医師、看護師などはどんな時代でも人気のある資格です。
安定を求める今だからこそ、手に職をつけられる医療分野への就職や転職を考えている人は多いのではないでしょうか。
今回の記事では、看護や医療に関するおすすめの国家資格7選をご紹介していきます。
看護師
看護師って?
学生にも人気が高い職業である看護師は、病院で治療を受けている患者さんの世話、医師の診療補助などを行います。
実は看護師は正看護師と准看護師に分かれており、前者は国家資格であるのに対し、後者は都道府県での発行という違いがあるのです。
正看護師の方が許可されている医療行為が圧倒的に多いですし、キャリアアップも目指せることから、ほとんどの人が正看護師を目指しています。
また、看護師の上級資格として保健師・助産師があり、学生のうちからこの2つを目指している人も多いです。
医療という分野であるため景気に左右されることなくニーズは常に高く、出産などからも現場復帰しやすいので、安定した職を求めている人からはかなりの人気を集めています。
看護師の仕事内容は?
看護師の仕事は、患者の世話・医師の診療補助が主な仕事ですが、定められた医療行為も行います。
看護師が働けるフィールドはかなり広く、国内の病院はもちろん個人のクリニックなどの医療機関だけではありません。
特別養護老人ホームや保育園・幼稚園、発展途上国への医療協力など世界中で活躍することが可能です。
また、専門の養成コースを受講することで、大学・短大・専門学校などで看護教員になる選択肢もあります。
看護師になるには?
看護師の取得をするには、高校卒業後に看護師の養成学科のある専門学校・短大・大学を卒業し、国家試験を受けることが一般的です。
他には、中学卒業後に看護学科がある高校へ進学し、5年間の教育を受けたあとに国家試験を受ける方法もあります。
准看護師の資格を持っている場合は、看護学校に2年間通った後に国家試験を受けることが可能です。
作業療法士
作業療法士って?
作業療法士とは、手の動作や指の細かい動作などを通してリハビリテーションを行う専門家です。
その他にも、精神分野のリハビリテーションを行うこともあり、リハビリテーションを通して色々な分野で活躍することができます。
国家資格であること、医療の分野でもあることから、信頼されている資格の1つです。
作業療法士の仕事内容は?
作業療法士の仕事はリハビリテーションの提案をして実践することです。
生活の中の動作やレクリエーションなど、日々の作業活動を通じてリハビリテーションに繋げることで、生活応用力の向上を促していきます。
作業をリハビリテーションに応用することは精神分野にも効果的です。
そのため、精神科のある病院やクリニックで働く作業療法士もたくさんいます。
手に職をつけられる分野なので、結婚・妊娠・出産などで一度仕事を離れることがあっても、すぐに復帰できるなどのメリットもあります。
作業療法士になるには?
作業療法士の資格を取得するには、作業療法士の養成課程を置く学校で3年以上の修学・所定の課程を修了しなければなりません。
学校を卒業することで、国家試験の受験資格を得ることができます。
作業療法士の養成課程がある学校には、専門学校・短大・大学などがありますが、専門学校・短大は3年で卒業なので早めに就職することが可能です。
大学の場合は4年で卒業ですが、専門学校・短大と比べると1年長いため、余裕を持って勉強や実習ができます。
高校からの進学が必須であるため、高校卒業・高卒認定の資格のどちらかが必要です。
理学療法士
理学療法士って?
理学療法士は、運動療法だけではなく温熱・電気などの物理療法を利用したリハビリテーションの専門家です。
体に障害がある人に対して、座る・立つ・歩くなどの基本動作能力の回復や障害の悪化予防を目的としています。
同じリハビリテーションの資格に作業療法士がありますが、医学的にリハビリテーションを行うか、作業を通じてリハビリテーションを行うかという違いがあります。
理学療法士の仕事内容は?
理学療法士の主な仕事は、医学的な立場から見て、立つ・起きる・歩くなどの基本動作のリハビリテーションを計画・実践することです。
リハビリテーションの例としては、平行棒を使って行う歩行訓練やベッドから起き上がる動作の訓練などが挙げられます。
機能回復はもちろんですが、回復した機能の維持・悪化の予防など、高齢化社会となっている現在ならではの活躍も期待されています。
多くの人から頼りにされ、色々な病院・クリニックで活躍することが可能です。
理学療法士になるには?
理学療法士になるためには、理学療法士の養成施設で3年以上の修学・所定の課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。
専門学校・短大に進学した場合は最短ルートでの資格取得になるため、早く理学療法士になることができます。
大学の場合は1年間長くなりますが、その分余裕を持って勉強や実習に励むことができるでしょう。
社会人でも夜間の学校に通うことで受験資格を得ることができますが、学業と仕事の両立を3年間行わなくてはなりません。
家族など周囲の人と相談しながら自分に合った学校を探しましょう。
言語聴覚士
言語聴覚士って?
言語聴覚士とは、言葉でのコミュニケーション能力に問題がある人に、能力向上を図るため、訓練を計画・実行する専門家です。
病気・ケガで上手く話せなくなってしまった人だけではなく、言葉の発達が遅れている子どもに対しても訓練を行うため、訓練対象となる年齢はかなり幅が広くなっています。
聴覚に関しての訓練も行うため、言葉と聞こえの専門家とも言えるでしょう。
働く場所では病院が頭に浮かぶ人が多いですが、実際は色々なところで働く言語聴覚士がいます。
例えば、高齢者を専門に対応する介護老人保健施設、子どもの発達の遅れに対応する療育施設、放課後デイサービスなど、福祉・教育の分野に携わることも可能です。
高齢化社会だからこそ、在宅で生活できるようなリハビリの必要性が高まっており、どんどん活躍できる現場が増えています。
言語聴覚士の仕事内容は?
ことば・聴こえなどコミュニケーションに関することだけでなく、食事の飲み込み・記憶など、生活で重要な分野のリハビリも行います。
人が言葉を発するとき、声帯や唇・舌などを使用します。
言葉を発するために必要な運動機能の回復を行い、少しでも上手く発することができるように訓練を行うのです。
また、聞こえの場合は補聴器・人工内耳などのリハビリを行い、よく聞こえるように訓練していきます。
高齢者の難聴もあるため、その人の年齢や状態によって訓練方法を変えていくことも言語聴覚士の仕事です。
コミュニケーションが現在よりももっと上手にできるようになり、もっと笑顔が増えるようにしていく仕事と言えます。
言語聴覚士になるには?
言語聴覚士になるためには、専門の養成施設で国家試験の受験資格を得ることが必要です。
専門学校・短大・大学が養成施設として挙げられますが、進学するためには高校卒業の資格が必要になるため、高校を卒業するか高卒認定の資格取得が先になります。
中卒で言語聴覚士を目指すという場合は、高卒認定の取得を最優先に目指しましょう。
養成施設の専門学校・短大・大学の違いは、主には在学年数です。
専門学校・短大の方が早く卒業できるので早めに言語聴覚士になることができますが、大学は4年通うことになります。
専門学校・短大と比べると遅くなりますが、その分色々な分野の勉強ができますし、余裕を持って取り組むことが可能です。
歯科衛生士
歯科衛生士って?
歯医者へ行くとほとんどいるのが歯科衛生士です。
歯科衛生士は、歯科医の指導に基づき患者さんの虫歯・歯周病の予防措置や歯科医の治療補助を行います。
一見資格がなくてもできるように思えますが、歯科医・歯科衛生士にのみ許可されている行為はかなり多くやりがいのある仕事です。
また、歯科衛生士を募集している歯科医院は多く、全国どこでも仕事ができるので主婦の方にもおすすめな資格になります。
歯科衛生士の仕事内容は?
歯科衛生士の具体的な仕事内容は、歯科診療補助・歯科予防処置・歯科保健指導などです。
歯科診療補助は資格がなくてもできることがありますが、歯科予防処置・歯科保健指導は歯科衛生士や歯科医でないと行うことができません。
歯科予防処置とは歯のクリーニングや歯石の除去、フッ素の塗布など、患者さんの歯に直接触れ処置を行うことで、知識だけではなく技術も必要な行為です。
歯科保健指導は、患者さんの年齢や体の状況を踏まえて、歯の健康を維持したり、よりよくするための指導を行います。
子どもへの歯磨き指導など、正しい指導を行うためには正しい知識が必要なのです。
歯科衛生士になるには?
歯科衛生士の養成機関で3年以上の修学・所定の課程を全て修了することで国家試験の受験資格が得られます。
養成機関は専門学校・短大・大学などがありますが、専門学校・短大を選択する人がほとんどで、高校を卒業しているか、高卒認定の資格が必要です。
これは必須であるため、最終学歴が中学という方で歯科衛生士を目指している場合は高卒認定の資格取得が最優先となります。
国家資格は約95%と高い合格率で、学校でしっかり学び対策をすれば資格取得も十分目指せるでしょう。
歯科技工士
歯科技工士って?
歯科技工士とは、入れ歯・差し歯・歯の被せ物・矯正装置などの歯科修復物の作成・修理を行うプロです。
楽しく美味しくものを食べるには歯が必要ですが、歯が抜けてしまったり歯が弱かったりして楽しめない人が多くいます。
そんな人が歯科技工士の作成するものを必要としているのです。
歯科技工士の約70%が歯科技工所、約30%が病院・診療所に就職します。
全国に約1万5000ヶ所ある歯科技工所では、歯科技工士が集まり、歯科医院から入れ歯や詰め物などの注文を受け、製作・納品しています。
歯科医院の場合には、作ったものを実際につける人とコミュニケーションを取れるため、よりその人にぴったりのものを作れるというメリットがあるのです。
歯科技工士の仕事内容は?
歯科技工士の仕事は歯科修復物の作成・修理です。
そのためには歯科医師の指示書が必要で、その指示書に従って作成をします。
歯科技工物には健康保険の適用があるもの・ないものがあり、保険適用の場合は安価で購入することができますが、使える材料に制限があります。
自由診療の場合は制限がありませんが、その分高額になることが多いです。
歯科技工士になるには?
歯科技工士養成機関には、専門学校・短大・大学が挙げられますが、専門学校の数が多いため、ほとんどが専門学校への進学です。
夜間の3年制を設けている学校もあるので、仕事と両立しながら歯科技工士を目指している人も多くいます。
臨床検査技師
臨床検査技師って?
誰もが一度はやったことのある、尿検査や血液検査などの検査をするのが臨床検査技師です。
血液や尿以外にも心電図などの検査にも関わるため、病院での検査のエキスパートなのです。
就職先には、病院・クリニック以外にも民間の臨床検査センターなどがあります。
病院・クリニックだと試験結果を提示できるまでも早いので、患者さんの病気も見つけやすいことがメリットです。
臨床検査センターでは、病院で取り扱わないような特殊な検査を行うこともできます。
臨床検査技師の仕事内容は?
臨床検査技師の仕事内容は、血液や尿から細菌やウイルスを調べ、病気の原因を特定することです。
検査は主に2種類あり、組織片などを取り出して検査する検体検査、脳波検査・心電図検査など、体の器官からデータを採る生体検査です。
例えば血液検査は検体検査、聴力検査は生体検査となっています。
受けたことのある身近な検査も、臨床検査技師の仕事の内容となっているのです。
臨床検査技師になるには?
受験資格を得るには、臨床検査技師の養成施設で3年以上修学・所定の課程を全て修了することが条件です。
専門学校や大学に臨床検査技師の学科を設置しているところが多く、専門学校は3年、大学は4年で卒業します。
専門学校は大学よりも短い年数で卒業できるため、早めに臨床検査技師としての実績を積むことが可能です。
夜間の学科を設置している学校もあり、社会人でも仕事をしながら臨床検査技師の資格取得が目指せます。
大学は専門学校よりも1年長いぶん、余裕を持って学習や実習に取り組めるほか、大学院に進学して学びを深めるという選択肢もあるのです。
まとめ
医療の分野であることから、ここで挙げた資格全て養成学校に通わないと受験資格を得ることができません。
高校を出て養成学校にすぐ進学する人もいますし、仕事と両立しながら学習をする社会人もいます。
医療は景気に左右されないためいつでも人気のある分野で、取得した資格は一生使えて仕事に活かすことが可能です。
自分に合った資格を取得し、活躍を目指したいですね。