イタリアは観光大国なのでホテルの種類も豊富ですが、それだけにスタッフの対応やサービスの内容、立地、価格などの品質の差も著しいです。
また、海外なので言葉や習慣についての不安もありますし、数が多すぎてホテル選びに迷う方も多いでしょう。
こちらでは、イタリア旅行で失敗しないためのホテルの選び方について見ていきます。
1.観光に便利な立地を知る
イタリアは観光スポットが集中しており、地下鉄や鉄道が至る所に走っているので観光巡りがしやすいです。
また、エリアによって特徴が異なりますので、どのようにイタリア観光をするのか決めてから便利な立地を判断すると良いでしょう。
ただし、旧市街は街全体が世界遺産に登録されているところもあるため、設備不足や建物の古さが気になる可能性もあります。
観光に便利なエリアは大きく分けて5つあり、近隣都市への移動や観光の利便性を優先させるならテルミニ駅周辺がおすすめです。
一方、遺跡巡りならコロッセオ周辺、ショッピングやトレビの泉へのアクセスならスペイン広場周辺、グルメ目的ならナヴァーナ広場周辺、バチカン美術館を回りたいならバチカン周辺が良いでしょう。
2.宿泊施設のタイプを把握する
ホテル
一般的なタイプの宿泊施設ですが、イタリアでは宮殿などを改造したクラシック・ホテルや貴族の邸宅、協会などを改装したプチ・ホテル、有名デザイナーが手掛けたブティック・ホテル、フレンドリーなサービスが受けられるペンショーネなどの様々な特徴を持ったホテルがあります。
アパートメント、レジデンス
長期滞在向けのアパートメントやレジデンスは洗濯機やキッチンがついています。トラブルがあればオーナーに相談できますが、普段はめったに顔を合わせることがありません。
B&B
B&Bはベッドと朝食の提供がある小規模な宿泊施設で、間借りになることもあります。管理者に常時連絡がつくわけではないので、トラブルがあったときには大変ですが、料金が安く現地の生活感を味わえます。
民泊
個人宅に宿泊する民泊はイタリアでは非常に盛んで、1泊から月単位まで予約可能です。目的に応じて選びましょう。
3.ホテルの等級を確認する
海外のホテルは等級に応じてサービス内容がはっきり変わることが多いため、予算と相談して快適に過ごせるところを選びましょう。
1~2つ星ホテルの場合、設備やサービスは最低限で、朝食もパンとコーヒーのみといった質素なケースがほとんどです。料金は安いですが、宿泊専用と割り切って利用しましょう。
3~4つ星ホテルになるとサービス内容や質が幅広く、口コミを確認して選ぶ必要があります。朝食はバイキング形式で数種類用意されているのが一般的です。
5つ星ホテルは宿泊費が高額ですが、サービス内容や部屋の質、設備の充実度で群を抜いています。
4.設備を確認する
イタリアのホテルには、日本では当たり前の設備が不足していることも多いため、注意が必要です。特に、エレベーターは古い街並みのホテルではついていないことがありますし、あってもボタンが1階分しか押せない、ドアが手動になっているなど使い方が異なっています。
また、バスタブは必ずしもついているとは限りません。テレビやエアコン、セーフティボックスは3つ星ホテル以上ならばついていることがほとんどです。
ホテルの事情を知らずに準備不足で宿泊した場合、不便な思いをすることもありますのできちんと確認しておきましょう。
5.アメニティを確認する
アメニティは、高級ホテルでもない限りは日本ほど充実していないと考えておきましょう。固形石鹼とバスタオルくらいはありますが、日本では当たり前に備え付けられている歯ブラシやスリッパ、パジャマなどは中級ホテルでも揃っていないことがありますので、自分で用意しなければなりません。
シャンプーやコンディショナー、ボディーソープ、かみそりなども備え付けがなければ不便ですし、肌に合わない可能性がありますので、念のためあらかじめ用意しておきましょう。
6.オフ/オンシーズン料金を把握する
四季によって様々な楽しみ方ができる日本とは異なり、イタリアではベストシーズンがはっきりしています。イタリアでは4~6月と9~10月がベストシーズンで、年末年始を除く11~2月がオフシーズンです。
イタリアではオフシーズンの気温が非常に低く、氷点下近い気温になることもあるため、料金は安くなるものの十分な観光ができない可能性があります。
逆に、イタリアの8月は気温が30度を優に超え、地元でほとんどの人が休暇をとっているため、閉店になっているところも少なくありません。そのため、金額が高いだけでなく混雑する状況です。
7.キャンセル料金・条件をチェックする
海外のホテルはキャンセル規定が予約サイトやホテルによって異なります。中には、前金で支払いをしてキャンセルをしても返金が受けられないこともあります。
そのため、イタリアでホテル選びをする際にはキャンセル料金が発生しないか、発生する場合はどのような条件となっているのかを確認しなければなりません。
キャンセル可の場合は、宿泊日の2週間前~前日までに連絡をするのが一般的です。また、キャンセル不可のホテルと比べて料金がやや高めなことが多い傾向があります。
8.地下鉄・バスの最寄り駅を調べる
イタリアは地下鉄やバス、トラムを使って観光をする機会が多いです。そのため、観光したい場所の近くに宿泊するだけでなく、離れた観光スポットにアクセスしやすい公共交通機関を確認しておくことで、効率的に回ることができます。
地下鉄は路線が少ないですが、バスは路線が多すぎてどれに乗るのかわかりづらく、迷わずに移動できる立地のホテル選びは重要なポイントと言えるでしょう。
もちろん、滞在中は頻繁にこれらの交通機関を利用することになるため、最寄り駅にすぐに行けるホテルが便利です。
9.治安の良いエリアを把握する
イタリアは身の危険につながるような危険性こそ高くはないものの、観光客が多いためスリや窃盗などの犯罪件数は非常に多いです。
エリアで言えば、観光客が多い街の中心部はそれほど治安が悪くはありませんが、テルミ二駅周辺やヴィットリオ・エマヌエーレ広場周辺などは移民や浮浪者が多く、女性や子供だけで歩き回るのはお勧めできません。
特に夜間は危険性が高いため、夜に外を歩くことが多いホテル周辺のエリアは安全なところを選びましょう。
また、地下鉄やバスでのひったくりや駅構内でのスリなどが多く見られますので、日中の移動でも常に荷物を肌身離さず持ち歩く必要があります。
10.宿泊税を確認する
イタリアは町ごとに設定されている宿泊税というものがあります。滞在する町やホテルのランクによって金額は異なりますが、一般的にはホテルの格式が高くなるほど宿泊税が高くなるように設定されており、宿泊人数に宿泊日数を乗じて計算します。
これはB&Bやアパートメントなどでも徴収され、目安としては一人あたり1日100~700円程度です。町によっては宿泊税を徴収しないところもありますが、主要な観光スポットではほとんどのホテルで宿泊税を払わなければなりません。
請求されたときに慌てずに済むように、大体どれくらい準備しておけば良いのかを事前に確認しておきましょう。
まとめ
イタリアならではのホテルの特徴も数多くありますので、国内とはまた異なった視点でホテル選びをする必要があります。
ホテルの設備や用意されているアメニティなどによって、日本から準備していく品物も変わってきますので、予約する際には詳しく調べておきましょう。
また、できれば渡航前に予約の確認をしておくとトラブルの予防につながります。