転職先として介護職を考えた時にほとんどの人が気になるのは、資格を取っておいた方が良いのか?、という部分ではないでしょうか。
調べ始めて恐らく最初に目にするのは、介護職員初任者研修といういかにも初心者向けという名前の資格。
こちらの記事では、介護職員初任者研修はどのような資格なのか?、介護の仕事を始める前に、仕事を始めた後でも取っておいた方が良いのかという部分を詳しく掘り下げてお伝えします。
介護職員初任者研修はどんな資格?
介護職員初任者研修は介護の基礎知識・スキルを持っていると証明することのできる資格です。
以前はヘルパー2級と呼ばれていましたが、2013年4月1日の介護保険法施行規則改正により、現在の名称に変わっています。
過去にヘルパー2級として取得している場合には有効ですので、改めて取り直す必要はありません。
初歩的な介護の基礎知識・スキルの証明とお伝えしましたが、国により明確にどのような知識、スキルを取得しなければならないのか定められています。
科目 | 履修時間 |
---|---|
職務の理解 | 6時間 |
介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
介護の基本 | 6時間 |
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
老化の理解 | 6時間 |
認知症の理解 | 6時間 |
障害の理解 | 3時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
振り返り | 4時間 |
合計 | 130時間 |
こちらに定められたカリキュラムの研修を受けた上で、筆記の修了試験を受けて合格することで資格を取得できます。
介護に関わる基本的な知識とスキルを学ぶことができるので、持っていないよりは持っていた方が仕事に取り組みやすくなることは間違いないでしょう。
ただし、この資格を取るためには
- 学校に通う
- 通信教育と並行して、実習部分のみ学校に通う
いずれかの方法で定められた講座を修了しなければなりません。
どちらの方法を選ぶにしても、取得するために時間と手間がかかります。
資格がなくとも実務を行うことはできるので、ゆっくりと勉強にかけている余裕がないという人は就職前に無理に取得せずとも良い資格ではあります。
介護職員初任者研修の資格を取るメリットは?
採用時にアピールできる
介護の仕事は誰でもできるという語られ方をすることも多く、正直なところさまざまな事情をかかえた人が就職面接を受けに来られます。
資格取得に時間がかかることもあり、ほとんどの人は何の資格も持たずに面接へ来られるので、その点で他の就職面接を受ける人たちと差別化をはかることができます。
介護福祉士など上の資格を受ける土台になる
2013年の介護保険法施行規則改正により、介護の仕事を極めるためにどのような資格を取り、スキルを向上させれば良いのか?、分かりやすく示されています。
その資格の1番初めに位置づけられているのが介護職員初任者研修なので、こちらの資格を取得しておくことでその後のスキル向上をスムーズに進められるようになるでしょう。
介護の基礎知識・スキルはプライベートにも役立つ
今は家族に介護が必要な人がいなくとも、人は誰しも老いるものなので、先々、介護のスキル、知識が必要になる場面が出てくるでしょう。
直近で必要なのは仕事に関しての人がほとんどかと思われますが、1度身につけたスキルと知識はいつでも活かすことができるので、取得する際にはこの点も頭に入れておくと良いでしょう。
介護職員初任者研修をお得に取得するには?
介護職員初任者研修の資格について、良い点も含めて分かったところで取ってみようと思われた人も多いかもしれません。
そうなると気になるのは資格を取るのに必要な費用ではないでしょうか?
介護職員初任者研修の資格ははどこかしらの学校へ通学、または通信教育と並行しての通学を行わないと取得することができません。
受講料は学校にもよりますが、5万円前後から10万円前後と幅広い価格帯になっています。
正直、介護業界への転職、就職を考えている段階だと安い出費ではないでしょう。
そんな人こそ見逃せない、「一般教育訓練給付金制度」というものがあります。
この制度は国が働く人の主体的な能力開発の取り組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を目的とした雇用保険の給付制度の1つです。
こちら制度を利用できる条件は以下のとおり。
- 雇用保険の支給要件期間が3年以上
- 離職日から受講開始までが1年以内
- 過去に制度を利用したことがある場合は3年以上経っていること
この3つの条件を満たしている人であれば、誰でも利用することができます。
利用するには国の指定した研修機関から発行される申請書が必要になるため、スクール選びの段階で対象なのかどうか確認しておくことが大切です。
費用の20%が返ってくる
こちらの給付金を利用できれば、受講にかかる費用の20%に相当する額をハローワークから受け取ることができます。
具体例を挙げると受講料が10万円の場合、一般教育訓練給付金は2万円支給される計算です。
ハローワークの窓口へいくつも書類を提出せねばならず、手間もかかりますが無視できない金額を補助してもらえるので、介護職員初任者研修の資格取得を考える時には活用しましょう。
スクールごとの内容も要チェック
こちらの給付金を使うことでお得に介護職員初任者研修の資格を取得することができますが、講座を開設しているスクールによって内容はそれぞれです。
給付金があるとはいえ、安くない受講料に対して割引、就職サポートを行っているなどの費用や卒業後に関わる部分も考えておく必要があるでしょう。
- 疑問がある時にすぐに質問して解決できる体制が整っているのか?
- 現在の仕事で受講できなかった時の授業振替は柔軟か?
など、受講し始めてから困ることがないようにひと通り確認しておくのが大切です。
それぞれの学校の資料を取り寄せることで、手軽に空き時間で確認することができるので、気になる学校に関しては手元に資料を集めて比較しておくと良いでしょう。
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介護職員初任者研修は働き始めてから取得しても問題ない
介護職員初任者研修は介護の現場で働く前に取得しておくべきか?、さまざまな視点からお伝えしました。
こちらの資格を取る課程でさまざまな介護に関わる知識とスキルを身につけられるのは確かです。
ただし、実際の介護の現場には一切資格を持たずに働いている人もまだまだ多くいるのが実情です。
現職の人に対して必ず取るようにと催促されることもないため、時間的にも費用的にも余裕がない状況であれば、慌てて取らずともよいでしょう。
現状では資格を持っていないことで困ることはないはずですが、2024年からは介護の資格を1つも持っていない人に対して「認知症介護基礎研修」を受けさせることが義務化されます。
年々、認知症の高齢者が増えていることに対して、対応することが目的です。
新人であっても1年以内には必ず受講する必要が出てきます。
仕事に慣れないタイミングで余計な負担をかかえたくないという人は、何とか時間と費用を用意して介護職員初任者研修を取得しておくことで、落ち着いて仕事に取り組むことができるでしょう。
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資格・通信講座の総合サイトから資料を取り寄せることが可能です。
実際に合うか合わないかを確認する方法として、それぞれの講座を資料請求して比較することをオススメしています。
講座を申し込む前に、まずは自分に合うかどうかを確認してみてはいかがでしょうか?
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