということです。
しかし、介護職員数が増えさえすれば解決する問題でもありません。
介護に関する知識・技術に乏しい人材ばかりが集まったら、介護サービスの質の低下に繋がります。
そこで、介護職のエキスパートをより多く育成することを目的に、介護資格制度の見直しが行われたのです。
認知症のカリキュラムが追加され、施設介護に対応した学習内容も加わりましたよね。
介護のキャリアパスの制度が明確になった
介護保険法施行規則の改正前は、ホームヘルパー2級・ホームヘルパー1級・介護職員基礎研修という3つの研修が存在しました。
しかし、各研修の学習範囲があいまいで、上位資格である介護福祉士へのキャリアパスがわかりにくい点がデメリットでした。
そこで3つの研修を廃止し、新たに「介護職員初任者研修」と「介護職員実務者研修」が設けられたのです。
この変更により、国家資格である介護福祉士までの道のりが明確になりました。
初任者研修で基礎を学び、次のステップが実務者研修であり、最終到達点が介護福祉士です。
3年間の実務経験を積み、実務者研修に合格すれば、介護福祉士を受験することができます。
変わることで何か支障があるのか?
仕事内容に影響はない
単刀直入にいうと、介護職の仕事に影響はありません。
ホームヘルパー2級を持っている方は、初任者研修修了者と同等であるとみなされるからです。
反対に、ホームヘルパー2級を持っておらず、これから初任者研修を受講する方は、介護施設での実習経験がないことをデメリットに感じるかもしれませんね。
スクールによっては、介護現場での実習を希望できるところもありますので、受講前に問い合わせてみるとよいでしょう。
資格としてアピールできることに変わりはない
ホームヘルパー2級の資格は、これまで通り履歴書に記載して構いませんし、資格を持っていることも十分アピール材料になります。
ホームヘルパー2級を持っている方は、初任者研修の修了要件も満たすものと考えられており、履歴書でも同様に扱われています。
ただし、初任者研修を実際に修了したわけではないので、「介護職員初任者研修課程修了」と履歴書に記載することはNGです。
ちなみに、ホームヘルパー1級や介護職員基礎研修を持っている方も、初任者研修の修了要件を満たすとされています。
給与に少し変化があるかも
ホームヘルパー2級と初任者研修のどちらを取得していても、給与の違いはほとんどみられないようです。
しかし、介護関連の資格を持っているということで、資格手当が支給されることも珍しくありません。
これから介護職への転職を考えているのであれば、まずは初任者研修の取得をおすすめします。
介護関連の資格がなくても働ける介護求人も中にはありますが、初任者研修を取得していることで採用選考の際に有利になりますし、資格手当も期待できます。
また、昇給を目指すのなら、実務者研修や介護福祉士にも挑戦してみましょう。
既に資格を持っている人は名称変更される
ホームヘルパー2級を取得済みの方で、その資格を履歴書や職務経歴書などに記載したい場合は、「訪問介護員2級養成研修課程修了」と書きます。
「訪問介護員2級」や「ホームヘルパー2級」と書いてしまったからといって、それだけが理由で採用選考に落ちることはないでしょう。
しかし、ホームヘルパー2級の正式名称は「訪問介護員2級養成研修課程修了」です。
いろんな呼び名があって戸惑ってしまうケースもあるようですが、この正式名称を書いておけば間違いありません。
初任者研修は介護職への入門資格
ホームヘルパー2級が廃止されて、介護職員初任者研修へと移行されました。
初任者研修では、認知症に関する知識をはじめ、訪問介護・施設介護で役立つ基礎技術などを習得することができます。
初任者研修の取得によって、介護職への転職に有利になりますし、将来的にステップアップしていくことも可能です。
介護職に興味がある方は、まずは介護職員初任者研修に挑戦してみましょう。
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