慢性的なストレスを抱えて心身の不調を訴える方は多く、メンタルヘルスケアの重要性が高まっています。
もし心理学などに興味があり、メンタルヘルスについて専門的に学びたいなら、こころ検定がおすすめです。
この記事では、こころ検定のメリットや試験内容、難易度など詳しく説明していきます。
こころ検定とは?
こころ検定とは、メンタルケア学術学会が主催している、心理学などこころの教育を普及することを目的とした資格です。
家庭や学校、職場でストレスを抱えている人は多く、メンタルヘルスケアの重要性が認識されています。
こころの問題に関心を持っているならば、こころ検定の資格取得を目指しましょう。
また、こころ検定は文部科学省が後援しており、信頼度が高いところが大きな特徴です。
心理学について専門的に学びたい方や、福祉もしくは教育の仕事に就きたい方にも最適と言えるでしょう。
1級から4級まで用意されているので、難易度を考慮しながら挑戦することができます。
受検するメリットは?
自分のこころに対する理解が深まる
こころについて考えた時、抽象的に捉える方が多いのではないでしょうか。
しかしこころ検定の資格を取得すると、こころについて科学的に解明することができるようになります。
知識や感情、認知や意思、記憶など、こころの領域は広範囲です。
各特徴を完全に把握することで、こころに関する理解が深まっていくでしょう。
こころの成長につながる
こころ検定の勉強をすることによって、客観的に自分自身のこころを見つめられるようになります。
今まで分からなかったことが明確になり、不安や悩みが軽減するケースも多いのです。
こころの動きについて理解することができるようになるので、こころのバランスを意識した生活を実現します。
こころを上手にコントロールすることで、満足感や幸福感を得やすくなる点は大きなメリットですね。
カウンセリング技法などが身につく
こころ検定のカリキュラムには、カウンセリング技法も組み込まれています。
福祉や教育などの現場では、心理学に詳しいカウンセラーが活躍するケースが増加しています。
カウンセリング技法を身につけていれば、現場で落ち込んでいる人がいたとき、日常生活などでも役立てることができるでしょう。
試験について
こころ検定は1級から4級まで分かれているため、目標に応じて自分に合う検定を選択しましょう。
学科の試験方法は、会場でコンピューターを使って受験するCBT方式で、3級と4級が60分、1級と2級が120分の試験時間です。
解答形式は四者択一ですが問題数は各級によって異なり、合格基準は正答率70%以上となっています。
また、こころ検定に合格したら、約1ヶ月後に検定合格証が送られてくるので、資格取得の証明として大切に保管しておきましょう。
2級から4級までは受験資格が無いためどなたでも挑戦できますが、1級についてはこころ検定2級合格者、もしくはメンタルケア心理士(R)資格登録者でなければ受けることができません。
さらに、1級のみ、CBT試験とともに実技と口述試験が課されていますが、問題数や合格基準、試験時間は非公開です。
この実技と口述試験は、1級のCBT試験に合格した方のみ申し込むことができます。
なお、検定料は各級によって異なるので、申し込む場合には必ず確かめましょう。
2級から4級までは併願して受けることも可能です。
難易度について
こころ検定を受ける場合は、難易度に応じて級を選ぶことが大切です。
4級・3級
4級は難易度が低いため初心者向けの級です。
問題数も少なく、認知や感情など基礎心理学が出題範囲になります。
3級もあまり難易度が高くなく初心者向けですが、出題範囲に教育や適応などが含まれます。
こころ検定で学んだことを、実際の現場で活かしたい方におすすめと言えるでしょう。
また、4級と3級の勉強方法は、こころ検定公式テキストの利用が最適です。
各級ごとに問題集も販売されており、検定試験に備えた学習ができます。
4級と3級は独学で勉強する方が多く、約1ヶ月から2ヶ月の学習期間が目安です。
2級・1級
2級からは難易度が高くなり、心と体の関係など基礎的な医学も学習範囲になってきます。
カウンセリング技法など実践的なカリキュラムも含まれており、カウンセラーとして活躍したい方に適しているでしょう。
1級はさらに難易度が上がり、精神医科学や心理療法など専門的な勉強をします。
2級と1級は難易度が高いので、確実に合格したいなら通信講座を利用する方法がおすすめです。
通信講座では添削を行ってくれるため、自分の苦手な問題を克服することができます。
特に、1級は実技や口述試験に備える必要があるので、念入りに対策を練ることが合格の秘訣です。
通信講座を受ける期間の目安は半年程度を見ておきましょう。
難易度が上がる可能性も
こころ検定は2018年からスタートした検定試験で、これから検定を受ける方が増加すると予測されています。
また、より優れた人材を確保することを目的として、試験の難易度が上がることもあるでしょう。
早めに初心者向けの4級もしくは3級を受けて、検定試験に慣れておくことが大事です。
なお、1級は検定試験の難易度が高いことで知られており、合格すると就職試験で採用される確率が上がります。
活躍の場所は?
メンタルケア業務
こころ検定の資格を取得すると、メンタルケアの業務に就きやすくなります。
特に、1級と2級の検定合格証を持っていると現場でも重宝されるでしょう。
医療機関以外にも、自治体のメンタルケア業務に関わるケースも多いのです。
他にも、産業カウンセラーとして社員のメンタルケアを行うこともあります。
メンタルケアの重要性が広く知られるようになり、スタッフの健康管理のために、心理カウンセラーと契約する企業が増えると見込まれているのです。
さらに、メンタルヘルスケアを目的として設立されたNPO法人で活躍する方もいます。
福祉・教育関係
福祉や教育の現場においても、心理カウンセラーが果たす役割は大きいです。
とりわけ精神疾患を抱えた利用者がいる施設では、心理カウンセラーによるサポートは不可欠と言えます。
求人が増えているので、仕事を探しているならば、福祉や教育の現場を重点的にリストアップしましょう。
また、各公立学校に心理カウンセラーを配置する自治体も増えており、生徒だけではなく職員の相談に応じるケースもあります。
こころ検定で学べることは多い
メンタルヘルスに関心があるなら、こころ検定の勉強をしてみましょう。
感情や認知など基礎的な心理学はもちろん、専門的なカウンセリング技法まで身につけることができます。
もちろん各級ごとに難易度が異なるので、自分の目標に合わせて受験することが大切です。
1級や2級が就職で有利にはなりますが、まずは初心者向けの3級・4級から挑戦してみてはいかがでしょうか。