保育士資格と幼稚園教諭免許はどちらも小さな子供を相手にする職業に付くための資格ですが、対象が似通っていてどのような違いがあるのかわかりにくいですよね。
それぞれの資格でどのような違いがあるのか、『資格の取得方法』や『働き方』や『お給料』について比較してみました。
これから子供を育てる仕事を志している方は是非参考にしてみてください。
1.資格の取得方法の違いは?
まず、保育士と幼稚園教諭でそれぞれ資格を取得するのにはどのような違いがあるのかを比較してみましょう。
保育士の場合は?
保育士資格を取得する方法は2通りあって、保育士養成学校で所定の単位を取得し卒業する方法が一番多いパターンでしょう。
学校を卒業すれば資格を取得できるので、難しい勉強計画を立てる必要もありません。
また、実技の授業などによって実際に現場に出た時に役立つ経験を積むことが出来ます。
学校によっては就職の際に就職先の紹介などを行ってくれるため、取得から就職までが比較的スムーズになります。
2つ目の方法は、保育士資格を取得できる保育士試験に合格することです。
受験資格(専門・短大・4大卒、もしくは高卒かつ児童福祉施設での一定時間以上の業務経験)を満たした上で受験し、合格することで資格を得ることが出来ます。
幼稚園教諭の場合は?
幼稚園教諭免許状という国家資格が必要となり、これは幼稚園教諭養成課程のある専門学校や短大・大学・大学院を卒業することで取得することができます。
また幼稚園教諭免許状には二種免許状・一種免許状・専修免許状の3つがあり、それぞれ取得方法が異なります。
二種免許状は短大での幼稚園教諭養成課程修了・卒業で取得します。
また、令和2年3月31日までであれば幼保特例制度を活用することが出来ます。
1種免許状は4年制大学で幼稚園教諭養成課程を修了し、卒業する事で取得できます。
専修免許状は4年大学で幼稚園教諭養成課程を修了・卒業後に大学院にて修士課程まで修了することで取得することができます。
両方の資格を取る人もいる
保育士も幼稚園教諭も、小学校入学前の子供と関わるという点ではほぼ同じ仕事です。
また保育園と幼稚園をひとつにした、認定こども園という幼保一元化の考えも一般的になりつつあります。
保育士資格保持者に向けた幼稚園教諭免許状取得をサポートする特例制度が施行されるなど、認定こども園の一般化に向けて業務範囲を広げる意味でも、保育士と幼稚園教諭両方の資格を持つことの必要性や意識も高まっています。
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2.それぞれの働き方の違いは?
それぞれの働き方について、業務内容や勤務時間にはどのような違いがあるのかも知っておきたい大事なポイントです。
仕事内容の違いは?
基本的な業務については、保育士と幼稚園教諭で大きな違いはありません。
どちらも朝に子供を預かり各園児の体調や気分などをチェック、お昼には食事の補助を行いつつ、散歩やお遊戯・合唱などを通じて健全な保育を行います。
また、保育園ではお昼寝やおやつの時間があったり、幼稚園よりも児童を預かる時間が長いなどの違いがあります。
勤務時間は?
基本的にはどちらも実働時間は8時間になります。
幼稚園は基本的に8時出勤がほとんどですが、時間外保育を行っている場合は7時から出勤などのケースもあるようです。
保育園の場合は7時~19時のシフト制になっていることが多く、早番・中番・遅番と分けられています。
保育園のほうがシフトによってはどうしても遅い時間まで勤務時間がズレこんでしまうこともあるようです。
また、実際に残業がどのくらいあるかなどは園によって違います。
今後のキャリアアップは?
おおよそ同じ流れでのキャリアアップを目指していくことになります。
保育園はまず一般保育士からスタートして得意な分野によって職務分野別リーダーになります。
その後経験を積むことで副主任・専門リーダーとなり、主任を経て最終的に園長を目指すことになります。
幼稚園教諭の場合は一般教諭から始まり、業務全般を覚えてくると若手リーダー、人を取りまとめる経験を積んだら中核・専門リーダーとなり、主幹教諭になって教諭としての業務全体を見渡せるようになったら副園長・教頭になることができます。
そしてこちらも最終的には園長を目指してキャリアアップをすることになるでしょう。
若干の違いとしては、幼稚園には副園長・教頭という園長を補佐する職位があることです。
大凡2~3年で一段階ずつキャリアアップしていくのが一般的なようです。
3.それぞれのお給料の違いは?
お給料に違いが出るのかどうかは、仕事を選ぶ上で特に気になる部分です。
それぞれの平均値を比較して見てみましょう。
保育士と幼稚園教諭の平均給与は?
2017年の厚生労働省の調査によると、保育士や幼稚園教諭の職についたばかりの人に多い20~24歳台での平均月収は幼稚園教諭で19.2万円、保育士では18.7万円となっており、あまり差はないものの若干幼稚園教諭の方が多いようです。
また2017年の政府統計によると全年齢での月収・年間賞与・年収の平均は、幼稚園教諭は月収が22.9万円、年間賞与が63万円、年収が337.7万円となっています。
保育園の場合は月収が22.8万円、年間賞与が65.8万円、年収が339.7万円となっています。
全年齢の平均で見た場合は保育士のほうが若干多くなっていますが、これは2017年度から始まった保育士キャリアアップ研修による処遇改善の影響が現れた結果のようです。
そこまで差はない
保育士側では厚生省が実施した保育士キャリアアップ研修などによる技術の取得、昇進などによって待遇の改善が行われたため、それが無い幼稚園教諭とは若干の差が見られましたが、通常であれば大きな差異はなく給与は同程度貰えるようです。
特にこれからは幼稚園と保育園の一元化が行われる傾向があるので、業務内容に大きな変化でも起きない限りは、これからも給与面での違いが広がるとは考えにくいでしょう。
両方の資格を持っていると有利?
両方の資格があると、選択肢が広がる
幼稚園と保育園の一元化の流れからも、幼稚園生と保育園生のどちらも対応できるように両方の資格を求められるケースが増えていくと見られます。
また一般的には保育園と比べると、認定こども園は給与が高めに設定されていることが多く、月収・年収面でも2つの資格を持つことは非常に有利でしょう。
全ての園が一元化できてはいない現状としては、2つの資格があるということはそのまま職場の選択肢が広がることに繋がります。
保育園は満員だけど幼稚園なら人材の募集を行っているという場合や、その逆のケースに備えるために両方持っておくことは重要です。
就職にも有利になる
また将来子供を私立の学校に入れたいと考える保護者が増加しており、それらの要望に対応するためにプリスクールという小学校受験に備えた受験対策を行う保育施設があります。
保育園や幼稚園が終わってから通う塾のようなもので、そうした施設への就職希望の際も両方の資格を持っていることは面接時に有利に働くでしょう。
プリスクールではおおよそ英語教育を目的に入れる保護者が多く、英語指導出来る能力が求められるので、英語関係の資格を持っている場合にこの選択肢が入ってきます。
両方の資格を取っておくととても有利
保育士と幼稚園教諭はそれぞれにおいて実務や給与面での大きな違いはないのが現状ですが、資格と免許状の2つともを取得することで就職・転職や給与にとって有利になることが分かりました。
大学での取得を目指しているのであれば、是非とも両方取っておきたい資格です。
幼稚園・保育園の現場は待遇の見直しに関しても動きがあり注目されている分野ですので、これから資格を目指す人は頑張って取得しましょう。
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