介護職の資格にはいくつかの種類があります。
その中の一つ、もっとも上級の資格に位置するのが認定介護福祉士です。
以前まで介護の資格は、ホームヘルパーや介護職員基礎研修などが混在している状態でしたが、2012年に制度の改正が行われ、資格のランクやキャリアパスが明確になりました。
今回の記事では、
- 認定介護福祉士の資格とはどのようなものなのか?
- 認定介護福祉士の役割
- 介護福祉士との違い
これらについて、詳しく解説します。
認定介護福祉士って?
認定介護福祉士とは、介護福祉士の上位資格にあたります。
2015年に介護福祉士のキャリアパスとして設定され、介護職員の意欲やスキルなどを向上させる目的があります。
認定介護福祉士は、さらに深い知識と技術を取得でき、他の介護職員への指導や介護の現場組織のマネジメントまでが仕事に含まれるようになります。
介護福祉士の主な仕事は実践的な介護ですが、認定介護福祉士は最上位の介護資格として業務がより広範囲で多岐に渡るのが大きな特徴です。
認定介護福祉士は介護サービス利用者の介助やサポートだけにとどまらず、現場の人間関係などで起こる様々な問題や働きやすい環境作りのために総合的に働くことができる資格でもあります。
認定介護福祉士と介護福祉士の違いは?
認定介護福祉士と介護福祉士は名前が似ているため混同されることが多いですが、この二つの資格は何が違うのでしょうか?
1.資格の違い
認定介護福祉士は民間資格で、介護福祉士は国家資格という違いがあります。
認定介護福祉士は試験がなく、資格取得のためには養成研修を受講し、研修修了後に申請が必要になります。
それに対し、介護福祉士は国家資格のため国家試験に合格する必要があります。
2.仕事内容の違い
認定介護福祉士は現場での仕事に加えて、リーダーとして中心となる役割が求められます。
看護師や医療チーム、リハビリスタッフと連携をとるための中心的な存在になるのです。
一方、介護福祉士は利用者の直接的な介助や介護などが主な仕事になります。
3.実務経験年数の違い
認定介護福祉士になるためには、介護福祉士として5年以上の実務経験が必要になります。
介護福祉士として実務を重ねたのちに、認定介護福祉士養成研修を受講します。
また、介護福祉士になるためには介護に関わる実務経験が3年以上必要です。
したがって、認定介護福祉士になるためには最低でも8年以上の実務経験が条件となります。
4.待遇面の違い
認定介護福祉士であれば待遇面が良いかと言えば、現状では明確ではありません。
また、それぞれの施設や事業所などで待遇が異なるため、どのような待遇が臨めるのかは断言することはできないでしょう。
ただ認定介護福祉士は介護の現場において中核的な存在を担うため、責任がある役職についていることが多く、その分基本給が高いことや手当がつくことが期待できます。
なお、介護福祉士も資格手当などがつく場合があります。
認定介護福祉士の役割について
介護現場での高度なサービスの提供
認定介護福祉士はいくつかの役割を求められる立場にあります。
一つ目の役割は、介護現場での高度なサービスの提供です。
深く豊富な専門知識と確かな経験に裏付けられた技術を発揮することが期待されています。
介護のスペシャリストとしてサービスの向上に努め、あらゆる利用者の希望に対応することで生活の質を引き上げます。
現場でのリーダー的な役割
二つ目の役割は、現場でのリーダー(サービスマネージャー)です。
介護の現場では様々な人が働いており、現場をまとめるためにはリーダーシップを発揮できる人材が必要になります。
その役割を担うことが期待されるのが認定介護福祉士です。
認定介護福祉士はチームのリーダーとして、新人などの人材を指導・育成します。
それに加え、病院スタッフ・看護師・リハビリスタッフと連携をとるのも、認定介護福祉士のリーダーとしての役割です。
地域包括ケアに携わる
三つ目に、地域包括ケアに携わるという役割があります。
地域包括ケアとは、高齢者の生活や介護の支援を地域の力で行おうという取り組みです。
具体的には、地域の高齢者を病院・介護・福祉サービスなどが連携をとってサポートしていくシステムになっています。
認定介護福祉士は地域包括ケアをすすめていくために他のスタッフと連携を取り、地域の高齢者を総合的にバックアップできる態勢や仕組みを作り上げるために尽力します。
認定介護福祉士になるには?
認定介護福祉士には、資格取得のための条件が3つ定められています。
- 介護福祉士資格を所持していること
- 介護福祉士としの実務経験が5年以上あること
- 認定介護福祉士養成研修において、600時間の講義を受講すること
介護の実務経験が問われることから、取得したくても誰でも受けることができる資格ではありません。
認定介護福祉士養成研修について
必要な時間数は?
認定介護福祉士になるための条件の一つである認定介護福祉士養成研修は、全科目で合計600時間かかります。
認定介護福祉士養成研修は、
- 認定介護福祉士養成研修I類
- 認定介護福祉士養成研修II類
の2つから構成されています。
認定介護福祉士養成研修I類が合計345時間、認定介護福祉士養成研修II類が合計255時間の受講時間になります。
カリキュラム内容は?
認定介護福祉士養成研修I類では、
- 医療やリハビリに関するカリキュラム
- 認知症に関するカリキュラム
などがあります。
それに対し、認定介護福祉士養成研修II類では、
- マネジメントに関するカリキュラム
- 自立に向けた介護実践の指導に関するカリキュラム
となっています。
認定介護福祉士養成研修は600時間のカリキュラムを修了するためには、一般的に1年半ほどの時間がかかりますので、効率よく養成研修を受講していくことが大切です。
受験資格は?
認定介護福祉士養成研修I類の受講要件は、介護福祉士として5年以上の実務経験が必要です。
また、認定介護福祉士養成研修II類の受講要件は、認定介護福祉士養成研修I類を修了していることが必要です。
さらに、認定介護福祉士養成研修I類と同様に、小チームのリーダーとしての実務経験と、居宅と居住の二つで生活支援の経験を持つことが望まれます。
資格試験の内容は?
認定介護福祉士になるためには資格試験はありませんが、レポートを提出する必要があります。
レポート課題を提出し承認を得なくてはいけません。
試験に合格した後は?
認定介護福祉士の資格取得のためは、認定介護福祉士養成研修を修了するなどの条件を満たすことが必要です。
その後、登録申請書などの必要な書類を提出して申請を行います。
提出した書類は試験センターで受理され、登録証が交付されるという流れになります。
認定介護福祉士として資格を取得した後には、介護職のキャリアパスにおける最上位資格者としての自覚を持って実務に当たることが求められます。
まとめ
認定介護福祉士は、介護資格の最上位として位置付けられています。
介護福祉士と名称が似ているため一緒にされることが多いですが、認定介護福祉士と介護福祉士の二つは異なる資格になります。
認定介護福祉士は介護の実務だけではなく、現場のリーダーとして人材を育成したり、他職種と連携をとって地域包括ケアにあたったりするなどの役割が求められます。
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