『介護職員初任者研修』ってどんな資格?取得するメリットや注意点は?

介護職員初任者研修は、介護職を目指す上でスタートラインとなる資格です。

これから介護業界に転職しようとしている人だけでなく、将来のために介護を学びたい人は多いでしょう。

「介護の資格って実際よくわからない…」

「初任者研修ってどんなことをするの?」

など、介護職員初任者研修についてよくわかっていないという人もいるのではないでしょうか?

ここでは介護職員初任者研修の概要や取得するメリット・注意点などを詳しくご紹介します!

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介護職員初任者研修って?

厚生労働省によると、介護職員初任者研修は次のように定められています。

「介護職員初任者研修は、介護に携わる者が、業務を遂行する上で最低限の知識・技術とそれを実践する際の考え方のプロセスを身につけ、基本的な介護業務を行うことができるようにすることを目的として行われるものである。」

なにやら難しい言い回しですが、つまりは、
「介護職員初任者研修を受けることで、介護の基本的な知識や技術を身につけられる
ということなんです!

介護職員初任者研修は介護のスタートラインに立つための資格とも言われており、誰でも受講することができます。

介護の仕事を目指している方や、将来のために学びたいという方までどなたでも幅広く挑戦できる資格です。

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介護職員初任者研修を取得するメリットは?

では、介護職員初任者研修を取得すればどんなメリットがあるのでしょうか?

介護職のスタートラインに立てる

今まで介護に携わった経験がなく、全くの未経験という方でも介護職員初任者研修を取得すれば介護職のスタートラインに立つことができます。

介護職員初任者研修は、介護の基本となる知識や技術などを学習する内容となっているので未経験でも問題ありません。

むしろスタートラインに立つための資格なので、挑戦する方のほとんどが未経験ともいえるでしょう。

介護のお仕事についても学ぶことができますし、介護業界に携わるかどうか迷っている方にもおすすめですよ。

就職・転職に有利!

介護職(主にケアワーカー・介護職員)では、基本的に無資格でも就職することが可能ですが、なかには、介護職員初任者研修の資格が必須のお仕事や採用に優遇してもらえる場合も!

例えば、サービス付き高齢者向け住宅や訪問介護事業所などでは、介護職員初任者研修の資格がないとお仕事ができないという決まりがあるので資格必須となっています。

その他の施設や事業所でも、独自の採用基準として資格を必須としているところもあれば、優遇という形で採用に繋がりやすいという場合もあります。

もし、就職・転職を考えている場合はぜひ取得したい資格です。

介護職員初任者研修は未経験でも取得可能ですし、研修を受けておくことで基本的な知識やスキルが身につくので、お仕事を始めてからでも安心です!

将来の介護に役立てられる

介護のお仕事に携わりたい方でなくても、介護職員初任者研修の資格が役に立つ場合があります。

それは、将来的に家族などの介護が必要になる場合です。

あなたは、2025年問題をご存知でしょうか?

2025年問題とは、戦後ベビーブーム世代の人々が2015年に前期高齢者(60~74歳)に突入し、その10年後には高齢者人口が約3,500万人に達すると言われている問題です。

高齢者の世帯が約37%に達する見込みが立てられており、医療や介護の需要が非常に高くなると言われています。

今後、病院などでは早期退院を目標に、十分なリハビリをする期間がなくても疾病が回復した時点で退院させる方針と変わっていき、介護施設の需要が高まります。

しかし、介護施設も人手不足となっているため、結果的に在宅介護を余儀なくされる家庭も…。

ある日突然、両親の介護が必要になったら、十分な介護を行えるでしょうか?

将来的に介護をすることができるように、介護職員初任者研修の資格を取得する方も多く、自分にも家族にも安心を与えることができる資格です。

高齢の両親や親族がいらっしゃる方は特に取得しておきたい資格となっています。

キャリアアップや昇給に繋がる

すでに介護職員としてお仕事をしている方でも、介護職員初任者研修の資格を取得すればキャリアアップを目指すことができます。

介護職員のキャリアアップの大まかな流れは、次のようになっています。

  1. 介護職員初任者研修
  2. 実務者研修
  3. 介護福祉士
  4. 認定介護士やケアマネジャーなど

介護職員としてキャリアアップを目指したいという方は、まず介護職員初任者研修の資格を取得する必要があります。

また、介護施設や事業所によっては介護職員初任者研修の資格を持っていると昇給や資格手当の付くところも多く、収入のアップにもつながる資格なんです。

介護職との相性がわかる

介護職員初任者研修の資格取得をおすすめする理由の1つに、介護職との相性をチェックするためという意味合いがあります。

私自身、介護職の現場で3年間勤務していたことがありますが、早期離職や退職されていく方の大きな理由が「介護職が肌に合わない」という内容でした。

私はとても楽しく介護に携わっていましたし、介護施設や事業所には10年以上勤務しているベテランのスタッフもいました。

せっかく就職をしても、合わなかったと辞めていくのは、本人にも職場にも負担になってしまいますよね。

仕事の合う・合わないはどこにでもありますし、特に医療福祉の業界は大変なことも多く、他の業界から転職した方や未経験の方は仕事が合わず辞めてしまうことも…。

自分が介護職として働いていけるのかどうか見極めるという意味でも、介護職員初任者研修を受けてみることがおすすめです!

肌に合えばそのまま就職をめざすこともできますし、合わなかった場合でも将来的な知識として持っている分に損はありません。

まだ就職に迷っていたり、できるかどうか不安だという方はまず介護職員初任者研修を受けてみてはいかがでしょうか。

介護職員初任者研修でどんなことを学ぶ?

実際に介護職員初任者研修ではどのような内容を学んでいくのか気になりますよね。

ここからは介護職員初任者研修の学習内容を詳しく解説していきます。

学習内容 学習時間
1.職務の理解 6時間
2.介護における尊厳の保持・自立支援 9時間
3.介護の基本 6時間
4.介護福祉サービスの理解と医療との連携 9時間
5.介護におけるコミュニケーション技術 6時間
6.老化の理解 6時間
7.認知症の理解 6時間
8.障害の理解 4時間
9.こころとからだの仕組みと生活支援技術 75時間
10.振り返り 4時間
合計 130時間

介護職員初任者研修は合計130時間の講義と演習を受けることで取得することができます。

表を見ると少し難しく感じるかもしれませんが内容はそう難しくありません。

各項目を簡単に見ていきましょう。

1.職務の理解

介護職はどんなお仕事かを理解する内容です。

介護職やサービスの種類・施設の種類などを理解します。

介護をすることだけが介護職のお仕事ではなく、その概要を学びます。

2.介護における尊厳の保持・自立支援

とても難しい表現ですが、介護をするうえで大切な尊厳や権利など、介護は高齢者の自立支援をする必要があることを詳しく学びます。

3.介護の基本

介護職の専門性や倫理的な内容、介護職のリスクマネジメントなど介護職員として働くために理解しておくべきことを学びます。

4.介護福祉サービスの理解と医療との連携

日本や各自治体で行われている介護や福祉に関してのサービスや制度とその理念を詳しく学びます。

介護職員として連携していくべき医療・リハビリとの繋がりも理解します。

5.介護におけるコミュニケーション技術

介護職員として、高齢者とのコミュニケーションは欠かせません。

コミュニケーションのために理解しておくことや、その方法などを学びます。

6.老化の理解

加齢によって生じる心身の変化を理解します。

解剖生理学的に詳しく学ぶためとても面白い内容です。

7.認知症の理解

介護施設に入所・通所する高齢者はほとんどが認知症を患っています。

認知症の疾患や症状などを詳しく学びます。

8.障害の理解

障害についての概要や心身への影響とケアについて学びます。

9.こころとからだのしくみと生活支援技術

実際に学んだ内容をもとに、実技演習を行います。

介護として必須な、「車いす介助」「入浴介助」「着脱介助」「体位変換」など基本的な技術を学びます。

10.振り返り

研修全体の振り返りや、疑問点を解消します。

試験内容や合格難易度は?

介護職員初任者研修には、カリキュラムを全て履修した後、修了試験が行われます。

内容は選択式・記述式合わせて32問以上。

合格点数は100点満点中70点とされていますが、研修の内容をしっかりと理解しているのかどうかを見る内容となっています。

基本的には講義と実技の講習をしっかりと受けることで取得できる資格です。

そのため難易度はそこまで高くなく、きちんと通学や課題、復習をすれば合格できるでしょう。

スクールや講座によっても異なりますが、履修科目のうち40.5時間は自宅学習が認められています。

自宅にいながら講義内容をテキストで学び、レポートや課題で添削を受けることも可能です。

実技は必ず通学で演習を受ける必要があるので注意しておきましょう。

講義や実技を少しでも怠ると、科目認定がなされないため、試験よりは日頃の通学や勉強が重視されます。

資格取得にかかる期間は1.5か月~4ヶ月程度となっています。

介護職員初任者研修はこんな人におすすめ!

介護職員初任者研修に向いている人の特徴をご紹介します!

高齢者と接することが好きな人

高齢者と接することが好きな人や、高齢者との関わりが苦にならない人は介護職初任者研修に向いています。

介護について130時間学んでいくため、高齢者との関わりが好きでないとなかなか続きません。

介護職を目指すのであればなおさら、高齢者との関わりが苦でない人が向いているといえるでしょう。

いままでの経験の中で、高齢者との関わりを思い出してみましょう。

コツコツと勉強を続けられる人

短期集中の養成講座であれば1.5ヶ月で取得できる資格ですが、在職中の方や主婦の方などが通うのはなかなか難しいですよね。

とはいえ4ヶ月間コツコツと勉強するのはそれなりの根気と努力が必要です。

時間をかけて取得する方は特に、しっかりと継続した勉強を意識することが重要です。

短時間でも時間が取れる人

毎日短時間でも勉強のために時間が取れるかどうかも重要なポイントです。

全く時間が取れないという方には難しい資格となっています。

というのも、資格試験のために勉強をすることよりも、理解をすることが大切な資格なので、毎日短時間でも勉強や復習を繰り返す必要があります。

今は時間がないという人は生活を見直して勉強する時間を確保しましょう。

休まず演習に通える人

介護職員初任者研修は休まず通学することが大前提の資格です。

1つでも科目を落としてしまう(休んでしまう)と、修了試験を受けることができません。

特に実技演習は必ず通学なので休まないよう通える方でないと難しくなります。

体調管理やスケジュール調整をしっかりとできる人に向いている資格です。

コミュニケーションが得意な人

コミュニケーションが得意な人も介護職員初任者研修に向いています。

介護職は高齢者とだけではなく、他のスタッフや多職種とのコミュニケーションが非常に重要です。

コミュニケーションや連携を取りながら働くのが苦手な方には難しくなってしまいます…

最低限のコミュニケーションができる人や、コミュニケーションが得意な人にはピッタリな資格なので、是非挑戦してみてくださいね。

すでに介護職として働いている人

すでに無資格の介護職として働いている方にはスキルアップの意味合いや、仕事を振り返るためにもおすすめです。

現場で働いていると、介護技術や知識を振り返る時間がなかなか取れませんよね。

介護職員初任者研修を受けることで日々の介護技術を振り返ったり、正しい知識を思い返すキッカケにもなります。

無資格で介護職に従事している方は、是非取得を目指してくださいね。

介護職員初任者研修の受講の注意点

介護職員初任者研修に関する注意点をご紹介します。

もし、あなたが取得を目指しているのであれば、確認しておきましょう。

通信講座では取得できない

介護職員初任者研修は講義+実技が必須であるため、通信講座での取得はできません。

通学の時間が確保できないと取得が難しい資格になるため、注意が必要です。

スケジュール調整や体調管理にも注意し、欠課がないようにしましょう。

国家試験を目指すなら実務者研修が必須

もし、介護職のキャリアとして介護福祉士の国家資格を目指している場合は「実務者研修」の資格取得が必須です。

介護福祉士の資格を実務経験ルートから取得する場合、

  1. 介護施設や事業所での実務経験3年以上
  2. 実務者研修の取得
  3. 介護福祉士国家試験の合格

という流れになります。

実務者研修は応用的な内容になるため、まずは介護職員初任者研修の取得が基本的です。

介護職員初任者研修のみでは国家試験の受験資格が得られないので注意しておきましょう。

職場の資格取得制度を確認しよう

無資格で介護施設や事業所で既にお仕事をされている方は、職場の資格取得制度を確認しましょう。

実費で受講すると最低でも50,000円、高くて100,000円程度の費用がかかります。

職場で資格取得制度を設けている場合、一部又は全額を会社が負担してくれる場合もあります。

受講を検討している方は必ず職場に確認しておきましょう。

各スクールの学習方法を確認しよう

スクールによっては、講義内容は通信講座方法で、実技のみ通学というスクールもあります。

できるだけ在宅学習をしたいという方はスクールの学習方法を確認しておきましょう。

短期集中型(1.5か月で修了)のスクールは、全て通学という場合もあるため注意が必要です。

生活スタイルや環境に合わせてスクールを選択するといいでしょう。

職業訓練校で取得できる場合も

各自治体には職業訓練校で介護職員初任者研修を受けることができる場合もあります。

特に転職を目指している方は、こちらの制度を利用できる可能性が高いため確認しておきましょう。

職業訓練校に講座がある場合でも、介護職系の内容は人気ですぐに定員が埋まってしまうこともあるため注意が必要です。

基本的に職業訓練校ではテキスト代のみ1万円前後で受けられる場合も多いため、経済的な面が気になる方はチェックしておくといいでしょう。

まとめ

介護職員初任者研修は介護のスタートラインに立つための資格です。

介護に興味のある方や将来のために学んでおきたい方など、介護の知識を基礎から学ぶことができるためおすすめの資格となっています。

この記事を読んで気になる方はお近くのスクールをチェックしてみてくださいね!

あなたの学習や努力を応援しています!

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