心理カウンセラーとは、相手の話を聞きそれに共感したりその気持ちを要約したりと、対話を通しながら相談者自身が解決方法を見つけ出せるように支援する仕事をする人のことです。
ストレス社会ともいわれ、小さな子供から高齢者まで、様々な人が悩みや心の問題を抱えています。
この記事では、心理カウンセラーが携わることのある6つの領域における仕事についてご紹介します。
医療領域での仕事内容と期待されること
働く場所は精神科や心療内科だけではない
心理カウンセラーの働く場所として、まず思いつくのは医療機関ではないでしょうか。
病院の精神科、心療内科やあるいはメンタルクリニックなどで、医師と連携をとることにより、患者の心の問題に対して解決の糸口を探すサポートを行います。
医療領域では、なにも精神科や心療内科だけが働く場所ではありません。
神経内科や小児科、産婦人科など多岐にわたります。
時には精神科医のサポート役として活躍
精神科や心療内科には精神科医がおり、必要な場合は薬の処方なども行い、メンタルケアに努めています。
しかし、患者数が増えるとすべての患者のサポートを精神科医だけで行うことは難しくなります。
そこで、活躍するのが心理カウンセラーです。
心理カウンセラーに求められる仕事内容
仕事の内容としては、患者やその家族の相談を聞き、悩みを軽減させ解決の糸口を見つけるきっかけとなることです。
例えば抑うつ状態にあり、毎日が無気力である人や、寝つきが悪い人が対象となります。
また、対人恐怖症などの恐怖症について悩みを抱えている人も相談をすることがあります。
それらの悩みなどを、臨床心理学的知見に基づいて分析し、認知行動療法などの心理療法やカウンセリングを繰り返すことにより、相談者自身が解決できるように導きます。
教育領域での仕事内容と期待されること
教育領域ではスクールカウンセラーとして活躍
医療領域と同じように、心理カウンセラーが活躍する場として学校などの教育機関が挙げられます。
スクールカウンセラーという言葉を聞いたことがある方も少なくはないでしょう。
このスクールカウンセラーを担うのが、心理カウンセラーです。
スクールカウンセラーの受け持つ役割
悩みは学校内で起こるものとは限りません。
学校内での友人関係や教師との関係はもちろん、家族との関係に悩んでいたり、摂食障害や発達障害などを抱えているため、困りごとが起きている児童や生徒も対象です。
また、児童・生徒だけではなくその保護者や担任などと面接を行うこともスクールカウンセラーの仕事です。
保護者から見た子供の姿や、そこから受ける悩みに対する相談事はもちろん、学校での普段の生活を把握するために教師との連携も欠かせません。
スクールカウンセラーになるために必要な資格って?
スクールカウンセラーとして働くために必要な資格は特にはありません。
しかし、採用の条件に臨床心理士の資格を挙げているところも少なくはないです。
産業領域での仕事内容と期待されること
一般企業で多い3通りの心理カウンセラー
一般企業にも心理カウンセラーの働き口はあります。
産業領域では、臨床心理士や産業カウンセラー、キャリアコンサルタントとして働く場合が多いです。
臨床心理士
臨床心理士は、経営者や従業員など会社で働く人を対象に心理的カウンセリングを行います。
職場での人間関係における悩みや心の問題、もしくは大人になってから表面に現れた発達障害といった問題に向き合います。
相談者である従業員の心理状態を把握するためにも、一般企業で就業経験があると相手をより理解することができます。
産業カウンセラー
産業カウンセラーは、人間関係におけるトラブルあるいはキャリアにおいて直面した課題など、経営者や従業員に起こった問題に一緒に向き合います。
産業カウンセラーは、産業分野に特化した働きをしていますので、労働者の抱える問題や悩みをより深くサポートすることができます。
産業カウンセラーの資格は講座の修了と試験の通過が取得条件です。
そのため、人事部で働く労働者や社内研修を行う担当者が資格を取得している場合もあります。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、その名の通りキャリアに関する相談に乗り、適性や適職を見つけ出すことを仕事としています。
同じく仕事に関する悩みを通じて、自分自身の理解を深められるように助言も行います。
2016年には、国家資格となりました。
福祉領域での仕事内容と期待されること
児童相談所
児童相談所など、福祉施設で働く心理カウンセラーもいます。
児童虐待や育児放棄などの被害にあっている子供や、知的障害や発達障害といった障害を抱える子供を持つ親からの相談に乗ります。
心理検査により知能指数を計測するのも心理カウンセラーの仕事です。
公務員として働く児童心理士などもいます。
必ずしも臨床心理士としての資格を所持している必要はありませんが、専門性の高い知識や技術を持つ人が採用されます。
福祉センター
福祉センターなども心理カウンセラーの働く場です。
家庭内における暴力、つまりはDV(ドメスティック・バイオレンス)などの問題は、年々深刻化してきています。
司法・矯正領域での仕事内容と期待されること
家庭裁判所や少年鑑別所での心理カウンセラー
司法・矯正施設として、家庭裁判所や少年鑑別所で働く心理カウンセラーがいます。
特に、家庭裁判所では夫婦間あるいは親子間の問題の調査や、非行を犯した少年に対して調査を行います。
この調査を臨床心理士の資格所持者が行うこともあります。
家庭裁判所における心理カウンセラーの役割
ここでの心理カウンセラーの役割としては、
- 関係者からの事情聴取や事実関係の調査
- 調書の作成
- 当事者にカウンセリング
このようなことを行います。
事件性がある案件を受け持つ場合もある
事件性がある場合は、責任能力の有無を調べることもあります。
事件当時の精神状態を明らかにするために、心理検査や面接あるいはカウンセリングを行う必要があるからです。
時には、障害の有無を調べることもあります。
そのため、家庭裁判所で働く心理カウンセラーは、犯罪に関係することが多いため、法律についての知識を求められるでしょう。
大学・研究領域での仕事内容と期待されること
心理学の研究所や臨床センターでの心理カウンセラー
心理学科などがある大学には、心理学の研究所や臨床センターが併設されていることがあります。
そこでは、臨床心理士が地域住民の悩みや相談を受けます。
相談者自身が解決の糸口を見つけることができるように、心理検査などの検査を行うこともあります。
研究所での役割
研究所での役割は、
- 様々な症例から傾向を見つける
- 新たな心理検査を作成する
- 以前使われていた心理検査の改訂版を発案する
このように、立派な仕事をしています。
心理学科で学生の指導を行い、臨床心理士など心理カウンセラーの後輩を育てることも大切な仕事といえますね。
まとめ
ストレス社会の現代では、心理カウンセラーとして働く人の需要が高まってきています。
特に何の資格がなくても心理カウンセラーとして活躍することができますが、就職する場合はやはり臨床心理士など、資格を持っているほうが有利でしょう。
心理カウンセラーが働く場所は多岐にわたり、相談者の立場に立って相談者自身が解決できるように導くことを求められています。
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