サービス提供責任者になるには?仕事内容・給与・おすすめな人を解説

サービス提供責任者は、訪問介護サービスを提供する介護事業所において必ず必要な、無くてはならない存在です。

そんなサービス提供責任者とは、どうすればなれるのか?

また、仕事の内容や給与はどのくらいなのか?

「サービス提供責任者に関する疑問」を、介護福祉士として働いていたわたしが説明させていただきます。

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サービス提供責任者って?

まずは、サービス提供責任者(通称サ責)について説明させていただきます。

サービス提供責任者とは、訪問介護サービスを利用されている利用者様が質の高いサービスをしっかり受けられるようにサポートをする人です。

また同時に、介護サービスをご提供する際にケアマネジャーやホームヘルパーとの連絡・調整を行うコーディネーターとしての業務を行います。

ここがポイント!

指定訪問介護事業所では「40人の利用者に対し、1人以上のサービス提供責任者の配置」が義務付けられているということで、訪問介護サービスの要と呼べる存在です。

私は13年ほど前に高校卒業と同時に介護福祉士として働き始めましたが、個人的に現在憧れている職業の一つがサービス提供責任者だったりします。

サービス提供責任者になるには?

そんな重要な存在であるサービス提供責任者になるにはどうすれば良いのでしょうか?

介護事業所(居宅介護・重度訪問介護)の場合

居宅・重度訪問介護サービス事業所にてサービス提供責任者になるには、以下6点のいずれかを満たす必要があります。

  1. 介護福祉士資格を持っている方
  2. 介護福祉士実務者研修を修了された方
  3. 介護職員初任者研修を修了しており、なおかつ実務経験が3年(540日)以上ある方
  4. 旧資格である介護職員基礎研修を修了された方
  5. 旧資格であるホームヘルパー1級を持っている方
  6. 旧資格であるホームヘルパー2級を持っており、なおかつ実務経験が3年(540日)以上ある方

介護事業所(同行援護・行動援護)の場合

同行援護および行動援護の介護事業所にてサービス提供責任者になるためには、介護福祉士や介護福祉士実務者研修・介護職員初任者研修の資格取得以外に必要なことがあります。

まず視覚障がい者が外出する際の情報提供や支援を行う同行援護の介護事業所でサービス提供責任者として働く場合は、所持資格に限らず「同行援護従事者養成研修」を修了する必要があります。

「同行援護従事者養成研修」は20時間の一般課程と12時間の応用課程で構成されており、国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科の教科を履修した方は研修を受ける必要はありません。

一方、知的障がいや精神障がい・発達障がいによって日常的に介護が必要な方に対して支援を行う行動援護の介護事業所にてサービス提供責任者として働く場合は、所持資格に限らず「行動援護従事者養成研修」を修了しており、かつ1年以上の知的障がい者・精神障がい者の直接支援業務経験が必要です。

「行動援護従事者養成研修」は、10時間の講義と14時間の演習で構成されています。

初任者研修+実務経験3年でもなれる?

サービス提供責任者は、初任者研修+実務経験3年でもなることは可能です。

ただし給料も低く、資格としても介護福祉士や介護福祉士実務者研修の修了者が優遇されています。

ですので、現実としては厳しいと言えます。

サービス提供責任者の仕事内容は?

続いては、気になるサービス提供責任者の仕事内容をご紹介します!

訪問介護サービスの計画立案

ケアマネジャーが作成したケアプランと利用者様の自宅を訪問し面談を行うことで得た情報を基に、「解決すべき課題」「援助目標」「本人・家族の希望」といった計画を立てる訪問介護計画書を作成します。

また、作成した訪問介護計画書を利用者様やご家族様に説明し同意を得る必要もあります。

訪問介護計画書は1度作成したら終わりではなく、サービスの内容が適切か定期的に確認し更に良い計画へ変更することもあります。

ヘルパーへの指示や指導

サービス提供責任者は作成した訪問介護計画書の作成に沿って、ヘルパーに対し

  • 具体的な介護サービスの指示
  • 技術指導
  • 勤務のスケジュール調整
  • 業務進捗の管理
  • 急な欠勤時のフォロー

などを行います。

また、相談および問題発生時の対応や情報交換を行うことでヘルパーをしっかりサポートします。

利用者様により良いサービスを提供できるよう、そしてヘルパーが良い環境で働けるように動くのがサービス提供責任者だと言えるでしょう。

ヘルパー業務

初めてサービスを利用する利用者様の自宅へ訪問するとき経験の浅いヘルパーが訪問をする際に、サービス提供責任者が同行してヘルパーのサポートを行います。

また急なシフト変更やヘルパーの欠勤時には、上記の業務と並行して通常の訪問介護(ヘルパー)業務も行います。

ただしサービス提供責任者と管理者を兼務している場合、加えてヘルパーとしての3役を兼務することは業務に支障が出る可能性があるとして禁止されています。

事務作業

作成した介護プランの目標・役割分担といった情報の共有や意見交換を行う「サービス担当者会議」に参加します。

そこでケアマネジャーが作成したケアプランの確認を行い、利用者様に必要なサービスの提案も行います。

また、事業所によっては

  • 介護報酬の請求のための事務作業
  • サービス提供時の契約などの手続き

といった作業を行う必要もあります。

ケアマネジャーとの違いって?

ケアマネジャーとサービス提供責任者の仕事内容は類似点が多くあります。

例えば

  • 利用者様自宅への訪問
  • 在宅生活を支援するために適したサービスの調整
  • 書類を作成

などです。

一方、大きな違いは「ケアプランを作成するかどうか」です。

ここがポイント!

ケアマネジャーはケアプランを作成しますが、サービス提供責任者はケアプランの作成はしません。

またケアマネジャーは「利用者様に対して福祉サービスを提供している全ての機関」の調整を行いますが、サービス提供責任者はヘルパーとケアマネジャーと利用者様を繋いでより良いサービスが提供できるように調整を行います。

更にケアマネジャーは介護業務を行いませんが、サービス提供責任者は訪問介護業務やヘルパーの育成といった現場と関わる仕事を行います。

サービス提供責任者の平均給与は?

サービス提供責任者の月給は、事業所にもよりますが平均月給21~23万円です。

もしも介護福祉士の国家資格を取得している場合は、更に月給は増えるようです。

ホームヘルパーの月給は平均19~20万円ですので、1万円~多ければ4万円もの違いがあるようです。

その分ヘルパーよりも忙しくはなりますが、仕事自体も遣り甲斐がありよりステップアップすることが可能です。

ここで個人的な意見なのですが、わたしが13年前に介護福祉士として働き始めたときの月収は夜勤手当などを加えても15万前後でした。

なので、介護職員の需要と同時に給料もアップしているように感じました。

サービス提供責任者はこんな人におすすめ!

多種多様な業務をこなす必要のあるサービス提供責任者。

実際に利用者様の自宅へ訪問したり、他の職種の方と会議を通して出会ったり、パソコンと向き合って事務作業を行ったりします。

そんなサービス提供責任者に向いている人は、

  • 人が好き
  • 人付き合いが得意
  • 明るい性格
  • 活発的でフットワークが軽い
  • 相手の立場に立てる
  • 気配りができる
  • 傾聴が上手
  • 前向き、ポジティブ
  • 人の役に立ちたい
  • ミュニケーション能力が高い
  • こつこつと作業に取り組める

という方です。

特に、人が好きということが大切です。

人と関わることが好きで、人の役に立ちたい方におすすめの仕事です。

まとめ

ホームヘルパーのリーダー的存在であり、ケアマネジャーや利用者様との調整を行うサービス提供責任者。

様々な業務を行う必要はありますが、やりがいがありスキルアップが可能です。

介護職に興味があり、介護福祉士実務者研修の修了者や修了を目指している方、また介護福祉士の資格を取得している方はぜひサービス提供責任者を目指してみてはいかがでしょうか?

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記事の執筆者
小春ひより

2007年に18歳で介護福祉士の国家資格を取得、現在はカウンセラー兼WRAP(R)ファシリテーターとしてメンタルヘルス分野で活動中。
【保有資格】
・介護福祉士
・WRAPファシリテーター
・メンタル心理カウンセラー
・上級心理カウンセラー

介護・福祉