臨床工学技士とは?メリット・資格の取得方法・難易度など紹介

医療現場では、人の命にかかわるような医療機器を取り扱うことが多いです。

例えば、生命維持管理装置などは、常に安全に使用することができるようにメンテナンスが必要ですが、そういった業務に携わる臨床工学技士を知っていますか?

この記事では、臨床工学技士について、そのメリットや資格の取得方法・難易度などを紹介します。

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臨床工学技士とは?

区分 国家資格
カテゴリ 医療
受験資格 大学・短大・専門学校等で養成課程を修了
試験日程 毎年3月
試験方法 筆記試験
試験会場 札幌・東京・大阪・福岡
受験料 30,800円
登録・更新 合格後に要登録(9,000円)
更新は無し
難易度 3.0
おすすめな人 学生

臨床工学技士は、主に医療現場においてさまざまな医療機器が正しく使用されているか確認したり、異常がないか安全性を点検したりといった業務を行います。

略称で「CE(clinical-engineer)」や「ME(medical-engineer)」と呼ばれることもあります。

医療機器についてのさまざまな知識があること、患者への治療や検査がスムーズに行われるよう医療従事者とともに協力することなどが臨床工学技士には必要です。

仕事内容は診療科により様々

臨床工学技士の具体的な仕事内容は、病院やクリニック(診療所)といった勤務場所や、所属する診療科によって変わってきます。

例えば、院内の透析室に勤務する場合、血液浄化業務に従事することになるでしょう。

ここでは、穿刺・返血、透析中の装置や血圧の確認などを行います。

また、手術室では、医療機器を適切に使用できるよう保全・点検するのが臨床工学技士業務の一つです。

麻酔器や内視鏡、人工心肺装置、補助循環装置など医療機器の操作や管理の他、手術で使用される医療機器などのトラブルにも対処します。

さらに、集中治療室では、重症度の高い患者に対して24時間体制で医療機器の操作や点検をしたり、高気圧酸素治療室では高気圧酸素治療装置の操作や管理をしたり、心血管カテーテル室では検査や治療で使用されるポリグラフや医療機器の操作をしたりといった業務を行います。

その他にも、人工透析や内視鏡などを取り扱ったり、医療機関で使用される機器を安全に使用できるように管理や点検を行ったりといった業務も臨床工学技士の仕事です。

臨床工学技士のメリットは?

医療現場で活躍できる

臨床工学技士になることで、新しい医療技術を知る機会が必然的に増えるということがメリットとしてまず挙げられます。

医療現場では、より良い医療技術を提供するため、次々と新しい機器が開発されています。

そのため、臨床工学技士には、最先端の医療機器を取り扱うための知識や技術を常に身につけることが可能です。

そして、身につけたスキルはさまざまな医療現場において重宝されるため、自分が活躍できる場所を増やすことも期待できるでしょう。

やりがいがある

また、医療機器に関する知識を生かして研究者や教育者になるなど、臨床工学技士には将来性もあります。

さらに、人の命を救う医療現場で働くことは、人を助ける仕事に従事することになり、そこにやりがいを見いだすことができる点もメリットと言えるでしょう。

検査・処置などを行う場面で多くの医療機器を取り扱えるよう、臨床工学技士には幅広い知識や技術が求められます。

そのため、臨床工学技士として仕事に従事することは容易ではありませんが、以上のような点に魅力を感じて臨床工学技士として活躍している人も多いようです。

臨床工学技士の取得方法は?

臨床工学技士を取得するためには、臨床工学技士国家試験に合格しなければなりません。

受検資格を得るには、大学や短大、専門学校等で専門科目を学ぶ必要があります。

  • 大学:臨床工学科や医用生体工学科で4年間
  • 短大:臨床工学科で3年間
  • 専門学校:臨床工学科や臨床工学技士科などで3〜4年間

上記以外にも、医療系資格養成所や大学などで一定期間履修した人は、専攻科で1〜2年ほど履修することで受験資格を得ることができます。

試験科目は、医学概論や医用機械工学、生体物性材料工学、医用治療機器学、医用機器安全管理学など、医学と工学についてのさまざまな知識が問われます。

そのため、臨床工学技士の学校では、解剖学や生理学など人体に関わる勉強の他、機械工学や電子工学などの科目を中心としてカリキュラムが進められています。

臨床工学技士の難易度は?

受験者数 合格率
2023年 2,706人 85.4%
2022年 2,603人 80.5%
2021年 2,652人 84.2%
2020年 2,642人 82.1%
2019年 2,828人 77.5%

臨床工学技士の国家試験は、毎年約8割前後の合格率となっています。

したがって、それほど難易度の高い国家試験ではないと言えるでしょう。

対策としては、普段の授業をきちん受けて、自習やレポート作成をこなすことが大切です。

そして、国家試験では、医学・工学両面の知識が問われますが、学校の養成課程における授業内容が理解できていれば極端に難しくはないでしょう。

また、養成校で実施されている模擬試験や全国模試の過去問をきちんと復習しておくことも大切です。

臨床工学技士はこんな人におすすめ!

機械好きな人

臨床工学技士として働くことに向いている人として、まず機械に興味を持っている人があげられます。

医療現場では、新たな医療機器が導入される機会が多く、その度に、新しい機材の操作を覚えていくことになります。

そこで、もともと機械に興味のある人であれば、使用されているさまざまな医療機器に関する知識について、積極的に学んでいくことができるでしょう。

協調性のある人

医師からの指示に従って業務を行う臨床工学技士は、仕事の内容をきちん把握して責任をもって業務を行うことが求められます。

加えて、他の医療従事者とともに患者の治療にあたるため、常に周囲と連携することも必要です。

つまり、職種をまたいで周囲とコミュニケーションをとることのできる協調性のある人が臨床工学技士には向いていると言えるでしょう。

冷静な対応ができる人

その他に、臨床工学技士には冷静な対応も求められます。

医師指示のもとではありますが、現場では生命維持装置といった患者の生死を左右する医療機器を取り扱うことも少なくありません。

そういった場面でも冷静に対応することができ、またとっさの行動でも適切に判断できる人が向いています。

そして、医療現場での判断について、医療従事者としての強い責任感が求められているということを意識できる人であることも大切です。

医療機器の使用や安全管理は不可欠な業務

臨床工学技士になることで、医療機器の安全利用を目的に、多くの患者の治療に貢献することができるでしょう。

また、質の高い医療を提供するために医療機器の適切な使用や安全管理は不可欠であり、臨床工学技士は医師をはじめさまざま医療従事者から求められる存在でもあります。

そういったことにやりがいを見いだし、臨床工学技士を目指す人が多いようです。

記事の執筆者
LS編集部

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