長年育ててきた娘または息子の結婚式や、実の兄弟・姉妹などの親族の結婚式は、なんだか緊張しますよね。
また、親族の結婚式に参加する場合は主催者側としての参加になるため、招待客をおもてなす側になります。
友人の結婚式に参加する場合とは異なり、招待客へのおもてなしの気持ちを示すために、服装にも注意する必要があります。
男性の場合は両親、兄弟、叔父、いとこなど、新郎新婦との関係性によって最適な服装は異なります。
特に、新郎新婦の両親が一番格式高い服装になるように配慮したり、両家で服装を揃える必要があるなど、配慮するべき点がいくつかあります。
ここでは、結婚式にふさわしい親族の服装マナーについて詳しく紹介していきたいと思います。
結婚式においての親族の立場とは?
新郎新婦の両親や兄弟・姉妹、叔父・叔母、いとこなどの親族が結婚式に参加する場合には、招待客を迎える主催者側の立場になります。
挙式・披露宴中は、親族紹介のタイミングで新郎新婦の家族として注目されるほか、招待客に挨拶することもあります。
具体的に、結婚式において親族が担うべき役割には以下のようなものがあります。
母親→招待客への挨拶、挙式でのベールダウン
兄弟・姉妹などの親族→新郎新婦の写真撮影、招待客へのおもてなしのサポート
それぞれの役割にふさわしい服装をしていないと、招待客に与える印象は良くありませんよね。
招待客におもてなしをする主催者側の立場として、相手をお迎えするのにふさわしい服装をすることが最低限のマナーです。
また、新郎新婦の両親や兄弟・姉妹、叔父・叔母、いとこなどのそれぞれの立場において、結婚式にふさわしい服装は異なります。
特に、新郎新婦の両親が、一番格式高い服装になるように配慮する必要があります。
兄弟・姉妹や叔父・叔母、いとこなどの服装についても、新郎新婦の両親よりも格式が低いものになるようにしましょう。
その他にも、新郎新婦の両親の服装が異なったものになってしまうと、見た目の印象も良くないので、両家で相談して揃えるように配慮することが重要です。
結婚式にふさわしい親族の服装マナーは?
結婚式にふさわしい親族の服装マナーは以下のようなものになります。
- 正礼装
- 準礼装
- 略礼装
それでは詳しく見ていきましょう。
1. 正礼装
正礼装は、礼装の中でも最も格式高いものであり以下のようなものがあります。
- モーニングコート
- 燕尾服(テールコート)
- 紋付羽織袴
モーニングコート
モーニングコートは、午前中から午後6時に着用する正礼装のことをいいます。
デザインは、前身の着丈が大きく斜めにカッティングされていて、後ろの着丈が膝の位置まで長くなっているのが特徴です。
フロントボタンは拝み釦となっており、手を合わせたように左右対称で止めるのがルールです。
着こなしとしては以下のような装いになります。
服装 | 色合い |
パンツ(コールパンツ) | グレーと黒のストライプ、白と黒のストライプ |
シャツ | ウィングカラー、レギュラーカラーの白無地ブロードクロス |
ネクタイ(コールタイ) | シルバーグレー、白と黒のストライプ |
燕尾服(テールコート)
燕尾服は、午後6時以降に着用する正礼装のことをいいます。
裾が燕の尾のような形をしていることから、テールコートとも呼ばれています。
招待状のドレスコードに「ホワイトタイ」の指定がある場合には、ウィングカラーのシャツに白の蝶ネクタイを合わせるのが一般的です。
着こなしとしては以下のような装いになります。
服装 | 色合い |
パンツ | 側章が入ったパンツ |
シャツ | ウィングカラーの白無地ブロードクロス |
ネクタイ | ホワイトタイ(白の蝶ネクタイ) |
紋付羽織袴
紋付羽織袴は、和装での結婚式で着用する正礼装のことをいいます。
着こなしとしては、白の五つの紋付がついている黒い羽織袴を着るのが一般的です。
2. 準礼装
準礼装は、正礼装に準ずる礼装のことをいいます。
結婚式に招待された招待客が着用する、最も格式高いものになります。
- ディレクターズスーツ
- タキシード
ディレクターズスーツ
ディレクターズスーツは、午前中から午後6時に着用する準礼装のことをいいます。
デザインは、正礼装であるモーニングコートのジャケット丈が短くなっているのが特徴で、テーラードジャケットといいます。
着こなしとしては以下のような装いになります。
服装 | 色合い |
テーラードジャケット | 黒無地 |
パンツ(コールパンツ) | グレーと黒のストライプ、千鳥格子、ライトグレー |
シャツ | ウィングカラー、レギュラーカラーの白無地ブロードクロス |
ネクタイ(コールタイ) | 白と黒のストライプ、シルバーグレー |
タキシード
タキシードは、午後6時以降に着用する準礼装のことをいいます。
ジャケットは、ショールカラーやピークドラペルといった衿の形のもので、サテン地が用いられていることが多いです。
招待状のドレスコードに「ブラックタイ」の指定がある場合には、黒のタキシード、黒の蝶ネクタイを合わせるのが一般的です。
着こなしとしては以下のような装いになります。
服装 | 色合い |
パンツ | 側章が入ったパンツ |
シャツ | ウィングカラー、レギュラーカラー、ワイドカラーの白無地ブロードクロス |
ネクタイ | ホワイトタイ(白の蝶ネクタイ) |
3. 略礼装
略礼装は、最もポピュラーな礼装のことをいいます。
招待状のドレスコードに「平服」の記載がある場合には、この略礼装のことを指します。
略礼装は、正礼装や準礼装のように昼夜の区別がないので、幅広い結婚式に使えるほか、汎用性の高い着こなしをすることができます。
スーツにはブラックスーツが一般的ですが、ドスキン、タキシードクロスといった礼装専用の生地を使っている製品から、ビジネススーツのものまで様々です。
色合いについても、ダークグレーやチャコールグレー、ダークネイビーであれば、結婚式の礼装として用いることができます。
また、ベストを着用してのスリーピースタイルでもOKなので、ビジネスとは違ったフォーマル感のあるコーディネートを心がけましょう。
結婚式の男性親族の服装を立場別に紹介!
父親の場合
父親の場合は、正礼装で参加するのが一般的です。
挙式・披露宴が昼間の場合にはモーニングコート、夜間の場合には燕尾服となります。
しかし、夜間の場合には、準礼装であるタキシードを着用することが多い傾向にあるようです。
ここで注意しておきたいのが、両家の父親の服装を揃える必要があることです。
例えば、新郎側の父親がモーニングコート、新婦側の父親がタキシードだと見た目の印象も良くありませんよね。
そのため、両家でしっかりと打ち合わせをして事前に服装を揃えておくようにしましょう。
また、和装で行う結婚式の場合には紋付羽織袴を着用するのが一般的です。
兄弟の場合
兄弟の場合は、タキシード、ブラックスーツで参加するのが一般的です。
未婚で社会人経験が浅い世代であれば、ダークスーツでも問題はないでしょう。
また、高校生以下の学生の場合には、学校の制服で参加することが多い傾向にあります。
スーツを着用しなければならないというわけではないので、新調するのが手間だと感じる場合には、制服を礼装として着用しましょう。
叔父の場合
叔父の場合は、準礼装もしくは略礼装で参加するのが一般的です。
礼装については、新郎新婦の父親の服装よりも格式高いものにならないように配慮する必要があるので、略礼装のブラックスーツがよく選ばれる傾向にあります。
いとこの場合
いとこ(従兄弟)の場合は、略礼装で参加するのが一般的です。
特に、新郎新婦よりも年下の場合にはブラックスーツではなく、グレーやネイビーなどのダークカラーのスーツを着用しても良いでしょう。
また、兄弟の場合と同様、いとこが高校生以下の学生の場合には学校の制服を礼装として着用します。
親族の結婚式にふさわしい服装マナーを心がけよう!
親族の結婚式の場合は新郎新婦の両親や兄弟・姉妹、叔父・叔母、いとこなど、立場によってふさわしい服装マナーは異なります。
また、親族の結婚式に参加する場合は招待された側としての参加ではなく、主催者側としての参加になります。
そのため、主催者側として新郎新婦とともに招待客をおもてなししたり、新郎新婦の両親などのサポートに回る必要があります。
招待客へのおもてなしの気持ちを示すためにも、上記を参考に、服装などのマナーはしっかりと把握しておくことが重要です。