土地区画整理士とは?メリット・資格の取得方法・難易度など紹介

土地区画整理士は不動産業界以外の人にとっては馴染みのない言葉ですが、特にデベロッパーには需要の高い資格です。

宅地開発や都市計画などには欠かせない資格で、注目が高まっています。

そこで、土地区画整理士の資格が気になる人のために、資格を取得するメリットや取得方法、難易度などについて詳しくご紹介しましょう。

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土地区画整理士とは?

区分 国家資格
カテゴリ 建築・不動産
受験資格 実務経験
(学歴等により年数が異なる)
試験日程 毎年9月
試験方法 学科試験・実地検査
試験会場 東京・名古屋・大阪・福岡
受験料 18,000円
登録・更新 無し
難易度 3.0
おすすめな人 社会人

土地区画整理士とは、土地区画整理事業・環境整備の円滑な施行に携わる仕事です。

土地区画整理に関する専門的な知識を用いて、道路や宅地の区画整理や調和のとれた街づくりなどを行うほか、土地収用や再開発事業なども行います。

土地区画整理士になるには、土地区画整理士技術検定に合格する必要があります。

土地区画整理士技術検定は、土地区画整理法第117条の3に基づいた土地区画整理事業を円滑に行うための専門知識の向上のために実施されている国土交通大臣認定の国家資格です。

試験は一般財団法人全国建設研修センターによって主催されており、1年に1回実施されています。

試験に合格すると、土地区画整理士として土地区画整備や区画整理で余った土地の活用法の提案、災害地の復興事業などの中枢を担うことができます。

土地区画整理士を取得するメリットは?

不動産関連企業への転職に有利

土地区画整理士の資格は、不動産開発業務には欠かせない資格です。

不動産会社は賃貸管理以外にも不動産開発や売却希望者と購入希望者の仲介など様々な事業を行っています。

しかし、さらなる利益を追求するには、自社開発は避けて通れません。

そのため、土地収用や土地区画整理の法律面の専門知識を持つ土地区画整理士が重宝されるのです。

資格を持っているだけで転職のアドバンテージとなるほか、資格手当がつくこともあり給料面でもメリットがあります。

スキルアップ・キャリアアップに繋がる

土地区画整理士の資格は国家資格であるため、保持していると土地区画整理に関する知識やスキルの高さを証明することができます。

業務において高い実績があったとしても、外部の人にとっては実力を測りかねることがあるかもしれません。

しかし、国家資格を取得していると、実績に対する説得力を出すことができ、スキルアップやキャリアアップに繋げられるというメリットがあります。

試験に合格するにはそれなりに勉強も必要となるため、新しい知識も自分の中に蓄積されます。

将来性が高い仕事

宅地開発や都市の再構築などは、右肩上がりで成長している分野です。

駅周辺の開発や高度経済成長期に作られた宅地の再開発、防災性を高めるための街の再構築など、大きなプロジェクトが絶え間なく進められています。

プロジェクトの円滑な遂行のためには、建築関係の知識や区画整理の専門的な知識を備えた土地区画整理士の力が必要となるため、将来的にも仕事のニーズが増え続けることが予想されます。

就職の選択肢が多い

土地区画整理士はデベロッパーや不動産関連会社からの需要が高いほか、不動産を活用した資産運用なども提案できることから信託業務のある金融関連会社への就職も有利です。

もちろん、公的機関によっても街の再構築や区画整理は行われているため、公務員として就職するのにも有利な資格です。

また、実務経験を積むことでコンサルタントとして独立することも視野に入れられます。

土地区画整理士の取得方法は?

土地区画整理士の資格は、年に1回実施される資格試験に合格すると取得できます。

しかし、受験資格として実務経験を積む必要があり、必要な年数は学歴によって異なります。

なお、条件に定められている指定学科とは下記の通りです。

指定学科

土木(工学)・農業土木・鉱山土木・森林土木・砂防・治山・緑地・造園・都市工学・衛生工学・交通工学・建築・法律・経済・商学・経営・地理学

四年制大学卒業の場合

指定学科を修めた場合は卒業後1年の実務経験、指定学科以外を修めた場合は卒業後3年以上の実務経験が必要です。

短期大学・専門学校卒業の場合

指定学科を修めた場合は卒業後2年以上の実務経験、指定学科以外を修めた場合は卒業後4年以上の実務経験が必要です。

高校卒業の場合

指定学科を修めた場合は卒業後3年以上の実務経験、指定学科以外を修めた場合は卒業後5年以上の実務経験が必要です。

不動産鑑定士・不動産鑑定士補の資格を保有している場合

大学で指定学科を修めた場合は卒業後1年以上の実務経験、それ以外は学歴不問で2年以上の実務経験が必要です。

その他

学歴不問で8年以上の実務経験が必要です。

土地区画整理士の難易度は?

【学科試験】

受験者数 合格率
2023年 257人 52.5%
2022年 248人 49.6%
2021年 229人 51.5%

【実地試験】

受験者数 合格率
2023年 214人 30.8%
2022年 202人 43.6%
2021年 205人 33.2%

2023年の土地区画整理士技術検定を見てみると、学科試験の受験者が257人、実地試験の受験者が214人で、最終合格者66人です。

合格率は約30%で、国家資格の中では比較的難易度が低いといえます。

合格率は平均して50%ほどですが、実施年度や選択科目によっても異なります。

合格基準は総得点の60%以上とされており、合格するためにはできるだけ多くの過去問題を解いて出題の傾向を把握することが大切です。

暗記が必要な問題、計算が必要な問題、記述が必要な問題など色々なタイプの問題が出題されるため、それぞれに適切に対応できる力をつけておくことが重要です。

土地区画整理士はこんな人におすすめ!

不動産関連の仕事でキャリアアップを目指す人

土地区画整理士は不動産関連の仕事で高い需要があるため、不動産業界でキャリアアップを目指す人におすすめです。

不動産鑑定士や建築士などの資格を保有する人が取得すると、ダブル資格によって専門知識やスキルの高さを証明することができ、自分の価値をより高めることができます。

将来的に独立を考えている人

土地区画整理士の資格を取得すると、将来的に建設コンサルタントや都市計画コンサルタントとして独立することが可能になります。

また、企業に就職して得た経験や人脈は、独立後の事業にも役立てることができます。

バランス感覚が優れている人

土地区画整理士は、土地提供者間の利害を調整するほか、公園、商業施設やオフィスビルなどの調和を行うなど、物事を俯瞰的に見てそれぞれが満足できる結果をもたらす必要があります。

そのため、バランス感覚が優れた人に向いている仕事です。

キャリアアップを目指して土地区画整理士の資格を取得しよう

土地区画整理士の資格は、不動産関連の仕事への就職・転職に有利なだけでなく、将来的にコンサルタントとして独立することもできます。

また、合格率も33%ほどと国家資格の中では比較的合格しやすい資格試験でもあります。

不動産関連業界でキャリアアップを目指す人は、土地区画整理士の資格を取得してみてはいかがでしょう。

記事の執筆者
LS編集部

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